奈良県知事 記者会見 2024年07月10日 - 【発表案件】 ●令和7年度政府予算編成等に関する提案・要望 ● ●【質疑応答】 ●第3回災害応急対策(防災拠点)検討部会 ●令和3年度奈良県新型コロナウイルス感染防止対策施設認証制度事業業務委託等における債務不履行による損害賠償請求訴訟の提起 ●県立民俗博物館展示室の一時公開休止

2024/07/10  奈良県  

令和6年7月10日(水曜日)知事定例記者会見

【発表案件】
○令和7年度政府予算編成等に関する提案・要望について

【質疑応答】
○第3回災害応急対策(防災拠点)検討部会について
○令和3年度奈良県新型コロナウイルス感染防止対策施設認証制度事業業務委託等における債務不履行による損害賠償請求訴訟の提起について
○県立民俗博物館展示室の一時公開休止について

司会:

おはようございます。ただいまから知事定例記者会見を始めさせていただきます。

本日の記者会見は、ユーチューブ、奈良県公式総合チャンネルでライブ配信するとともに、配付資料もホームページに掲載しております。

本日の知事からの発表案件は、令和7年度政府予算編成等に関する提案・要望についての1件でございます。

それでは、山下知事から発表いただきます。よろしくお願いいたします。

令和7年度政府予算編成等に関する提案・要望について

知事:

毎年度実施していることではございますが、令和6年度も、令和7年度の政府予算編成等に対して要望活動をしていきたいと考えております。

資料の2枚目、ページ数でいうと1ページ目に概要が記載されておりますけども、7月23日から25日の3日間、私や幹部職員が上京いたしまして、ここに記載の省庁等に対して、合計17項目の要望をしてまいります。その要望に先立ちまして、今月12日の午後2時から3時半まで、県コンベンションセンターにて県選出の国会議員、県議会議員、県内市町村長等に対する説明会をさせていただく予定にしております。こちらのほうは、記者席も用意していますので、取材等、ご検討いただければと思っております。

その次、2ページ目に、令和7年度政府予算編成に向けた提案・要望項目の一覧がございますけども、合計17項目のうち、新規が5つで、残り12項目が継続要望となります。要望内容の詳しい説明は、12日の説明会でいたしますので、今日は割愛をさせていただきます。

ちなみに、昨年度も要望活動を実施しておりまして、その成果がどうだったのかということを3ページ以降の資料にまとめております。

昨年の要望活動の概要は、4ページに記載のとおりで、夏と秋、2回行っております。

5ページ以降に成果が記載されておりますけども、多くの要望項目において、成果が得られたと認識しております。

そのうち、少しだけピックアップして紹介をさせていただきますと、9ページですが、トンネル内で携帯電話が通じるようにする事業がありますけども、高速道路のトンネルとか、そういう当然大きな道路においては対策が施されているわけですが、主要地方道で、かつ緊急輸送道路内のトンネルにおいては、これまで、この電波遮蔽対策事業という、トンネル内で携帯電話が通じるようにする事業の補助対象ではなかったものですから、県内の緊急輸送道路となる主要地方道で携帯電話が通じないという事態がございました。これについて、緊急輸送道路上のトンネルでも携帯電話が通じるように、補助対象のメニューに付け加えてほしいという要望をしたところ、これが実現をしたということでございます。もちろんこれは全国で同様に実現されたということでございます。

それから、携帯電話のエリア整備事業といって、携帯電話が通じる箇所、特に中山間地等でございますけども、そういう中山間地に携帯電話の電波を立てる事業に関して、今まで、1社の携帯電話の電波が立っていれば、2社目以降の携帯電話の電波塔の設置に関しては補助対象外でした。1社の携帯だけしか使ってないというわけでは当然ございませんので、他のキャリアの携帯を使っている方も、携帯電話が通じるように、2社目以降も中山間地において電波塔が立つように、補助対象を拡充してほしいというお願いをいたしまして、それが実現したということでございます。

それから、10ページは、国土交通省に対するインフラ整備の予算要望でございますけども、とりわけ京奈和自動車道のミッシングリンクの解消というのが本県の非常に大きな課題の一つですが、令和5年度の補正予算では、この道路に関する予算が8億円から23億円ということで、実に約3倍に増えました。道路以外の河川とか砂防、国営公園の事業を含めましても、令和5年度の補正予算においては、前年度比1.6倍ということで、一定の成果を上げております。

