【花粉まとめ2024】全国の花粉飛散量は平年並、エリアによって大きな偏り

2024/06/26  株式会社 ウェザーニューズ 

2024.06.26

2024年春の花粉飛散の特徴は?「花粉まとめ2024」を発表

全国の花粉飛散量は平年並、エリアによって大きな偏り

〜気温変動の大きい春、東京など関東南部を中心にスギ花粉飛散・症状のピークが2回〜

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株式会社ウェザーニューズ(本社:千葉市美浜区、代表取締役社長:石橋 知博)は、2024年春の花粉の飛散と花粉症の症状のまとめを発表しました。本発表では、一般の方や企業、病院などの協力のもと全国約1,000か所に設置した独自の花粉観測機「ポールンロボ」が観測した花粉飛散量と、アプリ「ウェザーニュース」を利用する花粉症の方からシーズン中に寄せられたのべ127,299通の症状報告をまとめています。なお、2025年春の花粉飛散傾向は、10月頃に発表予定です。

<ポイント>
1. 飛散量:北日本では昨年・平年を大きく上回る 西日本では昨年・平年よりも大幅減
2. 飛散の特徴:気温変動の大きい春、東京など関東南部を中心にスギ花粉のピークが2回
3. 症状報告:つらい症状のピークも2回、シラカバ花粉の大量飛散で4月中旬以降のつらい割合が増加

ウェザーニュースウェブサイト「花粉まとめ2024」
https://weathernews.jp/s/topics/202406/250195/

2024年 花粉の飛散まとめ

<北日本では昨年・平年を大きく上回る 西日本では昨年・平年よりも大幅減>

ウェザーニューズ独自の花粉観測機「ポールンロボ」が観測した2024年春の花粉飛散量は、全国平均で昨年比54%、平年(※1)比100%となり、飛散量が多かった昨年と比べると半分程度、平年と比べると同程度となりました。
ただ、飛散量の傾向はエリアによって差が大きくなっています。北日本や関東、東海では平年を上回った地域が多く、北日本を中心に昨年を大きく上回った一方で、西日本では昨年・平年ともに大きく下回りました。

花粉の飛散量は雄花の生長に大きく左右されます。雄花の生長は前年の夏の気温や日照時間(気温が高く、日照時間が長いほど好条件)、年ごとの花粉の増減傾向の影響を受けます。
昨年の夏は、西日本で前線や台風の影響などで日照時間が平年並か平年を下回る地域がありました。また、昨年春の花粉の飛散量が非常に多くなった反動も大きく、今年の飛散量は昨年・平年を大きく下回ったと考えられます。東日本も昨年春の飛散量は多かったものの、昨年夏の天候が雄花の生長に適していたため、今年は平年並から平年を上回る飛散量となり、関東や東海の一部では昨年と同程度の飛散量となりました。東北北部から北海道では昨年春の飛散量が平年を下回った反動と夏の天候が雄花の生長に好条件だったことが重なり、昨年・平年を大きく上回る飛散量になったとみられます。

※1 花粉飛散の平年:過去10年間(2014~2023年)の平均

<気温変動の大きい春、東京など関東南部を中心にスギ花粉のピークが2回>

2024年春の花粉飛散の特徴は、2月上旬から中旬の記録的な暖かさの影響で飛散開始から本格飛散に至る期間が短かったことと、気温の変動が大きくなった影響でスギ花粉の飛散ピークが2回あったことです。

2月上旬から中旬は暖気の影響で、全国的に記録的な暖かさとなりました。九州や静岡県では2月上旬からスギ花粉の飛散が始まり、中旬には九州から東北の各地で花粉シーズンに入りました。九州から東海では平年並から平年より数日早く花粉シーズンを迎えたところが多く、北陸や東北太平洋側では平年より10日程度早く花粉シーズンを迎えました。一方、関東地方では2月5日に大雪になったことが影響し、平年より花粉シーズンインが5日程度遅れました。2月中旬には記録的な暖かさの影響で飛散開始の直後から飛散量が急増しました。九州〜東北太平洋側の各地で飛散が本格化し、飛散開始から短期間(5日以内)で飛散が本格化したエリアが多くなりました。
2月下旬から3月は断続的に強い寒気や低気圧などの影響を受けて気温の変動が大きくなったため、東日本・西日本のスギ花粉の飛散ピークは、場所によるばらつきがありました。九州や静岡県など飛散開始が比較的早かった地域では2月下旬がスギ花粉のピークとなり、東日本・西日本の多くのエリアでは3月中旬に、関東南部や、東海から中国・四国地方の一部では2月下旬と3月中旬の2回、特にスギ花粉の飛散量が多くなりました。
3月終わり頃から4月は、暖気の影響で記録的な暖かさとなる日が多くなりました。気温上昇に伴って東北日本海側や北部ではスギ花粉の飛散ピークを迎えて、東日本・西日本の広い範囲でヒノキ花粉の飛散ピークとなりました。また、北海道でも4月中旬にシラカバ花粉の飛散が開始し、記録的な早さとなりました。花粉の飛散期間はエリアによって差がありましたが、飛散開始が早く平年より飛散量が多い傾向が強い北海道や東北北部を中心に、飛散期間も平年より長くなりました。

