【調査発表】「With/Afterコロナの人事施策実態調査」結果を発表

2021/02/22  株式会社 リクルートマネジメントソリューションズ 

45.7%の人事担当者が「人事制度改定」の優先順位を上げたと回答 半数以上の企業が「目指す人物像・組織像の見直し」を検討していることも明らかに

 企業における経営・人事課題の解決および、事業・戦略の推進を支援する株式会社リクルートマネジメントソリューションズ(本社:東京都品川区 代表取締役社長:藤島 敬太郎 以下、当社)は、2020年11月、全国の企業の人事担当者306名に対し、「With/Afterコロナの人事施策実態調査」を実施し、「2021年度に向けた人事施策の優先順位の変化」や「業務や働き方の変化が人事制度に及ぼす影響」など、調査結果から見える実態について1月に公表しました。本ニュースレターでは結果に考察も交えてお伝えします。 *詳細は1月25日に公表した当社Webサイトの調査レポート (https://www.recruit-ms.co.jp/issue/inquiry_report/0000000935/)からも参照できます。


1.調査背景と結果のポイント
 新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、リモートワークを導入する企業が増え、ジョブ型への移行がバズワードになったり、リモートワークでのコミュニケーション上での悩みが日々話題になったりと、企業の人材マネジメントや働き方に大きな変化が起きつつあります。
 リクルートマネジメントソリューションズではWith/Afterコロナの中での人事施策の実態と今後の検討課題について調査を実施しました。

■調査結果より一部抜粋 ※調査の詳細は、「3. 調査結果と考察」を参照ください 。


2021年度に向けて優先順位を上げた人事施策について、上位3つを挙げると56.4%が「職場内のコミュニケーション強化」、47.4%が「業務状況把握・労働時間管理」、45.7%が「人事制度の改定」と回答した。(図表1)
⇒リモートでの仕事が半年以上続き、職場内コミュニケーションや業務状況の把握について課題感を感じていることがうかがえる。さらにそのようなリモートでの働き方や職場環境に対応した人事制度自体の改定の検討も始まっている。


コロナ禍での業務や働き方の変化が人事制度に及ぼす影響について、81.3%が「日々の細かい指導が難しくなり、評価や面談を通じた育成の重要性が高まっている」と回答した。また70.2%が「行動評価の納得感を高める運用面の課題が増えている」と回答した。(図表2)

72.2%が「リモートでのマネジメントの機会が増えた」と回答した。ミドルマネジメントにおける課題感としては、75.4%が「部下の業務の進捗把握に課題を感じている」、「組織のコンディションに課題を感じている」と回答した。また、76%が「マネジメント研修の内容について強化・変更を検討している」と回答。69.5%が「今後は求めるマネジャー像の変更が必要だと考える」と回答した。(図表3)



「目指す人物像・組織像の見直し」を行っているかという設問に対しては、67.5%が見直しを実施・検討していることが明らかになった。(図表4)
⇒マネジメント層だけでなく人材育成全般においても、リモートを始めとした様々な環境変化の中でも価値を存分に発揮できる人材や組織の新しい姿が模索されているようだ。


新入社員の人事育成施策について、オンラインでの対応が中心となったことに関連して、50.1%が「オンラインでの選考だったため、入社後に期待値とのギャップが例年以上に想定される」と回答した。また、73.1%が「内定者間の交流が例年以上に希薄である」と回答した。
研修については、78.7%が「新入社員研修の内容について強化・改善を検討している」と回答し、67.2%が「オンラインでの新入社員教育実施を検討している」と回答した(図表5)


※図表2・3・5のデータは「あてはまる/ややあてはまる」と回答した人の割合



2.With/Afterコロナ下で人事担当者が注目すべき2つのポイント

調査担当者のご紹介


株式会社リクルートマネジメントソリューションズ
HRD・OD事業推進部 事業企画グループ 吉田 尚平

株式会社リクルートキャリアにて採用支援業務に従事。その後、トヨタ自動車株式会社との合弁企業である株式会社OJTソリューションズへの出向を経て、当社に入社。大手企業の人・組織課題解決に取組み、現在は事業企画グループに所属。


 コロナ禍によって環境変化が急激に加速しており、そのような変化に対応すべく、企業は人・組織の転換が求められています。その主たる担い手である人事は、変化を先読みしながら、不確実性が高い中で人事施策を立案・遂行することが求められている状況です。
 では、With/Afterコロナの人事施策についてはどのような点を検討する必要があるでしょうか。調査結果から見えてきた課題感を踏まえ、今後人事担当者が注目すべき2つのポイントをご紹介します。

1.「目指す人物像」の見直し、その浸透と育成
 今回の調査結果から、目指す人物像の見直しに着手しているという声が多く聞かれました。コロナにより事業環境が変化したことと自律性の求められるリモートワークの増加により、社員ひとり一人に求められる成果と行動が変化していることが起因していると考えられます。
 また、見直した人物像を組み込んだ教育体系の見直しも喫緊の課題になっていることが分かっています。  このような見直しの取組みがしっかりと現場に浸透するためにはどうしたらよいでしょうか。新しい人物像を従業員に理解・浸透させることができるかが、上手く進むかどうかの最初の分岐点になることが多いです。現場の受け止め・浸透・育成まで見据えた人物像の見直しを行うことをお薦めします。