それから、最後、11ページでございますけども、国道169号下北山村上池原の土砂崩落事故に係る本格復旧に関しましても、要望の結果、国において権限代行で本格復旧をしていただけるということに決まった次第でございます。

昨年度は、こうした成果が出ているわけでございますけども、今年度も、県政の諸課題に対して、中央省庁に対し要望活動を行って、県の事業の進捗につなげていきたいと考えております。

私からの発表は以上でございます。

司会:

それでは、ご質問がございます方は挙手にてお願いいたします。

時事通信さん。

記者(時事通信):

詳細については、金曜日ということでしたけども、この17項目、ぜひここは可能ならばかなえたいなど、意気込みについて教えていただけますでしょうか。

知事:

もちろんいずれも重要な案件でございますので、特にこれはと言うと、じゃあ、ほかが重要でないのかという誤解も受けますので、特にこれはというのはありません。全ての項目について、実現していただけるように、しっかりと要望してまいりたいと考えております。

記者(時事通信):

分かりました。

昨年、保育士の処遇改善について、数県で要望されたと思いますけども、今年度、この要望の中で、そのような、例えば奈良県が呼びかけて数県でまたがって要望するものはありますでしょうか。

知事:

それは、5ページをご覧ください。国の地域手当の公定価格というものがございまして、その公定価格のばらつきによって、保育士さんの給料が変わってくるということで、奈良県の場合は、大阪府と比べると、この公定価格が低いがために、県内の短期大学とかを卒業されて、保育士資格を得られた方の約半分が県外の保育所等に就職しているという状況がございます。その改定をお願いしたんですが、一定、公定価格の見直しが行われたんですが、本県の状況は改善されておらず、本県に関しては要望の成果は上がっていないので、今年度も同様に要望する予定で、今年度、一緒に行くところが、埼玉県、千葉県、和歌山県に加えて、あと、佐賀県と、もう一つ。

政策推進課:

神奈川県でございます。

知事:

ですから、首都圏の埼玉県、千葉県、神奈川県、近畿圏の和歌山県、奈良県、福岡県に隣接する佐賀県と、合計で6県です。

記者(時事通信):

分かりました。ありがとうございます。

そのほかの項目については、県の単独要望でしょうか。

知事:

そうです、ほかは県の単独ですね。

記者(時事通信):

分かりました。ありがとうございます。幹事社、以上です。

司会:

ほかに質問はございますでしょうか。

朝日新聞さん。

記者(朝日新聞):

昨年度の実績に関して、道路に関するものが多いのですが、もともとなぜ奈良県は道路整備率が全国最悪で来たのか、そういった背景、経緯の部分について、知事はどうお考えなのか、一度お聞かせいただきたいと思います。

知事:

その分析はできていないので、軽々にこの場で発言することは控えたいと思いますが、私が伝え聞くところでは、漏れ聞くところでは、高度経済成長期に他府県では道路の整備が進んだけれども、奈良県ではあまりそれが進まなかったと聞いています。

記者(朝日新聞):

全国最低レベルを返上したいというお気持ちでいらっしゃると思いますので、そのためにはどういう課題があって、そこをどうクリアしていく必要があるのかというところにもつながるかなと思ったので。

知事:

事実かどうかよく分からないので、軽々には言えないんですけど、高度経済成長期の為政者の方があまり熱心ではなかったと聞いております。

司会:

ほかに質問はございますでしょうか。

時事通信さん。

記者(時事通信):

農業振興地域の整備に関する法律の改正のことで、確か、知事も市街化調整区域でどちらかというと工業地があればという話で、県議会でもそういう意見で、市町村もどちらかというとそういう意見なのかなと思ってる中で、農業振興地域の整備に関する法律が、この改正どおりの運用だと結構厳しいところもあるのかなと思います。具体の要望については差し支えがあるかもしれないですけども、知事がこの改正法に対するご見解を教えていただけますでしょうか。

知事:

食料安全保障の観点から、農地を確保していく必要があるという、そういう大きな方向性はよく理解するんですけど、一方で、今の我が国の農業の現状はどうかというと、農地はあっても担い手がいないという現状があるわけです。そうすると、耕作放棄地であっても、未来永劫、ずっとそれは維持し続けなければいけないのかということがあると思うので、耕地の確保目標を一方的に国から守ってくれと言われても、現場からしたら、いや、その担い手が十分確保されてない中で、耕作放棄地であってもずっとそれを農地として保全しなければいけないんですかということになると思います。一方で、商業地や工業地としてニーズがある中で、食料安全保障は分かるんですけど、もうちょっと現場のことをよく知っている自治体に裁量を与えてもらえませんかという、分かりやすく言いますとそういう要望です。