2024年 花粉症の症状報告まとめ

<飛散が多かった北海道や東北北部、東海でつらい人が増加>

2024年の花粉症の症状のつらさについて、スマホアプリ「ウェザーニュース」のユーザーから寄せられた花粉症の症状報告を分析しました(※2)。その結果、花粉症の症状が「つらい」と感じた方の割合は全回答数の27%となり、昨年の23%よりも4ポイント増加しました。
地域別の結果を昨年と比較すると、北海道や東北北部、東海は昨年よりつらい割合が増加しており、特に北海道は22ポイント増と違いが顕著です。これらの地域では、花粉の飛散量が平年・昨年を上回り、花粉症の症状を強く感じた方が多かったのではないかと考えられます。
西日本は花粉の飛散量が昨年・平年ともに大きく下回ったものの、つらい割合に大きな減少は見られませんでした。飛散開始からすぐに飛散が本格化したことが影響した可能性が考えられます。

※2 症状がつらい人の割合:スマホアプリ「ウェザーニュース」の『花粉 Ch.』に 2024 年 2 月 1 日〜 5 月 31 日に 花粉症のユーザーから寄せられた症状報告(のべ127,299通)のうち、“非常につらい”“つらい”の回答を合計し、割合で表示。

<つらい症状のピークも2回、シラカバ花粉の大量飛散で4月中旬以降もつらい割合が増加>

花粉症の発症時期に関する調査(※3)では、「例年通り」と回答した方が48%と最も多く、次いで「早かった」が41%、「遅かった」が11%となりました。今年は気温の変動によって飛散量も大きく変動したため、花粉症の発症の時期も人によってばらつきが出やすかったのではないかと考えられます。
今年と昨年の症状報告の変化を比較すると、2つの特徴がありました。
1つ目は、今年はピークが2月下旬と3月中旬の2回で、これはスギ花粉の飛散ピークと一致しています。2つ目は、今年は昨年よりも4月中旬以降の「つらい」割合が高くなっています。これは北海道での「つらい」割合が増えたことが影響しており、シラカバ花粉の飛散時期とも一致しました。
全体を通してみると、今年は花粉症が出た時期にばらつきがあったものの、2月から「つらい」と感じる方の割合が昨年よりも多く、「つらい」割合が減少したのも4月下旬と遅めでした。花粉に敏感な方にとっては、「つらい」と感じる期間が長くなったことがわかります。

※3 調査:スマホアプリ「ウェザーニュース」にて「今年の花粉症、症状が出た時期はどう?」と質問し(選択肢:“早かった”“例年通り”“遅かった”“花粉症ではない”)、“花粉症ではない”の回答を除いて集計(調査期間:2024年3月19日、回答数:9,256)。

都道府県ごとの花粉飛散傾向

都道府県

花粉シーズン中の総飛散量

症状がつらい割合

2023年比(%)

平年比(%)

2024年(%)

2023年(%)

北海道

539

184

36

14

青森県

301

227

28

19

岩手県

158

222

30

24

秋田県

203

163

22

7

宮城県

87

182

29

28

山形県

70

115

28

22

福島県

51

130

26

24

茨城県

34

78

22

20

栃木県

38

96

13

27

群馬県

48

104

24

21

埼玉県

76

104

34

26

千葉県

76

123

26

23

東京都

91

149

29

22

神奈川県

80

154

27

25

山梨県

75

128

44

36

長野県

72

99

21

20

新潟県

45

106

19

18

富山県

36

81

7

22

石川県

23

65

22

26

福井県

35

90

13

23

静岡県

118

158

13

19

愛知県

90

102

30

21

岐阜県

105

153

31

19

三重県

55

109

27

23

滋賀県

63

100

30

23

京都府

21

49

21

21

大阪府

21

43

25

26

兵庫県

22

55

28

26

奈良県

34

83

25

22

和歌山県

49

79

17

21

岡山県

19

43

26

24

広島県

15

34

19

27

鳥取県

21

55

7

29

島根県

29

64

10

20

山口県

27

44

18

20

徳島県

15

33

13

15

香川県

12

27

14

14

愛媛県

19

34

10

12

高知県

34

40

22

23

福岡県

43

57

25

22

佐賀県

54

83

29

26

長崎県

46

74

26

29

大分県

26

43

26

35

熊本県

33

47

16

16

宮崎県

33

49

21

21

鹿児島県

29

56

24

17

全国平均

54

100

27

23

* 総飛散量:各都道府県に設置された花粉観測機「ポールンロボ」が観測した飛散量の平均
* 症状:2/1〜5/31の期間において症状が出ている方(“非常につらい”“つらい”“ややつらい”と回答した方)のうち、
“非常につらい”または“つらい”と回答した方の割合

シーズン開始・終了日

都道府県

2024年

平年(2014〜2023年の平均)

