希少な吊り編み機による高品質な生地を使ったブランドをスタート

2021/09/14  yockdesign 


 本の表紙をデザインする装丁家として活動する井上祥邦は今年、幼い頃から好む「歴史」をポップなグラフィックで表現する洋服ブランド「Yoshikuni」を立ち上げ、8月よりTシャツの販売をスタートしました。

 武将という難しいモチーフを現代の洋服にマッチさせるため、「タイポグラフィ」という技法を用いました。モデルとなったのは真田幸村(信繁)。真田の生涯を記した文章を英訳し、文字の体裁を整えて配列。全体像として、甲冑をかぶった真田が浮き上がるデザインです。


 新型コロナウイルス禍で暗くなりがちな今、この商品を身にまとい、明るい気持ちになっていただきたいと考えています。 私たちがイメージするのは例えば、この困難な状況の中、最前線で働かれている医療従事者の皆様です。医療用の衣服の下に、カラフルでおしゃれなTシャツを着て、気分を上げていただきたい。武将というテーマは、新型コロナウイルスと戦う皆様を後押ししたい、という気持ちも込めています。


 もう一つのアピールポイントは、生地です。国内でわずかしか稼働していない「吊り編み機」を用いる和歌山市の老舗工場が編んだ生地は、希有な重厚感をたたえ、洗濯を重ねると独特の風合いが増していきます。

 工場の梁からつるされた吊り編み機が、ゆるやかに回転し、千本以上の針で糸を編みます。1時間にできるは長さ1メートルほど。ゆっくりと編まれた生地が筒状にたまっていきます。

 吊り編み機は1900年ごろにスイスなどから輸入されたといい、かつては多くの工場で使用されました。しかし、現在は大量生産に向いた高速編み機が主流になっており、今も吊り編み機を使うのは、私たちの生地を編み立てている工場を含め、ごく一部に限られています。


 高速編み機は糸を強制的に引っ張るのに対し、吊り編み機は糸がリラックスした状態で編んでいきます。ゆっくりと編まれた生地は肉厚で柔らかなふくらみを持ち、着込むほどにビンテージとしての魅力を持ちます。

 吊り編み機の稼働を支えているのは熟練の職人たちです。1日に何度も、無数に配置された針など機械の細部に油を差し、ほこりが混入しないように細心の注意を払いながらメンテナンスしています。


 アパレル業界では全くの新参者ですが、和歌山のニット組合に製作工場を紹介していただけないか尋ねたところ、今回の老舗工場を紹介いただき、同社が快く引き受けてくれました。手間暇を惜しまずつくられた生地に、斬新なグラフィックを合わせた服を、手に取っていただけたら幸いです。


(左)Yoshikuni Tシャツ タイプ Bブルー長袖(白)20,000円
(右)Yoshikuni Tシャツ タイプ Bカラフル長袖(黒)20,000円は、
オンラインショップ(https://yoshikuni.tokyo/)にて販売中です。
インスタグラム(@yoshikuni_tokyo)でもブランドストーリーを公開しています。


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