誰一人取り残さない!? 地球上のプラスチックが一つもゴミにならない世界へ

2023/04/01  株式会社 エルコム 

もう捨てるなんてもったいない!プラスチックの海への流出をSTOPするシステムで海洋プラゼロへの挑戦

株式会社エルコム(本社:北海道札幌市、代表取締役社長:相馬嵩央)は、環境ソリューション機器メーカーです。当社は、4月1日を夢を発信する日にしようとするApril Dreamに賛同しています。このプレスリリースは「株式会社エルコム」の夢です。




私たちエルコムのApril Dreamは、~ No one behind No plastic behind~。SDGsの誰一人取り残さないという理念のもと、使用済プラスチックが発生する現場、地域での分散型資源循環システムの構築により、プラスチックが一つもゴミにならないの世界が実現することです。
全ての人が安全に身近にアクセスできる最小ループの資源循環技術と仕組みづくりに力を注ぎ、プラスチックが一つもゴミにならない世界を目指しています。




私たちの夢の背景

プラスチックごみの問題は他人事ではありません。日本近海のマイクロプラスチック濃度は世界平均の27倍※2とも言われています。問題となっている海洋プラスチックは、私たちが日々使っているもので、海中で魚などの体内に蓄積し、私たちの体内に入り、地球上のすべての人々の健康を脅かしています。一方でリサイクルという名目で、先進国のプラスチックごみが、マレーシアなどの東南アジア途上国に押し寄せ、現地住民たちへの健康被害が大きな問題※3になっています。



現在さまざまな脱プラスチックの動きはありますが、プラスチックは私たちの生活には欠かせないもので、全てのプラスチックの使用を完全にやめることは難しいのが現状です。代替素材のバイオマスプラスチックや生分解性プラスチックは、国内流通量の0.4%※2にしかすぎず、例えその技術が確立しても、自然界への流出を抑制するものではありません。プラスチック自体やそれを使用した人が悪いのではなく、使い終わったあとごみとなってしまうことに原因があります。

当社では、2007年から関係省庁と連携しながら、日本沿岸に流れつく漂着プラスチックの有効利用に向けて技術開発を行いプラスチックごみを燃料チップやペレットに変えて小型樹脂ボイラで温水や蒸気利用ができる「e-PEPシステム」を開発しました。このシステムは、プラスチックごみの処理や運搬にかかる環境負荷を最小限に抑え、リサイクルのためにエネルギーを消費するのではなく、新たなエネルギーを生み出すことができます。


最小ループの資源循環システム開発の秘話

私たちエルコムは、次世代の子供たちのために地球と人が共存する~Earth & Life Commununication~を理念に1991年創業しました。2000年以降から日本での環境への意識の高まりと同時に、廃棄物の運搬にかかる環境負荷を抑える様々な減容機の開発を行ってきました。その頃、海洋プラスチックはあまり知られていない問題でしたが、日本の沿岸では漁業用の使用済み発泡フロートが流れ着き、目を疑うような光景が広がっていました。



減容して埋立てするだけでは限界があり、ごみとなったプラスチックに温存する高いエネルギーを有効に安全に利用することができないかと開発を始めたのが「e-PEPシステム」です。使用済プラスチックや漂着プラスチックを地産地消の新エネルギーに変えることにより、処理・運搬・埋立て・焼却など今までかかっていた莫大な処理コストや環境負荷を最小に抑え、地域のResource circulation~資源循環を加速化させ、地域産業に付加価値を与えることができると考えたのです。
その開発は決して容易なものではなく、特に海水にさらされた発泡スチロールのクリーン燃焼は、小型な燃焼炉では不可能と言われましたが、約10年の開発を経て独自のクリーン燃焼システムを確立。発泡スチロールのみではなく、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンなどの複合材や混合プラスチックを含む使用済プラスチックの分散型エネルギー利用が可能になりました。


SDGsと「e-PEPシステム」

「e-PEPシステム」は、2015年9月の国連サミットで持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)が決議された翌年に完成。2016年5月の環境展でリリースを行いました。日本では、既に大型処理施設で廃プラスチックからサーマルリカバリが行われていますが、そのエネルギー変換効率は約20%ほど。
当システムの小型樹脂ボイラは、プラスチックごみ100%から成型された燃料チップやペレットを安全にクリーン燃焼させて、70%の高い効率でエネルギー変換ができます。



