東京に隣接する県でコストパフォーマンスの良い街はどこ?LIFULL HOME’’Sが神奈川県・埼玉県・千葉県の 2024年新築マンションの平均価格を調査

2024/07/17  株式会社 LIFULL 

東京に隣接する県でコストパフォーマンスの良い街はどこ?LIFULL HOME’Sが神奈川県・埼玉県・千葉県の 2024年新築マンションの平均価格を調査

2024年07月17日

事業を通して社会課題解決に取り組む、株式会社LIFULL(ライフル)(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:伊東祐司、東証プライム:2120、以下「LIFULL」)が運営する不動産・住宅情報サービス「LIFULL HOME’S(ライフルホームズ)」は、2024年における東京23区の新築マンションの平均価格に続き、神奈川県、千葉県、埼玉県の新築マンションの平均価格をもとに市区町村単位で調査し、発表します。
※「2024年東京23区の新築マンション1㎡あたりの価格上昇率」https://lifull.com/news/33353/

都内の新築マンション価格は高騰中!隣接3県でコストパフォーマンスの良い街は?

昨今、首都圏では不動産価格の高騰が続いており、特に東京都内の新築マンションは平均価格1億円を超えています。また、価格上昇と住宅ローン金利の増加などを背景に、東京都の移動人口に関するデータでは、東京都のファミリーや子育て世代が隣接する神奈川、埼玉、千葉の3県へ転出する傾向がみられます。
子育て世代をはじめ、よりコストパフォーマンスの良い県に住みたいと考える方に向けて、首都圏の3県における新築マンションの平均価格や㎡単価に着目し、比較しました。住宅市況の分析を行うLIFULL HOME’S総研チーフアナリストの中山登志朗の見解とあわせてまとめています。

【神奈川県編】横浜市中区の㎡単価173万円は東京23平均と同水準!

神奈川県の新築マンションの平均㎡単価1位は「横浜市中区」の173.0万円(前期比112.4%)となりました。2位は「厚木市」の132.8万円(同184.9%)、3位は「川崎市中原区」の132.7万円(同138.5%)と㎡単価130万円台が続きます。神奈川県の平均㎡単価は95.9万円ですが、TOP10は㎡単価100万円以上の横浜市内の区を中心に「相模原市都筑区」「逗子市」がランクインしています。

神奈川県内の市区町村別での平均価格、平均㎡単価一覧もあわせてご覧ください。

LIFULL HOME’S総研 中山の考察>

横浜市&川崎市中心部の価格がさらに上昇、厚木市でも億ション分譲

新築マンションの価格上昇率が7.5%となっている神奈川県内でも、その中心エリアである横浜市中区が平均㎡単価173.0万円(平均価格1億2,300万円)と、県内で最も高額かつ東京23区とほぼ同じ価格水準で分譲されていることが分かりました。横浜市では中区を筆頭に西区、神奈川区など横浜駅の周辺にタワーマンションが数多く分譲されており、平均㎡単価も120万円前後と高水準です。

2番目に高額だったのは厚木市で、平均㎡単価は132.8万円(同1億798億円)に急上昇しています。前年同期比では84.9%と2倍に迫る価格に上昇していますが、これは本厚木駅徒歩1分に1億円超住戸を含む総戸数238戸の分譲が実施されているためです。3番目は川崎市中原区の132.7万円(同8,038万円)でエリアの中心地である武蔵小杉での開発が活性化しています。

神奈川県内で㎡単価が100万円を超えているのは前年から3増えて14自治体&行政区となり、神奈川県平均㎡単価は95.9万円ですから、すでに東京都だけでなく神奈川県内でも、高過ぎて購入しにくいとされる価格帯に突入しているエリアが増え始めている状況です。また横浜市都筑区の港北ニュータウンでも新築マンションの開発が活性化しており、東京都心部の価格上昇の影響が神奈川県方面へも波及している状況が浮き彫りになっています。

