マーサー、新興国メガシティ15都市における従業員と雇用主に関する調査レポートを発表

2018/11/08  マーサージャパン 株式会社 



新興国メガシティ(人口1,000万以上の巨大都市)の雇用主は、人材を惹きつける重要な要素の理解が不十分である。
雇用主と従業員の間に認識の食い違いがある。経済的な成長と機会創出を実現するには両者のギャップをなくすことが極めて重要である。
行政は「従業員の声」を都市計画立案のプロセスに取り入れる必要がある。


組織・人事分野、資産運用、福利厚生におけるサービスを提供するグローバル・コンサルティング会社であるマーサーは、世界で最も急速な成長を遂げている都市における従業員のニーズを、「人、健康、資産、仕事」という4つの主な要因に関して精査した広範な調査結果を発表した。

この研究はスキルの高い人材獲得の熾烈な競争を背景にした、従業員のモチベーションについて、極めて重要な洞察を提供するものである。また、企業や地方行政が人材獲得戦略を加速し、商業的な利益向上を実現する一助となる実践的な助言も提供している。

『人が第一:新興国メガシティの成長を推進する (People first: driving growth in emerging megacities)』と題されたこの調査は、ブラジル、中国、インド、ケニア、メキシコ、モロッコ、そしてナイジェリアの7ヵ国における、現在および将来のメガシティ15都市7,200人の従業員と、577人の雇用主を調査したものである。国連が明らかにしているように、この15都市の合計人口は2030年までに1億5000万人に達し、強力なGDPを持つようになると予測されている。[1]

[1] https://www.un.org/development/desa/publications/world-population-prospects-the-2017-revision.html
https://population.un.org/wup/DataQuery/

「成長市場には先例のないほど多くの機会があるものの、固有の難しい問題を伴っています。急成長する次世代都市は、より大きな市場を凌駕する勢いがありますが、実際実現するには、これらの都市が高いスキルを持った人材を惹きつけ、維持する必要があります」とマーサーのグループプレジデントのマルティーヌ・ファーランドは述べている。「経済データ、投資、インフラを分析する二次的な調査や学術的な論文に依存する調査研究は多数ありますが、マーサーの調査は、人々がなぜその都市に向かい、都市内で移動し、また都市から流出するのか、人的及び社会的理由を調査したという点で世界初の調査である。

「雇用主は人々が都市へ移り、そこに留まる動機となっている要因について誤解しているということが分かりました。さらに、主な従業員グループの間で重要であると挙げられている、人的要素と社会的要素が強い要因に対し、各都市はあまりうまく機能していません。このダイナミクスが、人々が最も大切にするものと都市のパフォーマンスの間に特有の軋轢を生み出しているのです」とファーランドは付け加える。


主な調査結果

本調査は、「人、健康、資産、仕事」という、人を基盤にした4つの柱に関する20の決定的な要因を調査した。回答者は5つの要因について、都市に留まるか去るかの決定に影響する重要度をランク付けした。調査結果で最も高く注目されたのは、都市や企業が将来の適切な人材を惹きつけるためには、人的そして社会的な要因が最も重要であるということであった。

<図表1>

「急速な都市化、あるいは成長経済は確かに大きなテーマはありますが、どの都市で暮らし働くかという意思決定を促す、人々のニーズや、人的および社会的要因に対する取り組みはまだ不十分といえます。この事実を把握することは、都市の未来、仕事の未来がかかっているのはまさに「人」だということを認識する上で、重要なことです」とマーサーのインターナショナル・プレジデントのデービッド・アンダーソンは述べている。「我々の調査は、人々が最も望んでいるのは、自分たちと家族のより良い生活だ、ということを歴然と示しています。マーサーは、同時にセグメンテーション調査も実施しており、これによって企業のより効率的な採用活動や人材維持、設備拡張のプログラムを独自に作成すること等をお手伝いできるでしょう」とアンダーソンは補足している。

全体的には、従業員が都市に留まるか去るかを決定する上で、生活に対する満足感が最も重要な要因に挙げられている。新しい都市への移住を検討する際、従業員は生活に対する満足感を、雇用主の認識よりも2倍重要であると考えている。安全・安心は2位、収入が3番目、家族や友人と近いことが4位、そして就業の機会が5位である。

