株式会社エーアイと株式会社フュートレックの合併契約締結に関するお知らせ

2024/05/14  株式会社 フュートレック 

2024 年 5 月 14 日
株式会社エーアイ
株式会社フュートレック

株式会社エーアイと株式会社フュートレックの合併契約締結に関するお知らせ

株式会社エーアイ(以下「エーアイ」といいます。)と株式会社フュートレック(以下「フュートレック」といい、エーアイとフュートレックを総称して「両社」といいます。)は、2024 年1月16 日に公表いたしました「株式会社エーアイと株式会社フュートレックの経営統合に関する基本合意書締結のお知らせ」のとおり、両社の経営統合(以下「本経営統合」といいます。)について協議を進めてまいりました。その結果、本日開催した両社の取締役会において、2024 年10 月1日(予定)を合併の効力発生日とする合併契約を両社間で締結することをそれぞれ決議し、エーアイを吸収合併存続会社、フュートレックを吸収合併消滅会社とする吸収合併(以下「本合併」といいます。)に係る合併契約(以下「本合併契約」といいます。)を締結いたしましたので、以下のとおりお知らせいたします。

なお、本合併は、両社の株主総会の承認を条件としております。

また、本合併の効力発生日(2024 年10 月1日予定)に先立ち、フュートレックの普通株式は、株式会社東京証券取引所(以下「東京証券取引所」といいます。)において2024 年9月27 日付けで上場廃止(最終売買日は2024 年9月26 日)となる予定です。



1.本経営統合の背景と目的

(1)本経営統合の背景

エーアイは、2003 年4月の設立以降、音声合成エンジン及び関連するソリューションの提供に係る事業を行ってまいりました。「エーアイは音声技術で社会に新しい価値をつくり続けます」との企業理念を定め、声が作れる“便利さ”と声をつくる“楽しさ”を追求し、音声技術で社会の役に立つサービスの創出に努めてまいりました。中核技術である日本語音声合成エンジンについては研究開発から製品開発、販売、サポートを全て社内で行っております。

また、成長戦略の一つとして「事業領域の拡大・新しいマーケットの創出」を掲げ、音声合成のみならず、音声技術やその周辺技術に関するサービスを総合的に提供できる会社となることを目指しております。

一方、フュートレックは、2000 年4月に携帯電話用に特化してビジネスモデルの提案から具現化まで一貫して提供できる半導体設計会社として設立されて以来、「社会の変化に柔軟に対応して、その時代に求められる商品を追求し、継続的に発展する会社を目指す。」という経営理念のもと、ソフトウエアの開発から各種サービス事業への展開、M&A の実施等により事業内容を変化させてまいりました。現在、フュートレック及びその連結子会社3社は「音声認識事業」、「デジタルマーケティング事業」「映像制作事業」及び「システム開発事業」を運営しており、「音声認識事業」と「デジタルマーケティング事業」を中核事業と位置付け、事業拡大を図っております。「音声認識事業」においては、話者を識別する「話者識別技術」や、利用者が認識させる文章を任意に追加学習させることができる「モデル自動作成システム」等の周辺技術を開発し、音声認識と組み合わせることによる付加価値の提案とともに営業活動を推進しております。

以上のように、両社は音声関連技術分野を事業の中心とする研究開発企業として事業を展開しておりますが、業界を取り巻く環境につきましては、社会全体でのAI 関連技術の進化が加速し、新規参入企業の増加など企業間の競争が激しくなっております。さらに、大規模言語モデルに代表されるAI 技術の進歩により対話シナリオの自動生成が可能となったことで、両社が保有する単一技術だけでなく、近接する技術領域も加えた音声対話ソリューションのニーズが増加しております。

このような状況下において、両社は2019 年4月16 日に業務提携契約書を締結し、音声合成技術及び音声認識技術を活用した音声対話システムや双方のソリューションを活用した製品化の検討を進めてまいりました。そして、2022 年末頃、エーアイは、当時フュートレックの筆頭株主であったグローリー株式会社(以下「グローリー」といいます。)より、グローリーの保有する全てのフュートレック株式の売却の打診を受けたことを踏まえ、フュートレックとともに両社間における事業上のシナジーの可能性について議論を重ねた結果、フュートレック株式の取得により、両社において新たな成長機会を創出、実現することが可能であるとの結論に至りました。

そして、両社は2023 年5月に資本業務提携契約書(以下「本資本業務提携契約書」といいます。)を締結し、2023年6月に、エーアイは、公開買付けによりグローリーの持つフュートレック株式を取得し、現時点で、エーアイはフュートレック株式を議決権比率で40.55%を所有しております。

