齋藤経済産業大臣がイタリア共和国に出張しました

2024/07/18  経済産業省 

齋藤経済産業大臣がイタリア共和国に出張しました

2024年7月18日

対外経済

齋藤経済産業大臣は、7月15日(月曜日)から7月19日(金曜日)の日程で、イタリア共和国に出張し、G7貿易大臣会合に出席しました。会合では、ルールベースの国際経済秩序の維持・強化に向けて、非市場的な政策・慣行や過剰供給等の諸課題への対応について議論し、貿易大臣声明を取りまとめました。

1.G7貿易大臣会合

(1)概要

  • 7月16日(火曜日)及び17日(水曜日)に、イタリア・カラブリア州(ヴィラ・サン・ジョバンニ)でG7貿易大臣会合が開催され、日本からは、齋藤経済産業大臣及び上川外務大臣が出席しました。
  • ?会合では、昨年のG7日本議長年や6月のプーリアサミットの成果も踏まえ、(1)WTO及び公平な競争条件、(2)貿易と環境持続可能性、(3)経済的強靱性と経済安全保障、をテーマにしたG7メンバー間の3つのセッション、及びパートナー国・機関(※)や産業界を交えた、サプライチェーン強靱化に関するアウトリーチセッションが開催されました。
  • 各セッションでは、ルールベースの国際経済秩序の維持・強化に向けて、非市場的な政策・慣行や過剰供給、WTOの機能強化等の諸課題への対応について議論され、貿易大臣声明が取りまとめられました。
(※)豪州、インド、韓国、ケニア、チリ、トルコ、ニュージーランド、ブラジル、ベトナム、OECD、WTO。

(2)齋藤経済産業大臣の発言内容(一部)

齋藤経済産業大臣は、各セッションにおいて、以下の趣旨の発言を行いました。

アウトリーチセッション:サプライチェーン強靭化

  • 5月のOECD閣僚理事会や6月のG7サミットにおいては、「強靱で信頼性のあるサプライチェーン原則」に合意し、「信頼できるパートナーとの連携」を通じて取り組んでいくことが改めて確認された。我々G7参加国自身が、「信頼できる」パートナーとして、途上国の持続的な成長にコミットしていくことが重要。
  • 日本としても、各国との協力のために確保した予算も活用しながら、途上国とともに強靭なサプライチェーンの構築に取り組みたい。

セッション1: WTO・公平な競争条件

  • 地政学的な緊張下で貿易をめぐる状況が厳しさを増す中、国際経済体制を「弱肉強食」の世界に戻さないためには、紛争解決制度改革をはじめ、WTOの機能回復・強化が必須。
  • ?WTOが今日においても信頼され続けるためには、交渉や審議を通じて、新たな課題に対応できると示すことが必要であり、その観点から、円滑な意思決定プロセスを重視。
  • 第13回WTO閣僚会議で確認した、2024年までの完全なかつよく機能する紛争解決制度の実現に向けて議論を加速させるというコミットメントを踏まえ、ジュネーブで行われている議論を後押しし、本年までの改革実現に向けて上訴レビューを含む未解決の論点について取組を加速していくことが必要。
  • ルールメイキングの手段として、プルリ交渉は一層重要性を増している。WTO電子商取引交渉について、世界中の産業界の望む、電子的な送信に対する関税賦課の恒久的な禁止を含めた商業的に有意義なパッケージでの早期妥結を目指したい。
  • 「公平な競争条件」について、WTOにおける「貿易と産業政策」に関する対話を、できるだけ多くのメンバーが参加する形で進めることは、将来的な規律強化や透明性向上に向けた一歩。また、WTOの外でも、改訂版OECD国有企業コーポレートガバナンスガイドライン等を活用し、グローバルな規範形成に取り組むべき。

セッション2: 貿易と環境持続可能性

  • 貿易を通じた環境物品・サービスのグローバルな普及は重要な課題。
  • ?「環境物品」の定義・範囲について、最終製品の環境負荷のみを基準とするのではなく、製造過程の環境負荷を含むライフサイクルの議論が重要。
  • 貿易関連の気候変動措置が、不当に貿易制限的にならない形で設計されるよう、特に国境を越える製品の炭素集約度の計測手法のあるべき姿について、IEAやOECDの知見も得つつ、WTOで具体的な検討を進めるべき。
  • 地域的な貿易協定又は経済枠組みにおいて、脱炭素に向けた具体的な取組を進めるべき。
  • 貿易と環境持続可能性の両立には、グローバルサウスとの連携が極めて重要。

セッション3: 経済的強靱性と経済安全保障

  • サプライチェーン強靱化に向けては、価格以外の要素が正当に評価される市場を創出することが必要。
  • このため、「持続可能性」や「信頼性」などの「共通の原則」に照らして、脱炭素、安定供給、サイバーセキュリティ等の「クライテリア」を政府調達や補助金といった政策ツールに実装していく必要がある。
  • 重要鉱物について、最近の輸出管理措置は、我が国として極めて強い懸念を有している。我が国はもちろん、G7を含む世界中の産業に大きな影響を及ぼしかねないものであり、こうした重要鉱物の輸出規制に関する懸念に対して、G7として一致したメッセージを発信すべき。

2. 各国閣僚との意見交換

各国閣僚と二国間経済関係等について意見交換を行いました。

(1)トルコ共和国 ボラット貿易大臣(7月16日(火曜日))

両大臣は、日トルコ外交関係樹立100周年となる本年の機会を捉えて、日・トルコ貿易・投資閣僚会合(TRINS)の開催や第三国支援における連携による経済関係の更なる深化への期待、日トルコEPAの早期妥結に向けた交渉の加速化について意見交換を行いました。

(2)ドイツ連邦共和国 ハーベック副首相兼経済・気候保護大臣(7月16日(火曜日))

両大臣は、経済安全保障を中心とする二国間関係の連携強化について意見交換を行いました。

(3)イタリア共和国 タヤーニ副首相兼外務・国際協力大臣

両大臣は、イタリアが議長国を務めるG7での協力や二国間経済関係の発展について議論しました。

(4)カナダ イン輸出促進・国際貿易・経済開発担当大臣(7月17日(水曜日))

両大臣は、日加経済協力の進展を歓迎し、齋藤大臣からは昨年9月に署名されたバッテリーサプライチェーンと産業科学技術に関する2つの協力覚書を念頭に、共通の価値観を持つパートナーとして引き続きカナダと緊密に連携したい旨述べました。

併せて、WTO、本年カナダが議長国を務めるCPTPP、来年議長国となるG7等におけるカナダとの連携を確認しました。

3.日立レール レッジョカラブリア工場の視察

7月17日、日立レールのレッジョカラブリア工場を視察し、同社の鉄道システム事業について説明を聴取するとともに、欧州でのビジネス展開に関する意見交換を実施しました。

関連資料

担当

  • (G7貿易大臣会合)
    通商政策局国際経済部 参事官 田村
    担当者:尾﨑、藤原、森
    電話:03-3501-1511(内線 3051~53)
    メール:bzl-s-kikou-sanjikan-koho★meti.go.jp
    ※[★]を[@]に置き換えてください。
  • (ハーベック大臣及びタヤーニ大臣との会談、日立レール視察)
    通商政策局欧州課長 藤田
    担当者:知念、平川
    電話:03-3501-1511(内線 3001~4)
    メール:bzl-s-tsusei-oshu★meti.go.jp
    ※[★]を[@]に置き換えてください。

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