本調査で明らかになった大きな特徴は、新しい都市に移動すると決めた後では、金銭や仕事の要因が重要になってくる、ということである。同じ都市の中で別の仕事を探す場合、動機のトップ3は給与、より良いキャリアのチャンス、そして昇進である。地域に密着したレベルでは、従業員にとっては、様々な文化的な要因の他、近隣の施設やインフラがより一層重要である。

人々の固有なニーズへの取り組みを強化するために

調査の一部において、マーサーは従業員に焦点を置き、それぞれの回答者層、世代区分、キャリア向上、生涯学習への傾向、経済的安定レベルに基づいた細分化調査を行った。これは、各労働者区分に固有のニーズを特定し、より良く把握すること、またその価値観や見識が、高成長を遂げる都市の雇用主や政府の従業員の価値観、関心、欲求に対するさらなる取り組みにどう役立つかを見出して理解することを目的としたものである。

「従業員の各層が持つ人間としての具体的なニーズ、欲求、モチベーション、ならびにそれぞれが重視するアドバイスの種類をより深く理解することで、マーサーは顧客企業に特化した業務内容やプログラムの創出をサポートしを、最良の人材の誘致や維持につなげます」と、マーサー・インターナショナルの戦略および地域拡張リーダーであるパーリー・シフェルは述べている。

特定されたのは次の 5つのペルソナである。自信に満ちた達成者、ホワイトカラーの専門職および大卒者、苦労の多い労働者、ビジネスオーナーと能力の高い商人、専門職の家庭。それぞれニーズと要求は大きく異なるが、各対象セグメントをまとめているのは、より全体的な生活の満足感への欲求である。

 <図表2>



ほとんどの都市が期待を下回る

地方自治体にとってこの調査の最も重要な結果に、大半の従業員が自分の住む都市は期待以下であると回答している事実がある。従業員の期待と都市のパフォーマンスが最も大きく食い違っている点は、安全とインフラである。汚染、個人的なストレス、手頃な住居、交通機関や移動のしやすさ、そして安全が、都市の提供できるものと、調査対象の従業員が重んじるものとの間の大きなギャップを代表している。この事実は、将来の従業員のニーズと期待への対応を大幅に改善する大きな機会があることを示している。

一方、この調査では良い結果も明らかになっている。多くの回答者が、自分の住む都市は文化や経済の点では大変良いとしている。そして生活に対する満足感、就業の機会、空港や緑地への近さを含む他の項目では、すでに期待を満たしているといえる。

<図表3>

地域によるバリエーション

調査対象となった現在および将来のメガシティ15都市には、いくつかの共通点もあるが、重要な違いも明らかになった。人、健康、資産、そして仕事という4つの柱に対するパフォーマンスに基づき、従業員の期待を満たしているかどうかの観点から、これらの都市を先進的、発展中、台頭中の3つのカテゴリーに分類した(図表4)。先進的な都市は4つの要因全てのスコアが高く、従業員の期待と都市のパフォーマンスの間のギャップは小から中程度であった。

発展中と分類された都市は、期待とパフォーマンスの間のギャップが中程度で、台頭中の都市は4つの側面全てのスコアが低い。3グループの中で期待と都市のパフォーマンスのギャップが最も大きく、生活全般の満足感が最も低くなっている。


<図表4>

同様に、オートメーション、AI、そしてロボティクスの影響は国によって大きく異なり、ポジティブな影響を感じる人の割合は中国が最も高く、アフリカが一番低くなっている。

協調的な行動に対する明確な要求

この調査では、人々が自分たちが住む都市のシステムの問題の責任が、特定のグループだけにあるとは考えていないことが明らかになっている。調査結果によると、従業員は、自分の住む都市あるいは地方自治体(79%)、国あるいは連邦政府(74%)、そして大企業(57%)の全てが、都市をより魅力的にし、全体的な生活に対する満足感、安全・安心、そして収入に対する必要を満たす上で役割を果たすことを期待している。

従業員は、必要な資源と権威を持った大きな機関が真の変化をもたらしてくれると期待している。最終的には、1つのグループがシステムの問題に取り組む責任を負うことはできないし、そうするべきでもない。

