「デンソーソフトウェア戦略説明会」を開催
2024年7月12日
株式会社デンソーは、2024年7月12日に「デンソーソフトウェア戦略説明会」を開催しました。昨今、自動運転や電動化、コネクティッドなどクルマの知能化を支えるために、大規模かつ高度な車載ソフトウェアの開発強化 が求められています。そのような中、デンソーがどのような ビジョンのもと、車載ソフトウェア開発に取り組むのか、デンソーのソフトウェア戦略について、上席執行幹部・Chief Software Officerの林田篤より説明しました。
＜基本戦略＞
デンソーは、クルマを軸に培った技術を幅広い領域に広げ、未来のモビリティ社会全体の発展に貢献していきます。その実現に向け重要となるのがソフトウェアであり、①実装力 ②人財力 ③展開力 の3つの力をもとに、ソフトウェアの価値を高め、クルマの進化を支えていきます。
・実装力 クルマ全体の知見を活用し製品に仕上げる力
これまで、ECU(Electronic Control Unit)と呼ばれる車載コンピュータは、エンジンやエアコンシステムなどを制御するために、機能ごとに搭載されていました。今後、SDV(Software Defined Vehicle)など のクルマの進化を支えるためには、各機能を横断的に制御する大規模統合ECUが必要となります。デンソーには、40年以上にわたり、サーマル(エアコンシステムや熱マネジメント)のほか、パワートレイン、走行安全、情報通信といったあらゆるドメインの車載ソフトウェアを担ってきた実績と知見のほか、知的財産として所有するソフトウェアIP (Intellectual Property)があります。そして、それらを用いてあらゆるカーメーカーのニーズを理解しながら、最適なソフトウェアを設計し、ハードウェアと組み合わせて製品に仕上げています 。また、半導体の知見を生かし、ハードウェアの性能をより効果的に引き出すための自動最適コード変換ツールの内製化にも取り組んでおり、クルマ全体のソフトウェアノウハウを生かした実装力を強化しています。
・人財力 グローバル開発体制のさらなる強化
デンソーは、2035年にソフトウェアの事業規模を8,000億円に拡大することを目指すとともに、開発のさらなる強化に向け、2030年にソフトウェア人財を1.8万人まで増強していきます。2024年6月には株式会社NTTデータとソフトウェア領域での包括提携を結び、グローバルでソフトウェアリソーセスを拡充し、高度ソフトウェア人財の育成を行っていきます。また、欧州では車載ソフトウェアの仕様標準化、中国では中国式のIT技術、北米では最先端のIT技術など、各地域で学び吸収したことをグローバル開発に生かしていきます。そして、日本主導の開発から脱却し、各地域にて高度ソフトウェア人財を育成・配置し、グローバルでプロジェクト運営を円滑に進めるためのプラットフォームを構築していきます。
また、高い専門性を持つデンソーグループの仲間や、他業種のパートナーと連携しており、未来のモビリティ社会実現に向けて、幅広いソリューションを提供することが可能です。
さらに、これまで培ってきた車載ソフトウェア開発の知見を、デンソーの製品開発に携わる誰もが簡単・効率的に活用できるよう、AIによる自動化を積極的に導入していきます。具体的には、要求分析などの設計プロセスにも活用を加速させ、設計力を向上させるとともに、ログ解析など評価においても従来以上に活用し、自動化・省人化を進めます。このようにソフトウェア開発の全工程にAIを活用することでヒューマンエラーを低減し高品質なソフトウェアを実現するとともに、事業成長に向けた取り組みに注力できる体制を整え、ソフトウェア開発を強化していきます。
・展開力 ソフトウェア人財育成プログラム・技術の標準化による業界貢献
SDV化に伴いソフトウェアの開発量が増加する中、日本のモビリティ業界がグローバルで勝ち残るために、デンソーは、カーメーカーとの信頼関係を生かしてソフトの業界標準化をリードし、業界協調型のエコシステム構築に取り組んでいます。人財面ではデンソーのキャリアイノベーションプログラムやソムリエ認定制度をモビリティ業界全体の標準とすべく取り組みを開始しています。また、技術面では、車載電子制御システムのソフトウェアやネットワークの標準化などによる開発の効率化と高信頼性確保を目指すJASPAR(Japan Automotive Software Platform and Architecture)の幹事会社として、JASPARのすべてのワーキンググループに参画し、各業種・研究機関等と標準化を推進しており、自動車業界全体に貢献できるよう取り組みを加速しています。
説明資料は、こちらからご覧ください。
【ご参考】
デンソーのキャリアイノベーションプログラム・ソムリエ制度について
https://www.denso.com/jp/ja/driven-base/career-life/yano-hirose_2203/
UX紹介映像 「D-EXPERIENCE」
https://www.denso.com/jp/ja/news/newsroom/2022/20221021-01/
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