乾燥他家(同種)培養表皮 Allo-JaCE03:臨床試験の進捗に関するお知らせ

2024/09/17  株式会社 ジャパン・ティッシュエンジニアリング 

2024 年 9 月 17 日

株式会各社ジャパン・ティッシュエンジニアリング

乾燥他家(同種)培養表皮 Allo-JaCE03:臨床試験の進捗に関するお知らせ

株式会社ジャパン・ティッシュエンジニアリング(本社:愛知県蒲郡市、社長:畠 賢一郎)は、国内初となる他人の皮膚細胞を原材料とした乾燥他家(同種)培養表皮(開発名:「Allo-JaCE03」、医療機器)を開発しています。このたび、深達性Ⅱ度熱傷*1を対象とした臨床試験(以下、「本試験」)の治験終了届書を独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)へ提出しました。以下に本試験の状況についてお知らせいたします。

1. 本試験の概要
本試験は、皮膚欠損のうち真皮まで達する疾患である深達性Ⅱ度熱傷の患者を対象とし、「Allo-JaCE03」の有効性の検証ならびに安全性の確認を目的としています。本試験は全症例の治療、経過観察を完了しました。このたび、本試験で得られた症例に関するデータを固定し、有効性及び安全性に関するデータ解析を実施したので、その結果を速報します。

2. 主な解析結果
・主要評価項目である初回貼付後 7 日目における Allo-JaCE03 貼付部位の上皮化率*2は、既存の治療法による上皮化率の推定値に比べて統計学的に有意に上回ることが示された(p=0.0123 Student の t 検定)

・安全性については、問題となる有害事象は認められなかった

本試験は、皮膚欠損のうち真皮まで達する疾患である深達性Ⅱ度熱傷の患者に対し、初回貼付後 7 日目の早期に上皮化を認め、初回貼付後約 3 ヶ月間の観察で問題となる有害事象は認められなかった点において、大きな意義があります。

*1: やけどは深さによってⅠ度(表皮まで)、Ⅱ度(真皮まで)、Ⅲ度(皮下組織まで)の 3 段階に分類されます。深達性Ⅱ度熱傷は、真皮の深くまで損傷しているため、治るのに時間を要するとともに後遺症を残すこともあり、場合によっては手術が必要となります。
*2: 上皮化率とは、欠損した皮膚が表皮で再度被覆された面積の割合を意味します。

【当社社長 畠 賢一郎のコメント】
本製品は、あらかじめ製造・保存が可能な Off-The-Shelf 製品であり、軽度の熱傷に対してより簡便な治療を提供できると考えています。これまで培ってきた安定した細胞培養技術をもとに、大量生産体制も整えました。本製品は生きた細胞ではないため、自家培養表皮ジェイスとは治療効果が異なりますが、本試験を通じてその有効性が示されたことは、「新たな医療の一歩」だと考えています。今後、速やかにデータをまとめて製造販売承認申請を行います。当社は引き続き、保有する技術を最大限に活用し、再生医療の発展に尽力してまいります。

3. 今後の見通し
本件は、臨床試験の進捗をお知らせするものであり、当社の今期(2025 年 3 月期)通期業績への影響はありません。今後、当社の業績に重大な影響を与える新たな事実が判明した場合は、速やかにお知らせいたします。

公式ページ(続き・詳細)はこちら
https://ssl4.eir-parts.net/doc/7774/tdnet/2501971/00.pdf

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