記者(時事通信):

分かりました。ありがとうございます。

第3回災害応急対策(防災拠点)検討部会について

司会:

ほかに質問はございますでしょうか。

本件、よろしいでしょうか。

それでは、その他の御質問も含めて、御質問がございます方は挙手にてお願いいたします。

毎日新聞さん。

記者(毎日新聞):

昨日、開催された災害応急対策検討部会の中で、河田部会長から、配電網さえしっかり整備すれば災害時でも電力不足に陥る危険性は少なく、結論として、メガソーラーは不必要だという発言があったと思いますが、これまでメガソーラーが最善とおっしゃっていた山下知事の受け止めをお伺いしたいと思います。

知事:

私も河田部会長の御発言の趣旨を十分、咀嚼できてないところはあるんですが、あのときおっしゃっていたのは、災害時でも水力発電所は使えることが多いということでした。奈良県南部には水力発電所があるので、その水力発電所から、例えば五條の県有地に電力を供給してもらえるように、送配電網を整備したり、変電所にそういう機能を追加してもらったら、それで足りるんじゃないかという発言だと認識したんですが、その認識は合ってますか。

記者(毎日新聞):

はい、私の認識と一緒です。

知事:

私はその前提がよく分からなくて、県内に供給される電力というのは、当然、原子力発電所や火力発電所で発電された電力も配電、供給されていると思うんですよね。そうすると、五條市に供給されている今の電力源が水力発電なのかどうか、そもそも水力発電所の電気がもともとのルートとして五條市に来てるのか、あるいは、福井県にある原子力発電所の電気が五條市に来てるのか、あるいは、大阪湾岸にあるような火力発電所の電気が五條市に来てるのか、まずそれを確認しなければならないと思うんですよ。もともと関西電力が、そういうふうに奈良県南部の水力発電所で発電される電力を普段から送ってるわけではないとすれば、南部の水力発電所から北和、中和に向けて送電網を強化、整備するというのは現実的ではないと思います。おそらく、災害時のために、関西電力が多額の費用をかけて、新たに送電ルートを見直すというようなことはしてくれないと思うので、県が関西電力にお金を出して、奈良県南部の水力発電所から五條市までの送電網を整備してもらうのかということになると思うんですけど、まず、そもそもそれが技術的に可能なのか、それに幾らかかるのかということを当然検討しなければいけませんし、あるいは、そもそも県南部の水力発電所から県の北部、中部に送電しているルートがなく、県内の電気は福井県とか大阪府の発電所から来てるということであれば、そもそも技術的に難しいと思います。よい問題提起をしていただいたと思うので、そもそも県内における関西電力の送配電ルートがどうなっているのか、奈良盆地東縁断層帯や南海トラフ地震が起きた際に、どこでどう送電網が寸断されてどういう停電が起きるのか、その辺を見極めないと、送配電網の整備で停電対応するというのは現実性がないと思うんですよね。実際、奈良県にどういうルートで電気が送られているかというのは関西電力に聞けば分かることだと思いますが、地震の際にどこでどういう被害が発生するかというのは分からないので、そういった被害が分からない状況で、対策がそもそも立てられるのかという問題もあると思います。防災拠点の敷地内に自立的な電源があれば、それを非常時の電源として活用することができるし、関西電力にお金を出してお願いして、そういう送配電網を見直していただくよりも、民間に委託して太陽光発電施設を設置すれば、県として費用がそもそも発生しないし、逆に、売電収入の何割かを県に払ってもらうというスキームを考えてますので、経済合理性の観点でどうなのかということもありますので、次回の第4回検討部会までに、河田部会長から問題提起のあった点について、事務局でよく調査、検討して、次回の議題に上げたいと思います。

記者(毎日新聞):

河田部会長が問題提起された中には、災害が起きたときにそもそも電力不足は起こるのかというところがあると思うんですが、知事がメガソーラーの設置を訴えられた際は、どういう被害を想定した上での意見だったんでしょうか。

知事:

南海トラフ地震が起きても、想定される震度からすれば、おそらく、福井県の原発には影響がないと思うんですよね。ただ、大阪湾岸等にある発電所には被害が出るかもしれないので、それで一定の電力供給量が下がります。私が問題にしたのは、電力供給量が下がるとともに、能登で起きたように電柱が倒れて送電線が切れるということです。だから、電力は発電できても、広域防災拠点とか、あるいは、孤立した集落に電気が送れるのかという問題です。それは、震度7とかの地震が起きれば、能登の事例のように、送電網が寸断されて、電力が途絶するということはあると思うので、電力供給の問題というよりも、むしろ送電網の寸断を危惧したということです。

記者(毎日新聞):

この検討部会で結論を出すのが今年度中ということで議会でも話がありましたけど、もし、議論の中でメガソーラーが不要だという結論になった場合は、そこから改めて代替策を考え直すということになるんでしょうか。

知事:

仮定の質問には現時点では言及は控えたいと思いますが、私の認識では、孤立集落の非常用電源として蓄電池をヘリコプター等で届けるというスキームは必要だろうと思っております。

記者(毎日新聞):

また仮定の話になってしまうんですが、もし検討部会で、メガソーラーという案が否定された場合は、検討部会に代替策まで求めるのでしょうか。それとも、県で考えることになるんでしょうか。

知事:

部会の結論が出ていない段階で、仮定の話をするのは、部会の審議にも不必要な影響を与えると思いますので、現時点では言及を控えたいと思います。

司会:

朝日新聞さん。

記者(朝日新聞):

今の質問に関連してお伺いします。河田部会長が県に対して、関西電力さんと送配電網で技術的にそもそも可能なのかというあたりも協議すべしだという発言と受け止めていますが、これは次回の8月の部会までに県と関電送配電さんのほうに一定の協議をするという理解でよろしいでしょうか。

知事:

そうですね、そもそも奈良県にはどこの発電所の電気がどういうルートで来るんですかというようなことも、私も含め、職員もよく分かってないところがありますので、そこを確認するとともに、災害時に、地震等が起きた場合に、関西電力としては、どういう対策を考えているのか、その辺もしっかりと把握をした上で、それで足りるのか、県独自の対策が必要なのか、そうしたことを検討したいと思います。

記者(朝日新聞):

次回、中間取りまとめということで予定されていると思いますが、これまでの中で、メガソーラーというか、非常用電源のことについては、まだ議論がスタートされてないと受け止めていますが、その中間取りまとめには、そこら辺の非常用電源のことについては、まだこれからというか、白紙状態で、これまでの議論を取りあえずまとめるという形になりますか。

知事:

そうです。非常用電源は5回目以降の部会で議論することを検討しています。

記者(朝日新聞):

ありがとうございます。

司会:

ほかに質問はございますでしょうか。

NHKさん。

記者(NHK):

昨日の、検討部会の中で、別の委員の方が、奈良県には空港もなくて、陸上自衛隊の駐屯地もないようなところなので、五條市の県有地のところに駐屯地、もしくは分屯地でもあれば、24時間体制でそういったいろいろ有益なことになるのでないかというようなお話がありましたけれども、今後、今要望書を出して誘致活動を再開されたということですが、この7年度予算にはそれはもう含まれ、また別のスキームでということになりますか。今後の自衛隊の誘致について、どのような方向性で取り組まれるのか、改めて教えてください。

知事:

先般、前県議会議長が木原防衛大臣に県と県議会と五條市の要望書を手交したと聞いております。一定、そこで県としての意思は表明したと思っていますので、今回の政府要望事項には、それは入れておりません。今後どういった形で要望活動を展開するかということもまだ決まっておりませんので、まずは、防衛省の反応を見極めたいなと思っております。

司会:

ほかに質問はございますでしょうか。

時事通信さん。

記者(時事通信):

県議会の議論の中で、蓄電池も運べないじゃないかという話があったかと記憶しています。あのとき、知事、理事者側の皆さんは、いや、運べますという話で、そこで話が終わったかなと思いますが、あれについては、結局運べるのでしょうか。

知事:

あれは、リチウムの蓄電池については、発火する可能性があるので、蓄電量を3分の1以下にして、なおかつ消火設備も積んでおかないと運べないという意味でした。しかし、県がサンプルとして資料に載せて、現在想定している電池は、リチウム蓄電池ではなくて、鉛の蓄電池なので、その規制の対象には入っていないということです。

記者(時事通信):

ということは、運べるということですね。

知事:

はい、そういうことです。

記者(時事通信):

ありがとうございます。その確認でした。

司会:

ほかに質問はございますでしょうか。

奈良テレビさん。

記者(奈良テレビ):