花粉
シーズン
開始日

本格飛散
シーズン
開始日

本格飛散
シーズン
終了日

花粉
シーズン
終了日

花粉
シーズン
開始日

本格飛散
シーズン
開始日

本格飛散
シーズン
終了日

花粉
シーズン
終了日

北海道

4/15

4/21

5/29

6/10

4/23

4/27

5/29

6/9

青森県

2/19

3/15

5/3

5/10

3/9

3/15

4/26

5/6

岩手県

2/16

2/19

4/27

5/2

3/4

3/11

4/24

5/4

秋田県

3/11

3/15

4/27

5/2

3/7

3/15

4/25

5/4

宮城県

2/14

2/15

4/22

5/2

2/25

3/4

4/23

5/3

山形県

2/28

3/13

4/22

5/2

3/2

3/8

4/23

5/2

福島県

2/15

2/18

4/22

5/2

2/23

3/3

4/23

5/5

茨城県

2/14

2/15

4/25

5/8

2/9

2/20

4/24

5/5

栃木県

2/14

2/15

4/25

5/8

2/10

2/20

4/24

5/5

群馬県

2/14

2/16

4/25

5/8

2/10

2/20

4/24

5/5

埼玉県

2/12

2/15

4/22

5/7

2/8

2/20

4/23

5/4

千葉県

2/13

2/15

4/22

5/7

2/8

2/19

4/22

5/3

東京都

2/13

2/15

4/22

5/12

2/7

2/20

4/22

5/4

神奈川県

2/12

2/13

4/25

5/14

2/7

2/19

4/22

5/4

山梨県

2/10

2/16

4/29

5/16

2/12

2/22

4/25

5/5

長野県

2/14

3/11

5/2

5/15

2/23

3/2

4/29

5/8

新潟県

2/17

2/25

4/28

5/6

2/27

3/4

4/21

5/4

富山県

2/13

2/18

4/25

4/27

2/24

3/2

4/21

5/4

石川県

2/13

2/18

4/27

4/27

2/23

2/28

4/22

5/2

福井県

2/16

2/18

4/25

4/27

2/24

3/1

4/21

4/30

静岡県

2/10

2/13

4/26

5/4

2/8

2/17

4/25

5/4

愛知県

2/14

2/16

4/26

5/4

2/16

2/23

4/22

5/3

岐阜県

2/15

2/20

5/2

5/4

2/19

2/26

4/29

5/6

三重県

2/12

2/15

4/22

5/2

2/14

2/21

4/22

5/1

滋賀県

2/18

2/21

4/20

4/27

2/21

2/27

4/23

5/1

京都府

2/18

2/21

4/20

4/27

2/20

2/28

4/23

5/1

大阪府

2/15

2/20

4/17

4/29

2/19

2/25

4/22

4/30

兵庫県

2/15

2/18

4/23

4/28

2/18

2/26

4/24

5/2

奈良県

2/18

2/20

4/17

4/29

2/19

2/26

4/23

5/1

和歌山県

2/10

2/15

4/17

4/29

2/13

2/21

4/21

5/1

岡山県

2/14

2/18

4/17

4/27

2/19

2/25

4/22

4/30

広島県

2/14

2/17

4/17

4/27

2/18

2/23

4/21

4/30

鳥取県

2/13

2/18

4/17

4/27

2/18

2/23

4/20

4/28

島根県

2/13

2/15

4/17

4/27

2/16

2/23

4/20

4/28

山口県

2/10

2/13

4/18

4/24

2/11

2/17

4/18

4/27

徳島県

2/15

2/18

4/14

4/24

2/16

2/21

4/21

4/30

香川県

2/15

2/18

4/14

4/24

2/18

2/23

4/21

4/30

愛媛県

2/11

2/14

4/18

4/24

2/12

2/19

4/21

4/29

高知県

2/11

2/16

4/18

4/24

2/14

2/21

4/21

4/29

福岡県

2/9

2/14

4/14

4/24

2/9

2/17

4/14

4/24

佐賀県

2/11

2/15

4/14

4/24

2/12

2/19

4/14

4/24

長崎県

2/5

2/12

4/10

4/24

2/9

2/18

4/14

4/24

大分県

2/12

2/14

4/14

4/24

2/10

2/18

4/16

4/25

熊本県

2/9

2/15

4/14

4/24

2/13

2/18

4/15

4/25

宮崎県

2/11

2/15

4/2

4/19

2/9

2/19

4/15

4/25

鹿児島県

2/7

2/14

4/2

4/19

2/10

2/19

4/15

4/25

* 花粉シーズンの定義:花粉観測機「ポールンロボ」の観測に加え、ユーザーからの症状報告を加味
花粉シーズン開始:3割以上のポールンロボが1日10個以上の花粉を観測。症状が重い人、敏感な人に症状が出始める目安
本格花粉シーズン開始:3割以上のポールンロボが1日30個以上の花粉を観測。花粉症の多くの人に症状が出始める目安
花粉シーズン終了:7割以上のポールンロボが1日10個以下の花粉を観測

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