発生させたエネルギーは、温水または蒸気として既設のボイラに干渉なくバックアップ接続が可能なため、プラスチックごみを燃料化した分、既設ボイラの化石燃料の使用を削減して省エネを実現します。

ボイラ形態として近いものとしては、木質のチップやペレットを燃料とするバイオマスボイラがあります。バイオマスの場合は、森林を伐採して燃料をつくりますが、同等の植樹を行うことでカーボンオフセットを行っています。一方で小型樹脂ボイラの場合は、地域や企業内でこれまで廃棄していたプラスチックを燃料として、既に使われているボイラ設備の補助熱源にします。そのため、トータル的に樹脂ボイラの燃焼によりCO2が増えることはなく、従来の燃料を削減した分のCO2とこれまでに廃棄運搬、焼却処分にかかっていたCO2を大幅に削減します。

システムを1年間フル稼働させた場合、そのの経済的・環境的効果は、年間100トンの廃プラスチック発生を抑制し処分コストを削減、年間9万リットル相当の代替燃料となり化石燃料の使用を削減します。最小ループのエネルギー利用により、LCA(ライフサイクルアセスメント)の観点から、年間最大290tCO2の温室効果ガスの発生を抑制します。これは、杉の木約2万本が吸収する1年間のCO2量に匹敵します。





「クリーンオーシャンプロジェクト2050」

現在「e-PEPシステム」は、漂着プラスチックの処理に悩む自治体や使用済プラスチックの有効利用に取り組む漁業組合、流通小売業などで稼働が開始されています。それと同時に、当社では2050年までにプラスチックの100%の有効利用を目指す「クリーンオーシャンプロジェクト2050」を発起して、現在16のアライアンス企業や団体とともに海洋プラスチックの発生抑制と持続可能な分散型資源循環システムの仕組みづくりに取り組んでいます。




海洋プラスチックの問題解決には次の3つのアプローチが必要不可欠です。一つ目は「流出させない」、二つ目は「漂着プラスチックを再流出させない」、そして三つ目が「海中のプラスチックを回収する」です。これらすべてにアプローチし問題を解決するためには、そのアクションに対して経済的付加価値の創出が不可欠であり、さまざまな企業、団体、関係機関との連携が必要です。

当プロジェクトはこれまでに、第5回ジャパンSDGsアワード特別賞や環境省のプラスチック・スマート優良事例アワードなどを受賞し大変栄誉ある評価をいただいております。しかしまだまだ序章にすぎません。私たちが目指すのは、「誰一人取り残さない、プラスチックが一つもごみにならない」世界です。そのために技術をイノベーションへと発展させ、自治体とその地域の基幹産業、参画する民間企業の技術を集結して取り組みの輪をさらに広げ、プラスチックがごみにならない世界を目指していきます。

クリーンオーシャンプロジェクト2050
ウェブサイト:https://www.clean-ocean2050.com/
動画:https://vimeo.com/782380745

「April Dream」は、4月1日に企業がやがて叶えたい夢を発信する、PR TIMESによるプロジェクトです。
私たちはこの夢の実現を本気で目指しています。
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※1、出典:WWFジャパン 海洋プラスチック問題について(2018) https://www.wwf.or.jp/activities/basicinfo/3776.html
※2 出典:環境省 バイオプラスチック導入ロードマップ(2021)https://www.env.go.jp/content/900534511.pdf
※3 参考:NHK あなたの知らないプラスチックの行方 https://www.nhk.or.jp/gendai/comment/0019/topic019.html
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♦エルコムについて
『Improving the future~次世代の未来をつくる』を社是に地球環境や社会のニーズに寄り添い、独自の発想と技術力で新たなソリューション開発を行う創造開発型企業。

【会社概要】会社名:株式会社エルコム
所在地:札幌市北区北十条西1丁目10番地1
代表取締役社長:相馬 嵩央
設立:1991年4月5日
URL:http://www.elcom-jp.com/
事業内容:環境機器/産業機械開発・製造・販売

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