改めて昨日の発言を受けて、送配電網を見直してくれというのに対して、メガソーラー必要じゃないのと言われたんですけれども、メガソーラー必要な理由をちょっと改めてお教え願えないでしょうか。

知事:

それは、従前から申し上げているとおり、被災地の孤立集落や孤立した避難所への非常用電源の供給ということと、当該防災拠点における自立型電源の確保、この2点で必要だということでございます。

記者(奈良テレビ):

もう一度、送配電については、検討するとおっしゃったと思います。送配電網の見直しは次回までに、事務方で検討、調査しはるということをおっしゃったと思いますが、そこをもうちょっと次回までに、部会長がこうおっしゃったから、どうされたというのをもう一度改めてお教え願えないでしょうか。

知事:

ですから、部会長の発言の趣旨は、防災拠点そのものの自立型電源の確保という趣旨で、太陽光発電じゃなくても、送配電網をうまくやりくりすることで足りるのでないかという発言をされたと思います。私は、それが技術的に可能なのかということと、あとは、それに幾らかかるのかということを調べなければいけないと思っています。それと、太陽光発電との比較検討も必要となります。一方の被災地の孤立集落や孤立避難所への非常用電源を届けると、蓄電池という形で非常用電源を届けるという、その役割に関しては、昨日の議論の対象にはなってなかったと思いますので、その必要性は依然としてあるだろうというふうに思っております。

記者(奈良テレビ):

ありがとうございました。

令和3年度奈良県新型コロナウイルス感染防止対策施設認証制度事業業務委託等における債務不履行による損害賠償請求訴訟の提起について

記者(NHK):

議会で承認されたJTB訴訟に関してですが、その後の進捗状況はいかがでしょうか。

知事:

その後は、今、弁護士選任の手続を進めているところだと認識しています。

記者(NHK):

その場合は、提訴はいつ頃になりますか。

知事:

それはまだ聞いていないです。

記者(NHK):

知事としては、速やかに提訴されるという御意向に変わりはないでしょうか。

知事:

そうですね、ただ、契約の本数が十何本あったので、報告書とシフト表の乖離を県でも数字の取りまとめはしていますが、多分弁護士のほうでも一応全部間違いがないかどうか確認すると思いますので、そうすると、作業にかなりの時間がかかると思います。

記者(NHK):

分かりました。

県立民俗博物館展示室の一時公開休止について

司会:

ほかに質問はございますでしょうか。

朝日新聞さん。

記者(朝日新聞):

大和民俗公園内にある民俗博物館について聞きたいんですけれども、資料の保存状態がよくないとか、空調など、機器がいろいろ壊れているといったようなこともあって、長期の休止が決まったと思うんですけれども、今後の再開については、現時点で明確な方針がないとも聞いています。知事として、施設がそもそもこういう状態に至ってしまったという経緯についてと、それから、今後の再開に向けての在り方について、何かお考えがあればお聞かせいただけないでしょうか。

知事:

一度行かれたら、よく分かると思うんですが、明治、大正、昭和の頃に使われていたような農機具とか、生活用具なんかがぎっしり保管されてるんですよ。何でこんないっぱいあるんですかって聞いたら、県民から引き取ってくれという要望を受けてとか、議員を通じて、そういう要望があって断れなかったみたいな話で、要するに頼まれたら全部引き受けてたみたいなところがあったという報告を受けてます。当然、民俗博物館の中では収まり切らずに、旧県立高田東高校とか、閉校した高校に保管してるんです。今回、旧県立高田東高校に消防学校を移転するという案を県庁内で検討したときに、あそこにある農機具はどうするんだということになりまして、そもそも文化財等に指定されていないものがたくさんありますので、文化財等に指定されていない農機具、しかも、同様の農機具を保管し続ける意味というのはどこにあるのかという議論から始めないといけないなと思っております。今までは無計画に、県民を通じて、あるいは議員の紹介で県のほうで引き取ってくれと言われたものを全部そのまま受け取ってて、ある一定時期から、断ってたらしいんですけど、満杯になるまでは、そういう形で受けてたらしいんです。それを未来永劫、県が保管する必要もないし、そのスペースもないので、どういうものは残して、どういうものは残さないのかということを、明確なルールを決めた上で、価値のあるものだけ残して、それ以外のものは、廃棄処分するということも含めて検討せざるを得ないかなと思っております。民族博物館の中に何点保管できるのかということを検討して、その上で、今仮置きしてる場所というのがずっと仮置きのまま使う、仮置きというのは、昔、県の建物だったところで、今使ってないところを倉庫にしてるんですけど、それを倉庫として使い続けることの合理性もあまりないと思うので、基本的にはもう民俗博物館に収まり切れる範囲内で考えて、その上で、どういう展示方法が適切なのかということを考えるということです。どれぐらいの時間がかかるのかというのは見当がつかないので、再度の開館時期は不明というような結論に至った次第でございます。

