ベッコフオートメーション、ウィーン国立歌劇場の音響制御システム全面改修に参画

2022/08/24  ベッコフオートメーション 株式会社 

TwinCAT TCP/IPによる制限のないオーディオビジュアルネットワーク通信を導入

ベッコフオートメーション(ドイツ・フェアル)は、オーストリアのウィーン国立歌劇場が実施した音響制御システム全面改修において、Salzgerber GmbH社(ウィーン)と連携し、最新の音響通信ネットワークのソリューションを開発した旨公表いたしました。導入事例としてご紹介いたします。


現在でも、観客席1階・中央のボックス席は、皇帝と貴族専用の席としてKaiserloge (皇帝の座)と呼ばれている。ボックス席上部の窓の奥には、音響制 御室が設置されている (出所:ベッコフオートメーション)
オーストリアのウィーン国立歌劇場は、世界有数の歌劇場として知られています。60種類を超えるオペラやバレエの演目が、毎シーズン、約300回も上演されています。

しかし、1950年代以降、ウィーン国立歌劇場の音響技術は、幾度も増設と交換を繰り返してきました。次から次へとシステムの層が重ねられていきました。ウィーン国立歌劇場で20年以上使われ続けてきた音響システムは、もはや現代のシステムが求める音響水準に追いつくことはできませんでした。


顧客の高い要求に対応する最先端の音響制御ソリューションを開発
ベッコフ・オーストリア支社は、新鋭の音響・映像システムの導入を専門とするウィーンSalzgeber社と緊密に連携し、高度にモジュール化されたシステムを目指し、音響制御室を根本から再設計しました。今後25年間、これ以上の抜本的なシステム変更が必要のない状態を目指し、実現したものです。

中央制御室にて。サウンドエンジニア責任者のアサナシオス・ロバキス氏。彼は7人の同僚とともに、サウンドエンジニアリング、舞台への映像投影、ウィーン国立歌劇場のライブ・ストリーミングに関わるすべてのタスクを担う。(出所:ベッコフオートメーション)

Salzgherber社が選択した音響システムとさまざまな機能を組み合わせるソリューションとして、ベッコフの TwinCAT3.1 ソフトウェアに対する通信ファンクションブロックを開発しました。TCP/IPサーバーを採用し、機器や機能を無制限に制御できるようにしました。これは、ベッコフによる独自性の高い技術です。

さらに、ベッコフの電力計測ターミナルとTwinCAT HMIサーバを実装し、全てのオーディオ機器の消費電力や負荷状態をモニターから瞬時に把握できるようにしました。この他、電力モニタリングデータの記録および診断機能や、システムを遠隔操作するための機能など、顧客の高い要求に対する多様なソリューションを提供しています。

Salzgeber社のアサナシオス・ロバキス氏は、「ベッコフの制御システムを選択した大きな理由の1つとして、そのオープン性と、製品の長期安定供給がある。また、バスターミナルはあらゆる機能をカバーし、これまで思いつかなかった機能を実装することで、システムの付加価値を高めることができた」、と述べています。

ベッコフオートメーション日本法人のエンターテイメント業界担当営業である熊川は、「日本のエンターテイメント業界は、世界でも注目される技術力の高い業界の1つです。今回の事例と同様に、国内のお客様にもベッコフ製品をご評価、ご使用頂いております。常設での使用のほか、仮設での使用事例も多いです。お客様の変化するご要望に応えられる柔軟性と拡張性、1台の産業用PCで制御できる利便性などの理由から、ベッコフをご選択頂いております。」、と述べています。


詳細につきましては、以下をご参照ください。
https://v2.nex-pro.com/library/Mzk3NTA=


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