【記者会見】岸田総理・植田総裁(7月3日分)

2024/07/04  日本銀行 

岸田総理・植田総裁の共同記者会見(7月3日)
――岸田総理の日本銀行視察時における岸田総理・植田総裁発言

2024年7月4日
日本銀行

―― 於・日本銀行本店本館中庭
2024年7月3日(水)
午前11時から約5分間

【問】

20 年ぶりに変更された新紙幣の発行が始まりました。新たな偽造防止技術も取り入れられていますが、新紙幣に変更する狙いをお伺いします。

また、お札に描かれる人物も変わり、実際に紙幣をご覧になってのご感想と、今日の視察の意義も併せて教えてください。

【岸田総理】

本日は、20 年ぶりに新紙幣の発行が開始される、こうした歴史的な日となりました。今回の視察で、実際に新紙幣を拝見させて頂き、世界最高水準の偽造防止技術を搭載している、更には目の不自由な方、あるいは外国人の方にも配慮したデザインとなっている、こうした実物を直接拝見するなかで、そうした技術やデザインについて実感をさせて頂きました。

そして、今回の新紙幣の肖像ですが、一万円券、これは企業活動によって社会の利益を追求する合本主義を提唱された、近代日本資本主義の父と言われる渋沢栄一氏。そして五千円券は、女性の地位向上と女性高等教育に尽力をされた津田梅子氏。そして千円券は、破傷風やペストの克服に多大な貢献をされた北里柴三郎氏。こうした 3 人の方が肖像として取り入れられているわけですが、今 30 年ぶりに成長型の新たな経済ステージに移行をしようとしている、その際に、日本の資本主義、そして女性の活躍、そして科学技術・イノベーション、これらを代表する人物を肖像とする、まさに新しい紙幣、時代にふさわしい紙幣であると思っています。新紙幣が、国民の皆さまに親しまれ、そして日本の経済に元気を与えてくれる、こうしたことを期待したいと思っています。

【問】

前回の新紙幣の誕生から約 20 年が経過し、キャッシュレス化が進むなど、紙幣を取り巻く環境も大きく変わる中での新紙幣導入が、社会や経済にどういった変化をもたらすか。総裁の期待や見方をお聞かせください。

【植田総裁】

今、総理からもお話がありましたが、20 年ぶりの改刷ということで、今回は最新の偽造防止技術の仕組みも盛り込んでいますし、新しいデザイン上の工夫もございます。キャッシュレスが進展しつつある世の中ではありますけれども、依然として現金は「誰でも、いつでも、どこでも、安心して使って頂ける」決済手段ということで、重要であるというふうに考えてございます。日本銀行としては、現金に対する需要がある限り、責任をもって供給をしてまいりたいと思っております。今度のお札が広く国民に行き渡り、安心して使って頂き、それによって経済の潤滑油となっていくということを期待しております。

最後に付け加えますが、もちろん、これまでのお札もこれまでどおり使って頂けますので、その点は理解をよろしくお願いしたいと思います。

以上

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