記者(朝日新聞):

県民からすると、善意でというか、引き取ってくれるなら便利だから押しつけたとか、いろいろな方がいると思うんですけれども、善意で寄贈したものが処分されてしまうという不本意な思いをされる方もいらっしゃるのかなと思うんですが、こういった、ある一定の時期から断ってたとはいえ、資料をため込むような形になっていたこと自体については、どうお考えですか。

知事:

当時の職員がどういう認識で受け入れたのか分かりませんけど、例えば何らかの文化的な価値がないものをただ求められるままに受け入れてきたという、そういう在り方自体に、私は問題があったと思います。物を保管するというのはコストがかかるわけですから、県が引き取って保管するに見合うだけの価値のあるものしか、本来は、私は引き取るべきではなかったんじゃないかなと思います。だから、その当時の政策判断が間違っていたと私は思います。

司会:

ほかに質問はございますでしょうか。

奈良新聞さん。

記者(奈良新聞):

民俗博物館は、去年も冷房が効かなくって休館してたということなんですけれども、壊れてるのに、改修はしてもらえなかったと聞いてまして、知事としては、民俗博物館の価値というか、どういう意義がある施設だとお考えなんでしょうか。

知事:

私が聞いているのは、小・中学校の社会科の見学等で来られる方以外は、一般のお客さんは少なかったと聞いてます。なおかつ、市町村の施設でも農機具等を展示しているところはありますので、子供さんらが見学できるところがあそこしかないかというと、そういうわけでもないので、ああいう開架方式で展示を続けることの意味も、閉館期間中によく検討したらどうかなと思ってます。

記者(奈良新聞):

開架方式とは。

知事:

収蔵庫に入れてるものと、展示スペースに出してるものとありまして、展示スペースに出しているのは開架と言ってるんですけど、図書館でそういう表現するじゃないですか。当然、文化的な価値のあるものは保管し続けなきゃいけないと思うんですけれども、その中の幾つかを展示スペースに出して開架してたと思うんですけれども、先ほど言ったような状況で、子供さんぐらいしか、来館者はなかったということなので、その展示スペースの在り方についても併せて、今の休館中に検討すると、そういうふうに位置づけております。

司会:

ほかに質問はございますでしょうか。

朝日新聞さん。

記者(朝日新聞)

開架方式で展示を続けることの意味もよく検討されたほうがいいということとか、市町村の施設でも展示しているところはあるという発言を踏まえていくと、今後の展示の在り方について、必ずしも開架で展示し続けなくてもいいのではというような知事のお考えもあるのかなというふうに受け取ったんですけれども、そこはいかがですか。

知事:

その辺は、開架を残すとか、残さないとかいうことを決めているわけではなくて、まずは、担当において、今後の民俗博物館及び高校等で保管している収蔵品の収蔵方法、どういったものを収蔵していくかという基準をつくってくださいとお願いしています。基準をつくって、その基準に合致しないものは、廃棄処分も含めて検討いただきます。基準に合致して残すものをどういうふうに保管、展示していくのか、それは民俗博物館を中心に保管、展示していくということになると思うんですけれども、例えば保管するものが多過ぎたら、開架部分は減らさなきゃいけなくなるとかいうこともあるでしょうし、民俗博物館で保管すべき、ああいう古い農機具とかがどれぐらいあるのかをまず確定させて、それをどういった形で保管、展示するのかということを検討してくださいということで、必ずしも今までと同様の形である必要はないとは思ってます。

記者(朝日新聞):

今までと同様の形でなくてもいいというところのイメージされているところは、どんなところですか。

知事:

例えば、展示部分を減らすとか、そういうことですかね。

司会:

ほかに質問はございますでしょうか。よろしいでしょうか。

幹事社さんもよろしいでしょうか。

それでは、以上をもちまして知事定例記者会見を終了させていただきます。ありがとうございました。

※発言内容については、読みやすくするために質疑テーマごとにまとめています。

また、発言の趣旨を損なわない範囲で文言を整理する場合があります。

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