「この調査より明らかになった最も重要な責務の一つは、効果的な官民のパートナーシップにより必要な改善を促進することだと考えます」とアンダーソンは述べる。「大規模に進歩を加速し、従業員とその家族が繁栄できる環境を生み出すために、また、全ての人にとっての持続的な経済発展を支えるために、企業と自治体が協力して、惹きつけようとしている従業員の将来のニーズに取り組まなくてはならないのです」

<図表5>

本調査対象15都市は、人口300万人から1,500万人を有し、今後10年間の予測GDPと人口増加は堅調で、年に40億ドル以上の海外直接投資を受けている。2018年7月から8月にかけて、オンラインと対面式の面談の組み合わせによる調査が実施された。

* * *

調査について

マーサーの『人が第一:新興メガシティーの成長を推進する』 レポートは、ブラジル、中国、インド、ケニア、メキシコ、モロッコ、ナイジェリアの7ヵ国における現在、そして将来のメガシティ15都市7,200人の従業員と、577人の雇用主を調査したもの。調査対象都市は以下の通り:

ハイデラバード(インド)
コルカタ(インド)
チェンナイ(インド)
アーメダバード(インド)
青島(中国)
杭州(中国)
南京(中国)
成都(中国)
ベロオリゾンテ (ブラジル)
クリチバ(ブラジル)
モンテレー (メキシコ)
グアダラハラ(メキシコ)
ラゴス(ナイジェリア)
ナイロビ(ケニア)
カサブランカ(モロッコ)

本調査の詳細レポート(英文)は以下のリンクよりダウンロード可能です。
https://info.mercer.com/jp-2018-people-first-report.html

ウェビナーお申込みは以下のリンクよりダウンロード可能です。
※ウェビナーは、12月5日(グローバル・インサイト)、12月11日(アジア・インサイト)、2019年1月(南米インサイト)の3回で英語のみの実施となります。」
People first: driving growth in emerging megacities
https://www.mercer.com/our-thinking/people-first-driving-growth-in-emerging-megacities.html

当リリースは2018年10月30日に米国で発表されたリリースの抄訳をベースにしています。
https://www.mercer.com/newsroom/employers-in-emerging-megacities-are-failing-to-understand-key-drivers-for-talent-according-to-landmark-mercer-study.html


マーサーについて
マーサー (英語社名:Mercer、本社: ニューヨーク、社長兼CEO:Julio A. Portalatin) は、組織・人事、福利厚生、年金、資産運用分野におけるサービスを提供するグローバル・コンサルティング・ファームです。
全世界約23,000名のスタッフが44ヵ国、約180都市の拠点をベースに、130ヵ国以上でクライアント企業のパートナーとして多様な課題に取り組み、最適なソリューションを総合的に提供しています。
日本においては、40年の豊富な実績とグローバル・ネットワークを活かし、あらゆる業種の企業・公共団体に対するサービス提供を行っています。組織変革、人事制度構築、福利厚生・退職給付制度構築、M&Aアドバイザリー・サービス、グローバル人材マネジメント基盤構築、給与データサービス、年金数理、資産運用に関するサポートなど、「人・組織」を基盤とした幅広いコンサルティング・サービスを提供しています。
マーサーは、ニューヨーク、シカゴ、ロンドン証券取引所に上場している、マーシュ・アンド・マクレナン・カンパニーズ(証券コード: MMC)グループの一員です。 マーサーについての詳細は、以下をご参照ください:

マーサージャパン www.mercer.co.jp
Mercer(Global)  www.mercer.com


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マーシュ・アンド・マクレナン・カンパニーズ(ニューヨーク証券取引所コード: MMC)は、グローバルプロフェッショナルサービスを提供する企業グループとして、顧客企業にリスク、戦略、人材分野の助言とソリューションを提供しています。
マーシュ・アンド・マクレナン・カンパニーズはマーシュ(保険仲介とリスクマネジメント)、ガイカーペンター(再保険仲介・コンサルティング)、マーサー (組織・人事マネジメント・コンサルティング)、そしてオリバーワイマン(戦略コンサルティング)から構成されており、年間総収入140億米ドル超、全世界に65,000名の従業員を擁し、世界各地の顧客に分析、アドバイスを行い、各種取引を支援しています。
当グループは責任ある企業市民として事業展開しているコミュニティに貢献しています。詳しい企業情報については www.mmc.comをご覧ください。

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