その後、両社は本資本業務提携契約書に基づき、資本業務提携委員会を発足し、両社が持つ研究開発技術や製品・サービス、及び営業のノウハウ等について協働関係を構築し、互いの強みを活かしたシナジー効果を発揮すべく、議論を重ねてまいりました。その結果、研究開発のスピードアップや技術開発力の強化、顧客へのサービス提供力の向上、各事業のエンジニアによる情報交換や人的交流を進め、収益力向上や業務効率化等を最大限に発揮するには、両社の経営統合を目指すことが最善であると判断し、2024 年1月 16 日に経営統合に関する基本合意書を締結するに至りました。その後、両社において経営統合の具体的な方法等について協議を開始し、2024 年1月下旬から4月下旬まで相互にデュー・デリジェンス(以下「DD」といいます。)を行い、検討を重ねてまいりました。その結果、両社は、下記「(2)本経営統合の目的」に記載のシナジーの実現や経営統合の効果を発揮するためには、両社が合併することが早期に両社の企業価値向上に資すると判断したため、本合併契約の締結に至りました。

(2)本経営統合の目的

両社は、「音声関連技術の事業展開の拡大と研究開発の強化」、「事業の多角化」、「経営基盤の確立・管理機能のスリム化」を軸に、下記の統合効果の実現を目指していきます。

① 音声関連技術の事業展開の拡大と研究開発の強化

エーアイの「音声合成」とフュートレックの「音声認識」と双方が強みを持っている技術は様々な場面で併せて活用される事例が増えております。昨年5月の資本業務提携契約締結以降、両社は双方の製品のクロスセルを可能とする販売協力に関する合意書を締結し、両社がそれぞれの製品の取り扱いを開始しております。

また、両社の強みである音声合成技術・音声認識技術を活用した新たな製品として「組み込み型音声対話フレームワーク SLFrameWork(仮)」を企画し、両社にて共同開発に着手いたしました。現状、対話システムを構築するには、音声認識と音声合成を、それぞれ別のシステムとして組み込み、調整を行う必要がありました。音声合成と音声認識を融合した「組み込み型音声対話フレームワーク SLFrameWork(仮)」を利用することにより、対話システムの開発工数削減が可能となることに加えて、独立していた音声認識・音声合成でのユーザー単語辞書を共有可能となり、お客様特有の言葉に対しての認識率・合成正答率向上が期待できるものです。

このように、両社は双方の技術を活用した事業展開を進めておりますが、本経営統合によりリソースの柔軟性や研究開発環境の共有がシームレスで可能となり、また組織の融合により、事業展開や製品開発のスピードアップを実現し、更なる事業成長を図ることができると考えております。

②事業の多角化

エーアイはこれまで「音声合成」の単一セグメントにて事業展開を行ってまいりましたが、エーアイを取り巻く環境において、特に防災分野において、「緊急防災・減災事業債」における地方交付税措置や半導体不足の影響によるメーカーの入札控え等により売上の低減などが見られました。フュートレックにおいては、音声認識事業においては音声収録に関する受託業務の増減により売上の変動があり、デジタルマーケティング事業においても大型案件の売上計上の有無によって業績が大きく変動しております。特にポストコロナにおける不安定な世界情勢、経済状況で事業環境が不確実性を増している昨今、複数の事業に経営資源を分散し事業運営を行うことにより、会社収益を平準化させ経営の安定化が図れると考えております。

③経営基盤の確立・管理機能のスリム化

本経営統合を通じて企業規模が拡大し、信用力向上につながることで財務基盤が強化されることになり、今後の持続的な成長を実現するためのM&A や新規投資に対応しやすくなると考えております。

また、本経営統合により、両社にとって管理部門の人材が強化されるとともに、重複機能を解消することで、今後の事業成長に対応可能な組織体制を構築しつつ、管理コストの削減を図ることができると考えております。さらに、エーアイは高効率な組織設計とスピーディな意思決定と業務推進を図っており、昨年エーアイの行ったコエステ株式会社の完全子会社化と吸収合併も短期間で組織融合を行い、収益性の向上を図ることができたことから、当該ノウハウを本経営統合でも活かし、フュートレックの事業の早期黒字化と中長期的な利益率の向上を図ることができると考えております。

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https://ssl4.eir-parts.net/doc/2468/tdnet/2439874/00.pdf

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