2025 年５月７日
日本たばこ産業株式会社
会社分割（簡易吸収分割）による当社医薬事業の塩野義製薬株式会社への承継に関するお知らせ
当社は、本日開催の取締役会において、会社分割（簡易吸収分割）により、当社の医薬事業（以下「本事業」といいます。）を塩野義製薬株式会社（以下「塩野義製薬」といいます。）へ承継すること（以下「本吸収分割」といいます。）に関し、塩野義製薬との間で合意書（以下「本合意書」といいます。）を締結することを決議し、本合意書を締結しましたので、下記のとおりお知らせいたします。
なお、本吸収分割に関しては、本日開示した「連結子会社の異動（子会社株式の譲渡）に関するお知らせ」（以下「本子会社異動プレスリリース」といいます。）でお知らせしました、塩野義製薬が実施する当社の連結子会社である鳥居薬品株式会社（以下「鳥居薬品」といいます。）の普通株式（以下「鳥居薬品株式」といいます。）に対する公開買付け（以下「本公開買付け」といいます。）の成立後に行われる鳥居薬品株式の併合及び鳥居薬品が実施する自己株式の取得に関する効力が発生すること、並びに国内外の競争法その他の法令等に基づき必要となるクリアランス・許認可等の取得等が本合意書において前提条件として定められております。
記
１．本吸収分割の目的
当社グループは、1987 年の本事業参入以来、安定的な研究開発投資を重ね、ファースト・イン・クラスの低分子創薬に注力した研究開発に取り組んでまいりました。1998 年には鳥居薬品をグループ会社に迎え、主に当社が研究開発を行う一方で、鳥居薬品が製造、販売及びプロモーション活動を担うことで、両社で一体的なバリューチェーンを構築し、グループ内でのシナジーを最大限に発揮することで、多くの患者様に信頼される医療用医薬品を提供してまいりました。そして、中長期に亘る持続的な利益成長を補完する役割として、本事業は当社グループへの利益貢献を果たしてまいりました。
そのような状況下において、近年では本事業を取り巻く環境が変化しており、特にアンメットメディカルニーズ（未だに治療法がない疾患に対する医療ニーズ）の充足に伴う画期的な新薬創出のハードルの上昇やグローバルメガファーマによる巨額の投資を背景とした国際的な開発競争の激化が生じております。加えて、たばこ製品に対する様々な議論の進展を受け、本事業における研究開発活動において制約を受ける場面も増えております。これらの環境変化を踏まえると、当社グループによる事業運営では中長期的な成長が不透明な状況にあります。
一方で、これまで当社グループで培ってきた本事業における創薬力・ノウハウは、今後も患者様・社会に有益な価値を提供できると考えております。このような背景を踏まえ、当社グループの創薬力を更に発展させ、医薬品をより多くの患者様に届けるためには、本事業と鳥居薬品について双方の価値を見出し、かつ新薬創出に重点を置く製薬企業の下で事業展開を行うことが最善の選択と判断し、今般、塩野義製薬に本事業及び鳥居薬品株式を引き継ぐことにいたしました。本吸収分割及び鳥居薬品株式の塩野義製薬への譲渡により、長年当社グループで培ってきた高い創薬力の継承が実現され、本事業の中長期的な成長が期待できると考えております。なお、本子会社異動プレスリリースのとおり、当社は本公開買付けに係る一連の取引等についても塩野義製薬と合意しております。
塩野義製薬は 1878 年の創業以来、140 年以上に亘り主に医療用医薬品の提供を通じて成長を遂げてきたグローバル企業であり、本事業と同様に、低分子創薬を中心とした高い創薬力を有していると認識しております。また、塩野義製薬は創薬型製薬企業として自社創薬にこだわりを持っており、同様にファースト・イン・クラスの低分子創薬に注力する本事業とは、研究開発方針において高い親和性があると考えております。更に、両社はアンメットメディカルニーズの高い疾患を重視し、ユニークなパイプラインの構築を志向するという点でも共通しており、本事業と塩野義製薬との間でパイプラインの重複が少ないことから、ポートフォリオの相互補完によるシナジーの創出も期待できます。加えて、塩野義製薬より、高い水準で積極的な研究開発費投資を継続していく方針が示されていることから、本吸収分割によって塩野義製薬の下で事業運営を行うことにより、本事業がこれまでに培ってきた創薬力や人財などの価値が最大限に活かされるものと考えております。
また、本吸収分割に伴い、今後、塩野義製薬へ承継される従業員につきましては、現在の労働条件と実質的に同等となる形で雇用が継続されることを、塩野義製薬との間で合意しております。
なお、本吸収分割の効力発生以降、当社グループの事業ポートフォリオは、たばこ事業と加工食品事業の二つとなりますが、それぞれの位置付けに変更はありません。引き続き、たばこ事業は利益成長の中核かつ牽引役と位置づけ、加工食品事業については全社利益成長を補完する役割を担うものとし、グループ全体でJT GroupPurpose の実現と中長期に亘る持続的利益成長を目指してまいります。
患者様及び医療関係者の皆様におかれましては、これまでの当社グループの医療用医薬品のご利用及び本事業へのご支援に深く感謝申し上げます。当社グループの医療用医薬品については、本吸収分割の効力発生までは従来通り、責任をもって供給し続けてまいります。また、本吸収分割の効力発生以降も、本事業を承継する塩野義製薬の下、これまでと同様に提供が継続される予定です。引き続きご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げます。
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https://www.jti.co.jp/investors/library/press_releases/pdf/2025/20250507_10.pdf