国内社有林の経済価値評価の結果と定量化プロジェクトについて

2024/09/11  王子ホールディングス 株式会社 

2024年09月11日

国内社有林の経済価値評価の結果と定量化プロジェクトについて

王子ホールディングス株式会社(社長:磯野裕之、本社:東京都中央区)は、この度、当社の国内社有林の経済価値評価を実施しました。その結果とさらなる定量化プロジェクトの実施についてお知らせいたします。

当社は、「木を使うものは木を植える義務がある」という理念のもと、100年以上の長きにわたり、植林によるサステナブルな森林経営を実践してきました。また、国内民間企業で最大級である、東京都の約3倍の大きさの森林を保有(国内外合わせて約63.5万ha)し、その社有林を「王子の森」と呼んでいます。

近年、TNFD提言※1をはじめ、企業活動による自然への依存とインパクト、それらに起因するリスクと機会を評価し、その情報を開示することが求められているだけでなく、森林、土壌、水、大気、生物資源などの自然資本を経済価値としてとらえた自然資本会計の制度化の動きも始まっています。森林は木材生産だけでなく、生物多様性や土砂流出防止、水源涵養※2といった多様な価値を持っています。当社が林野庁「森林の公益的機能の評価額について」の手法をもとに、国内の「王子の森(約18.8万ha)」について、経済価値を算出※3したところ、価値総額が年間約5,500億円という結果になりました。

さらに各種データ解析の結果、水源涵養量は約510万m3で、1日当たり1,690万人分の生活用水を蓄え、作り出す能力に相当※4していることがわかり、生物が3,000種以上(うち希少種は約1,400種)生息していることが推定※5されました。
特に、北海道猿払村の「王子の森」は、世界の北方林の南限に位置し、泥炭が蓄積する湿地帯を有し、絶滅危惧種の淡水魚イトウが生息するなど、生物多様性の重要度が高いと推定されることから、北海道大学や生物多様性可視化の技術を有するスタートアップと協働し、自然資本の価値を測り、定量的に評価するプロジェクトを開始しています。

自然資本会計の時代へ向け、これからも、ネイチャーポジティブ経営を進化させてまいります。

【国内の「王子の森」の経済価値評価、定量化プロジェクトの取り組み】

森林の公益的機能と経済価値評価

水源涵養量、地表水・地下水流の見える化

生物多様性の重要度マップ(スコアが1.0(赤)に近づくほど生物多様性の重要度が高い森林

スタートアップの最新のモニタリング技術を活用したフィールド調査の実施

北海道大学のエキスパートとの協働による猿払山林の多様な機能を評価する調査テーマ

※1:TNFD(Taskforce on Nature-related Financial Disclosures、自然関連財務情報開示タスクフォース)とは、森林破壊や海洋汚染などが事業や財務に与える影響について、開示の枠組みを構築するためのタスクフォース。
※2:水源涵養とは、森林の土壌が降水を貯留し、河川へ流れ込む水の量を平準化して洪水・渇水を防ぎ、さらにその過程で水質を浄化する役割。
※3:林野庁「森林の公益的機能の評価額について」(2000年)の手法をもとに計算(林野庁試算の全国評価額に対して、全国の森林面積に対する王子HD の面積比を乗じることで算出)。一部原単位や評価方法が更新可能な機能については見直した(「水源涵養機能」「生物多様性保全機能(野生鳥獣保護機能)」「大気保全機能」)。
※4:国内の王子の森18.8万haの水源涵養量を国土情報プラットフォームを活用し、地表水、地下水のデータから解析(1日あたり300?/人使用前提に試算)。
※5:種分布モデル(種の分布に影響を与える環境要因のデータセットを用いて種の空間分布を推定する手法)をもとにどのような生物が生息しているかを推定。対象は鳥類・両生類・種子植物の在来3,776種で、気候変数、地質、植生、土地被覆、地形といった様々な環境が考慮されている。希少種の推定には、都道府県別レッドデータブック掲載の絶滅危惧種Ⅰ、Ⅱ類(最も絶滅の危険度が高いグループ)を用いた。

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本件に関する問い合わせ先

王子マネジメントオフィス株式会社
グループ事業開発本部 王子の森活性化推進部 TEL:03-3563-4430

王子ホールディングス株式会社
コーポレートガバナンス本部 広報IR部 TEL:03-3563-4523 E-mail:oji-holdings@oji-gr.com


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