2.マネジメント変革
 1.にも共通しますが、リモートでのコミュニケーションが多くなっている中、業務の進捗管理や組織のコンディション把握について課題を感じるという声が多く聞かれました。加えて、今後のマネジメント像の見直しの必要性を感じるという声も併せて上がっています。
 一方で、マネジャーに沢山の皺寄せが来ていることも事実です。自社にとってのマネジメントとは何かを定め、現場の実態を着実に捉えながら、しくみづくりと人づくりの両面からマネジメント変革に取り組んでいくことを検討していくと良いでしょう。
 人事の変化・成長の大きさの分だけ、人・組織の変化・成長を起こすことができる。このような時代に突入したのではないでしょうか。


3.調査結果と考察

● 2021年度に向けた人事施策の優先順位の変化(図表1)
 ・2021年度に向けて優先順位を上げた人事施策として、56.4%が「職場内のコミュニケーション強化」と回答
  した。また47.4%が「業務状況把握・労働時間管理」、45.7%が「人事制度の改定」と回答した。
  ⇒リモートでの仕事が半年以上続き、職場内コミュニケーションや業務状況の把握について課題感を
  感じていることがうかがえる。さらに、そのようなリモートでの働き方や職場環境に対応するため人
  事制度の改定の検討も始まっている。


図表1 2021年度に向けた人事施策の優先順位の変化

● 業務や働き方の変化が人事制度に及ぼす影響(図表2)
 ・コロナ禍での業務や働き方の変化により、81.3%が「日々の細かい指導が難しくなり、評価や面談を通じた育
  成の重要性が高まっている」と回答した。また70.2%が「行動評価の納得感を高める運用面の課題が増えてい
  る」と回答した。
  ⇒テレワークにより上司・部下の対面での接点量が減ったことが影響していると推察される。
  ※データは「あてはまる/ややあてはまる」と回答した人の割合


図表2 業務や働き方の変化が人事制度に及ぼす影響

● With/Afterコロナにおけるミドルマネジメント層の現状(図表3)
 ・72.2%が「リモートでのマネジメントの機会が増えた」と回答した。
 ・ミドルマネジメントにおける課題感としては、75.4%が「部下の業務の進捗把握に課題を感じている」、「組
  織のコンディションの課題を感じている」と回答した。また、76%が「マネジメント研修の内容について強
  化・変更を検討している」と回答した。
 ・69.5%が「今後は求めるマネジャー像の変更が必要だと考える」と回答した。
  ⇒リモートでのマネジメントに対応した新しいマネジャー像、マネジメントスタイルへの必要性が高まってい
  ると考えられ、今後の人材育成施策に組み込まれていく可能性がありそうだ。
  ※データは「あてはまる/ややあてはまる」と回答した人の割合


図表3 With/Afterコロナにおけるミドルマネジメント層の現状

● With/Afterコロナの教育体系における人物像・組織像の見直し(図表4)
 ・「目指す人物像・組織像の見直し」を行っているかという設問に対して、42.3%が「検討中」と回答した。
  「これから検討予定」と回答した17%、すでに完了した8.2%と合わせると、67.5%が見直しを実施・検討し
  ていることが明らかになった。
  ⇒マネジメント層だけでなく人材育成全般においても、リモートを始めとした様々な環境変化の中でも価値を
  存分に発揮できる人材や組織の新しい姿が模索されているようだ。


図表4  With/Afterコロナの教育体系における人物像・組織像の見直し

【人事育成施策について】
● 2021年入社新入社員を取り巻く環境(図表5)

 ・オンラインでの対応が中心となったことに関連して、50.1%が「オンラインでの選考だったため、入社後に期
  待値とのギャップが例年以上に想定される」と回答した。また、73.1%が「内定者間の交流が例年以上に希薄
  である」と回答した。
  入社前から例年よりコミュニケーション量や質が減っている様子がうかがえる。
 ・研修については、78.7%が「新入社員研修の内容について強化・改善を検討している」と回答し、67.2%が
  「オンラインでの新入社員教育実施を検討している」と回答した。
  ※データは「あてはまる/ややあてはまる」と回答した人の割合


図表5 2021年入社新入社員を取り巻く環境

● オンライン研修と対面研修の使い分け(図表6)
 ・87.5%が、「対面・集合研修よりも高い効果が得られるのであれば、オンラインで実施したい」と回答し、
  85.2%が、「対面・集合研修と同等の効果が得られるのであれば、オンラインで実施したい」と回答した。
 ・使い分けについては、73.8%が「階層・対象像を踏まえて使い分けたい」と回答、89.9%が「研修内容を踏
  まえて使い分けたい」と回答、91.5%が「手法を踏まえて使い分けたい」と回答した。
  ※データは「あてはまる/ややあてはまる」と回答した人の割合

図表6 オンライン研修と対面研修の使い分け


4. 調査概要


※調査対象は全国の弊社顧客

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