【埼玉県編】大宮区&浦和区を抑えて新座市が㎡単価でトップに!前期比でも28%上昇

埼玉県の新築マンションの平均㎡単価1位は「新座市」の122.0万円(前期比128.4%)でした。2位「さいたま市大宮区」の110.8万円、3位「さいたま市浦和区」の110.6万円、4位「川口市」の103.0万円と平均㎡単価100万円と、埼玉県平均の80.2万円を大きく上回るエリアがランクインしています。また、TOP10内6つのエリアでは前年同期比で上昇が見られます。

埼玉県内の市区町村別での平均価格、平均㎡単価一覧もあわせてご覧ください。

<LIFULL HOME’S総研 中山の考察>

埼玉県の価格上昇率は9.1% 東京都に次ぐ上昇率を記録

新築マンションの価格上昇率が東京都の14.2%に次ぐ9.1%を記録した埼玉県内で、最も平均㎡単価が高かったのは新座市の122.0万円です。平均専有面積が43.07㎡とファミリー向けではない住戸の分譲が中心だったため、面積単価が大きく上昇したものと考えられます。

2番目に高い水準だったのはさいたま市大宮区の110.8万円(平均価格6,320万円)、3番目がさいたま市浦和区の110.6万円(同5,997万円)でした。東京都および神奈川県と比較すると物件価格が安価な水準で推移する埼玉県でも価格上昇は顕著で、大宮区ではー2.0%と概ね横ばい、浦和区では19.0%の上昇を記録しています。また、さいたま市緑区では前年比29.7%(平均㎡単価63.7万円→82.7万円)、川越市で25.8%(同77.0万円→96.9万円)、熊谷市で22.6%(同48.2万円→59.1万円)と浦和区以上の上昇率を記録している自治体&行政区もあり、円安による資材価格の高騰、建設業&運輸業の2024年問題に起因する人件費の上昇などが首都圏郊外エリアでのマンション価格を大きく押し上げていることが良くわかる結果となりました。それでも埼玉県内では平均価格が1億円を超えるエリアはなく、さいたま市大宮区の6,320万円が最も高額ですから、年間約2.5万人もの転入超過による人口の社会増が発生している理由が図らずも明らかになりました。

【千葉県編】市川市、浦安市が平均㎡単価100万円超え!

千葉県の新築マンションの平均㎡単価1位は「市川市」の111.2万円(前期比109.7%)でした。2位は「浦安市」の100.1万円、3位には「千葉県稲毛区」の94.7万円が続きます。千葉県内の平均㎡単価は77.4万円と首都圏3県のなかで最も安価となり、TOP10でも㎡単価が80~70万円のエリアがランクインしています。一方で、千葉県の平均専有面積は72.06㎡と3県のなかで最も広いことが分かり、住まいに広さを重視したい方は候補として見逃せない県の一つです。

千葉県内の市区町村別での平均価格、平均㎡単価一覧もあわせてご覧ください。

 

LIFULL HOME’S総研 中山の考察>

市川市、浦安市など東京に近いエリアで千葉都民の居住ニーズ顕在化

新築マンションの価格上昇率が8.2%であった千葉県内で、最も平均㎡単価が高かったのは江戸川を挟んで東京都に隣接する市川市の111.2万円(平均価格7,636万円)です。2番目に高額なのが浦安市の100.1万円(同7,259万円)、3番目も千葉市稲毛区の94.7万円(同5,976万円)ですから、都心方面にアクセス容易な千葉エリアが㎡単価上位を占める結果となりました。同エリアには通勤・通学先が東京都内である“千葉都民”が多く居住しており、都内よりも安価で専有面積も広く、生活コストを抑えつつオンもオフも効率的に暮らせることから、都内の新築マンション価格の高騰を受けて、多くのファミリー層が転居しています。

平均専有面積が最も広いのは成田市の96.23㎡、次いで市原市の80.52㎡、八千代市の79.89㎡と続き、現状の価格水準でも、ファミリー層が子育てに適した新築マンションを比較的安価に購入可能です。

