琵琶湖北湖第一湖盆(水深約90m)において無酸素状態(0.5mg/L未満)が確認されました

2024/09/25  滋賀県庁 

琵琶湖北湖第一湖盆(水深約90m)において無酸素状態(0.5mg/L未満)が確認されました

2024年9月25日

令和6年9月9日(月)に実施した水質調査において、琵琶湖北湖の第一湖盆(水深約90m)の底層溶存酸素量(以下「底層DO」という。)が、7地点中6地点で底生生物への影響が見られる目安である2mg/Lを下回り、そのうち2地点で無酸素状態(0.5mg/L未満)であることを確認しました。底層DOの無酸素状態が確認された日としては、調査地点を現在の範囲に広げた平成18年度以降で最も早く、平成29年度と同時期です。また、9月12日(木)および17日(火)に実施した底生生物調査の結果、ヨコエビ等の死亡個体を確認しました。

今後も、必要に応じて調査範囲を拡大するなど底層DOの動向にも注視しつつ、モニタリング調査を実施します。

1.今回の調査結果

(1)底層DOについて(表1参照)

調査結果
調査日 水深 令和6年9月9日(月) 令和6年9月17日(火)
調査地点 90m 80m 7地点 2地点 5地点 ―
底層DOが2mg/Lを下回った地点数※ 90m 80m 6地点(2地点) 0地点 4地点(2地点) ―
底層DO(湖底上1m) 90m 80m <0.5mg/L~4.4mg/L 2.3mg/L~3.2mg/L <0.5mg/L~3.6mg/L ―

※()内は底層DOが0.5mg/Lを下回った地点数

(2)底生生物の生息状況について(図3、図表4参照)

  • 9月12日(木)に琵琶湖環境科学研究センターが実施した水中ロボット(ROV)による第一湖盆での調査の結果、水深90m地点でイサザとヨコエビの死亡個体が確認された。
  • 9月17日(火)に水産試験場が実施した「そりネット」による第一湖盆でのイサザ・スジエビ採捕調査の結果、水深90m地点でイサザとスジエビの死亡個体が確認された。

2.底層の現状と今後の対応

(1)底層の水質

  • 底層DOの低下が進行しており、貧酸素の範囲が拡大しつつある。(表1)
  • 底層DOの無酸素状態が確認された日としては、調査地点を現在の範囲に広げた平成18年度以降で最も早く、平成29年度と同時期である。(過去10年間で無酸素状態が確認された日:令和5年9月25日、令和3年10月11日、令和2年9月30日、令和元年10月7日、平成29年9月11日)
  • 今津沖中央(C地点)の底層DOは、7月までは過去10年平均値と同等に推移していたが、8月以降は過去10年平均値よりも低い状態で推移している。(図1)
  • 今年度は、5~6月に北湖の表層で大型の植物プランクトンが多く、それらが沈降して湖底で分解される際に底層DOの消費が進んだ可能性がある。
  • 昨年度と同様今年度も、表層水温が高く水温躍層が強固に形成され、6月以降に強風の日が少なく底層付近の水の混合が弱いことも、底層DOが大きく低下している要因と考えられる。
  • 底層DOが低下することで影響を受けやすいとされる水質項目には、重金属類(マンガン等)や栄養塩類(りん等)がある。
  • 底層DOの低下がみられる7月中旬以降からこれまでの間に、これらの水質項目の濃度に特に影響は見られていない。(図2)

(2)底生生物の生息状況

  • 9月12日(木)に琵琶湖環境科学研究センターが実施した水中ロボット(ROV)による第一湖盆での調査の結果、水深90m地点でイサザとヨコエビの死亡個体が確認された。
  • 9月17日(火)に水産試験場が実施した「そりネット」による第一湖盆でのイサザ・スジエビ採捕調査の結果、水深90m地点でイサザとスジエビの死亡個体が確認された。
  • 水深90m地点において、底生生物の死亡個体が確認されているものの、イサザやスジエビは琵琶湖の広い範囲に生息しており、現時点で漁業への影響は限定的と考えられる。

(3)今後の対応

底層DOは気温や強風などに大きく影響されることから、気象や水質に注視しながら、以下の対応により底層DOの推移などを把握する。

  • 琵琶湖環境科学研究センターでは、定期調査に加えて、底層DOの詳細調査を月2回に増やしている。また、詳細調査の範囲を水深80m地点にも広げて実施しており、今後、必要に応じて調査範囲の拡大を行う。併せて、月1回、水中ロボット(ROV)による底生生物の生息状況調査を実施していく。
  • 水産試験場では、月1回、「そりネット」によるイサザ・スジエビの採捕調査や水中ビデオカメラによる映像確認により、生息数や密度等を水深別に把握していく予定。
  • 今後も、各関係機関と連携しながら、貧酸素水域の広がりや底層DOの低下の程度、底生生物の生息状況等の監視に努めていく。
  • 今後の底層DO等の調査結果は、県HP「琵琶湖の水質(速報)について」において随時、掲載する予定。

(https://www.pref.shiga.lg.jp/ippan/kankyoshizen/biwako/300014.html)

お問い合わせ
琵琶湖環境部 琵琶湖保全再生課 水質・生態系係
電話番号:077-528-3463
FAX番号:077-528-4847
メールアドレス:[email protected]

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