2024年9月度 定例記者会見 林社長挨拶

2024/09/24  中部電力 株式会社 

定例記者会見

2024年9月度 定例記者会見 林社長挨拶

2024年09月24日
中部電力株式会社

まず、先月の台風10号について、一言申し上げます。

台風10号により被災された皆さまに、心よりお見舞い申し上げます。

台風10号の影響により、中部エリアでは、8月31日に、静岡県内の一部地域において、1万8千戸を超えるお客さまが最長で101分間停電するなど、延べ約4万6千戸のお客さまに大変ご迷惑をおかけしました。

今後も、当社グループは、国や自治体などとも連携し、災害時の早期復旧に向けた対応に取り組んでまいります。


    本日、私からは、

    • この夏の電力需給および災害への対応
    • テクノフェア2024

    の2点について、お話しします。

この夏の電力需給および災害への対応

  • はじめに、この夏の電力需給および災害への対応について、お話しします。
  • この夏の電力需給は、発電設備の運転・保守を確実に実施することや他の一般送配電事業者より電力融通を受けたことで必要な供給力を確保できたことなどから、安定供給に最低限必要とされる予備率3%を確保し、厳しいながらも安定的に電気をお届けすることができました。
  • 中部エリアのご家庭や企業のお客さまにおかれては、無理のない範囲で効率的なエネルギーのご使用にご協力いただき、この場をお借りして、お礼申し上げます。
  • この夏は、7月の名古屋の平均気温が過去最高となるなど、記録的な猛暑となりました。
  • 電力需給では、8月5日に、最高気温が39度まで上昇した影響もあり、中部エリアの電力需要は、14時台に2,521万kWとなり、この夏の一点最大電力を記録しました。
  • また、9月18日の16時30分台には、全国的に気温が想定以上に上昇し、電力需要が増加したことなどにより、広域予備率が、この夏の最小となる5.20%となりました。
  • 当社グループは、引き続き、設備トラブルにより供給力を減少させることがないよう、発電所ならびに送変電設備や周波数変換所などの運転・保守を確実に実施するとともに、お客さまに効率的に電気をお使いいただけるサービスをご提供することで、安定供給に万全を期してまいります。
  • 次に、災害への対応として、南海トラフ地震臨時情報への対応について、お話しします。
  • 8月8日に発生した日向灘を震源とする地震に伴い、南海トラフ地震臨時情報が初めて発令されました。
  • 当社では、ただちに地震待機体制を発令し、従業員や家族の安全確保に関する周知や、対策要員、備蓄品・資機材の再確認のほか、自治体など社外との連絡体制の構築などを実施しました。
  • また、浜岡原子力発電所においては、初動対応として、待機要員を含む約300名体制で設備の巡視、点検などの対応にあたり、その後、地震発生時に備え、約30名の待機体制で対応を実施しました。
  • 今回の南海トラフ地震臨時情報の発令時の対応にあたっては、すべての従業員が初めて経験するものでありましたが、あらかじめ定めたルールに従い、大きな混乱なく対応できたものと考えております。
  • 引き続き、当社グループは、地震や台風など、自然災害に備えて、ハードとソフト両面の対策を日々深化させ、不断の取り組みを行うことで、お客さまへの安定した電気のお届けに努めていく所存であります。

資料

テクノフェア2024

  • 当社は、グループの技術開発の取り組みをご紹介することを目的にテクノフェアを毎年開催しております。
  • 今年は、「持続可能な未来に向けて」をテーマに掲げ、10月24日、25日の2日間、名古屋市緑区に所在する技術開発本部において開催します。
  • 技術開発本部では、経営ビジョン2.0の実現に必要となる重点7分野での革新的技術の社会実装を目指して研究を進めており、そうした研究成果を中心にご紹介する予定であります。
  • 本日は、見どころとなる研究のうち、2つの研究について、お話しします。
  • 1つ目は、「アンモニア混焼小型貫流ボイラの開発」についてであります。
  • アンモニア混焼小型貫流ボイラは、これまで主に都市ガスを主燃料としている工場などのボイラの脱炭素化を目指すものであり、三浦工業株式会社さまと、2年間に亘り、アンモニアと都市ガスの混焼に関する基礎研究に取り組んでおります。
  • このたび、技術開発本部の敷地内にアンモニア燃焼試験設備を設置し、今月から実機規模での燃焼試験を開始しております。
  • 引き続き、中部電力ミライズを加えた3社にて、製品仕様などを検討のうえ、早期の商品化を目指してまいります。
  • 本開発を通じた産業分野における熱利用工程の脱炭素ソリューションにより、お客さまの脱炭素化の取り組みを支援することで、カーボンニュートラル社会の実現に貢献してまいります。
  • 2つ目は、「隔離栽培による持続可能な切り花栽培」についてであります。
  • トルコギキョウなどの切り花生産においては、土壌から感染する病害対策として、化学農薬に依存した栽培が主流となっておりますが、化学農薬に頼らずに病害を防ぐ栽培方法として、「隔離栽培」の研究を進めております。
  • 当社は、長野県の試験場やJA上伊那(かみいな)さまなどと連携し、研究に取り組んでおり、昨年度に実施した栽培試験では、病害が約30%減少した効果も得られております。
  • 現在、病害対策のさらなる検討を進めるとともに、LED電照による品質の向上を目指しております。
  • 隔離栽培は、化学農薬を使用しないことで環境負荷の低減が期待できることから、今後も地域の農業関係者と連携し、持続可能な農業生産に貢献してまいります。
  • 多くの企業や自治体、教育・研究機関の皆さまとともに取り組みを進めることで、大きな効果が得られると考えていますので、是非、多くの方々にテクノフェア2024にご来場いただき、ご興味がある展示にお声がけいただきますよう、お願いいたします。

資料



以上

関連業界