デジタルサブマージアーク溶接システム「DIGITAL AUTOMELT」販売開始

2024年06月27日

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[世界最大出力1500A] 厚板業界の脱技能化、高能率化を実現
デジタルサブマージアーク溶接システム「DIGITAL AUTOMELT」販売開始

■要旨

株式会社ダイヘンは、厚板溶接向けデジタルサブマージアーク溶接システム「DIGITAL AUTOMELT(デジタルオートメルト)」（以下、本製品）を販売開始します。

本製品はデジタル化により厚板溶接の脱技能化を実現するとともに、デジタル制御溶接機として世界最大となる1500A出力で高能率化にも大きく貢献します。

■開発の背景

当社が1952年に業界初の国産化を果たし市場投入したサブマージアーク溶接機は、高度経済成長期の造船需要により大きく普及しました。以降、他業界においても溶接の自動化・高能率化を目指し、建築（鉄骨）や橋梁など、現在も幅広い分野で活用されています。

サブマージアーク溶接機は自動機仕様により安定した品質が確保できる溶接法として幅広く活用されているものの、溶接条件設定が難しく、使用する用途や環境に合わせた溶接条件の微調整（スキル・ノウハウ）が必要となります。近年、ものづくりに携わる業界では総じて人手不足・熟練技能者の減少・技能継承が課題となっており、厚板溶接の業界においても技能レス化が強く求められています。加えて、脱炭素社会の実現に向けた風力発電設備の土台となるモノパイル（巨大な洋上風力を支える円筒の軸）への活用など新たな用途向けの需要が拡大するとともに、生産性向上を目指した更なる高能率化ニーズも高まりつつあります。

そこで当社は、デジタル化により熟練技能を必要とせず誰でも容易に再現性の高い溶接ができ、デジタル機では世界最大出力となる1500Aで生産性を向上する溶接システムをこのたび開発しました。本製品は、脱技能化・高能率化をはじめとする厚板溶接業界の様々な課題解決に加え、精密な出力制御による省エネ設計で脱炭素化にも寄与します。

■特長

1. デジタル化による高い再現性・安定性
   • ・電流、電圧などの様々な溶接条件を直接数値で設定可能
   • ・溶接条件最大100件記憶可能、設定・調整にノウハウを要さず再現性の高い溶接を実現
   • ・ワイヤ送給モータとキャリジ（走行台車）の走行モータをエンコーダフィードバック制御することで、数値による正確な設定と精密な制御が可能。従来機でのダイヤル操作による都度の 実測と微調整を繰り返す手間が不要になり、再現性の高い安定した溶接で脱技能化に貢献
2. デジタル溶接機として世界最大出力「1500A」による高能率化
   • ・溶接パス数削減・高速溶接により作業工数を大幅に削減
   • ・母材への入熱抑制により強度低下を防止
3. 豊富な溶接モード搭載
   • ・新モード（交流定電圧モード）を追加した計6種類の豊富な溶接モードにより、高温割れの防止や溶着量、溶け込み深さなどの調整が可能

   搭載溶接法		極性
   		直流(EN)	交流	直流(EP)
   特性	定電流	直流(EN)定電流	交流定電流	直流(EP)定電流
   	定電圧	直流(EN)定電圧	NEW：交流定電圧	直流(EP)定電圧

4. その他の便利機能・性能
   • ・溶接波形パラメータを細かく調整可能、最適溶接を実現
   • ・溶接電源と制御BOXに大型デジタルメータとLCDパネルを搭載、高い視認性と操作性を実現
     万が一のトラブル発生時もLCDパネルに異常内容が表示され、原因を迅速に特定できるため生産ダウンタイムを最小限に抑制
   • ・溶接施工後の溶接情報（ワイヤ消費量、入熱など）を収集・記録する溶接管理システムと連携することで工数削減やトレーサビリティ確保などの改善活動推進に寄与（オプション、近日リリース予定）
   • ・デジタル化による精密な出力制御で電力使用量・CO2排出量7％低減
   • ・従来のサブマージアーク溶接機のアークスタートに必要だった「丸めたスチールウールを母材とワイヤの間に挟んで通電する」手間が不要（スチールウールレススタート）

■販売計画

■本製品に関するお問い合わせ先

株式会社ダイヘン 溶接・接合事業部 TEL：0120-856-036

■本製品の仕様