(日銀レビュー)海外における「預金のトークン化」の取り組みについて

2024/06/28  日本銀行 

海外における「預金のトークン化」の取り組みについて

2024年6月28日

決済機構局 杉村和俊、別所昌樹*
*現・神戸支店

要旨

近年、海外では「預金のトークン化」に関する取り組みが広がり始めている。ステーブルコインへの注目の高まりとともに、預金という伝統的な支払手段に関しても、分散型台帳技術(DLT)などの技術を活用した決済の機能拡張が検討されている様子がうかがわれる。預金であることを志向する理由としては、マネーの二層構造と親和的であることや、既存の規制や制度と親和的である可能性などが指摘されている。もっとも、「トークン化された預金」での支払が私法上どのように位置づけられ、スマートコントラクトの活用が非機能面や法的安定性にどのような影響を及ぼしうるかといった論点が残されている。決済システムの将来像を見据えて、多面的な検討を続けていくことが期待される。

日本銀行から

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