なお、千葉県平均の㎡単価は77.4万円で、東京都139.6万円、神奈川県95.9万円、埼玉県80.2万円と比較すると最も安価な水準に留まっています。対照的に平均専有面積は72.06㎡と東京都の65.79㎡、神奈川県の68.90㎡、埼玉県の63.55㎡と比較して最も広く、唯一の70㎡台を記録していますから、より割安により広い物件を求めるユーザーには適しているエリアが多いのが千葉県であると言えます。

<総評>

一般に、首都圏の住宅価格が変動していく状況は、“の”を描くように波及すると経験則的に言われています。つまり、“の”の起点を東京都心部に見立てると、次に価格の変動が波及するのが神奈川県方面、しばらく時間をおいて埼玉県方面にも波及し、最後に千葉県方面に到達するという法則性が認められるのです。この経験に基づく法則に当て嵌めると、現状では東京都内での新築マンション価格の上昇は神奈川県方面、特に横浜市や川崎市内で顕著に影響が出ており、一部厚木市などでも認められますが、埼玉県や千葉県では、価格が急上昇する“現象”はまだ発生しているとは言い難い状況です。したがって、埼玉県および千葉県では新築マンションの価格上昇の余地は高いと言えるでしょう。

安定的な首都圏市街地での地価上昇に加え、円安による資材価格の高騰、人手不足と2024年問題が重なって高騰している人件費、という現状を考慮すると、このコストのトリプル高による価格上昇は今後も続く可能性が高いと言えます。ただし、仮に住宅ローン金利が明確に上昇し始める展開となれば、新築マンション需要は大きく後退することになり、価格も明確な頭打ち傾向が示されることになります。

LIFULL HOME’S総研 副所長/チーフアナリスト 中山登志朗(なかやま としあき)

出版社を経て、1998年から不動産調査会社にて不動産マーケット分析、知見提供業務を担当。2014年9月にHOME’S総研副所長に就任。不動産市況分析の専門家としてテレビ、新聞、雑誌、ウェブサイトなどメディアへのコメント提供、寄稿、出演を行うほか、年間多数の不動産市況セミナーで講演。国土交通省、経済産業省、東京都ほかの審議会委員などを歴任。(一社)安心ストック住宅推進協会理事。

調査概要

集計対象:東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県内で分譲された新築マンションを行政区単位で集計
集計期間:2023年1~5月および2024年1月~5月を比較し対前期比を算出
集計条件:専有面積30㎡未満の住戸および平均専有面積が30㎡未満の分譲期は除外
集計方法:各マンションにつき、分譲期ごとに最高価格/面積と最低価格/面積を抽出し平均値を算出

LIFULL HOME’S について(URLhttps://www.homes.co.jp/

LIFULL HOME’Sは、「叶えたい!が見えてくる。」をコンセプトに掲げる不動産・住宅情報サービスです。賃貸、一戸建て・マンションの購入、注文住宅から住まいの売却まで。物件や住まい探しに役立つ情報を、一人ひとりに寄り添い最適な形で提供することで、本当に叶えたい希望に気づき、新たな暮らしの可能性を広げるお手伝いをします。

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株式会社LIFULLについて (東証プライム:2120URLhttps://lifull.com/

LIFULLは「あらゆるLIFEを、FULLに。」をコーポレートメッセージに掲げ、個人が抱える課題から、その先にある世の中の課題まで、安心と喜びをさまたげる社会課題を、事業を通して解決していくことを目指すソーシャルエンタープライズです。現在はグループとして約60の国と地域でサービスを提供しており、不動産・住宅情報サービス「LIFULL HOME’S」、空き家の再生を軸とした「LIFULL 地方創生」、シニアの暮らしに寄り添う「LIFULL 介護」など、この世界の一人ひとりの暮らし・人生が安心と喜びで満たされる社会の実現を目指し、さまざまな領域に事業拡大しています。

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