改善報告書の徴求及び公表措置:(株)ラックランド

2024/07/02  株式会社 日本取引所グループ 

2024/07/02 東証 改善報告書の徴求及び公表措置:(株)ラックランド ポスト

以下のとおり、改善報告書の徴求及び公表措置を実施することにしましたので、お知らせします。

※本件は、日本取引所自主規制法人の審査結果に基づき決定したものです。

1.会社名 株式会社ラックランド
(コード:9612、市場区分:プライム市場)
2.改善報告書提出期限 2024年7月31日(水)
理由
(関連条項)
開示された情報の内容に虚偽があり、上場規則に違反し、改善の必要性が高いと認められるため
(有価証券上場規程第504条第1項第1号)
3.公表措置公表日 2024年7月2日(火)
理由
(関連条項)
開示された情報の内容に虚偽があり、上場規則に違反した旨の公表が必要と認められるため
(有価証券上場規程第508条第1項第1号)
4.理由の詳細 株式会社ラックランド(以下「同社」という。)は、2024年4月16日、同社における不適切な会計処理に関する特別調査委員会の調査報告書を開示し、同年6月14日、過年度の決算内容の訂正を開示しました。
これらにより、同社では、前代表取締役社長(以下「前社長」という。)により、事業関連性の認められない不適切な経費精算が継続的に行われていたことなどが明らかになりました。
その結果、同社は、2018年12月期から2023年12月期第3四半期までの決算短信等において、上場規則に違反して虚偽と認められる開示を行い、それに伴う決算内容の訂正により、2021年12月期において、経常損失及び親会社株主に帰属する当期純損失が5割以上減少し、2022年12月期において、経常利益が3割以上減少することなどが判明しました。
また、同社が2023年3月30日付で開示したコーポレート・ガバナンスに関する報告書において、関連当事者取引に係るマニュアルを整備している旨の記載があるものの、実際には当該マニュアルは存在せず、同報告書の不実記載が判明しました。

こうした開示が行われた背景として、本件では主に以下の点が認められました。
・前社長が、税務調査において不適切な経費精算に関して指摘を受けた後も、根本的な改善対応を行わずに不適切な経費精算を継続しており、また、前社長及び当時の管理担当取締役が、会計上の論点等の検討が必要となる重要な情報の社内共有や監査法人等への社外説明を行わなかったなど、経営陣のコンプライアンス意識が欠如していたこと
・同社の受注案件の獲得等は前社長の営業に過度に依存し、前社長の行為に対する必要な検討や指摘が行われない状態であったことにより、前社長が関与する案件や経費の用途が不透明化していたこと
・関連当事者取引や役員の交際接待費に係る規程の不存在、経費精算に係る前社長の自己承認を可能とする権限設定、交際接待費に係る予実管理の未実施などの内部統制上の不備が存在していたにもかかわらず、取締役会や監査等委員会は、それらの不備を検知し、是正することができなかったなど、経営陣に対するけん制機能が不全に陥っていたこと

以上のとおり、本件は、経営陣のコンプライアンス意識の欠如や経営陣に対するけん制機能の不全などに起因して、投資者の投資判断に相当な影響を与える虚偽と認められる開示が行われたものであり、同社の適時開示体制について改善の必要性が高いと認められます。同社は既に、特別調査委員会の調査結果及びその提言並びに同社が具体的な再発防止策の検討及び策定等を委嘱したガバナンス委員会の提言を受けて、2024年6月12日付で再発防止策等に係る開示を行っていますが、再発防止に向けた取組みの徹底を促す観点から、同社に対して、その経緯及び改善措置を記載した報告書の提出を求めることにしました。
また、本件について、公表を要するものと認められることから、公表措置を行うことにしました。
  • 同社の改善報告書は、同社からの提出後、下記「改善報告書・改善状況報告書徴求会社一覧」ページに掲載します。

公表措置銘柄一覧
改善報告書・改善状況報告書徴求会社一覧

お問合せ

株式会社東京証券取引所 上場部 開示業務室 ディスクロージャー企画グループ
電話:03-3666-0141(代表)


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