6月20日の「世界難民の日」を前に、国際協力NGOが危機の長期化で困窮するウクライナ避難民を支援するクラウドファンディングをスタート

2023/06/19  公益財団法人 ケア・インターナショナルジャパン 

途上国の「女性や女子」にフォーカスした国際協力活動を行うケア・インターナショナル ジャパンは、「世界難民の日」に先立ち、クラウドファンディングを通じてウクライナ人道支援をよびかけ

 紛争や迫害によって住む場所を追われた難民や国内避難民は2022年に初めて1億人を超え、10年前の4,270万人から2倍以上に増加し、その数は増加の一途を辿っている。  ロシアによるウクライナへの軍事侵略やスーダンにおける戦闘などにより、住む場所を追われる人々が増え続け、世界の難民問題は深刻化しているなか、6月20日に「世界難民の日」を迎える。  その日に先立ち、公益財団法人ケア・インターナショナル ジャパン(理事長:目賀田周一郎 事務局:東京都豊島区)は、そのなかでも、危機の長期化によって困窮するウクライナの女性や子どもたちへの支援を続けたいとして、クラウドファンディングを通じた寄付のよびかけを開始した。



ロシアがウクライナへの軍事侵攻を開始してから1年と4か月が経過。未だ終結の兆しが見えないなか、6月6日にウクライナ南部カホフカダムの決壊により大量の水が流出し、下流地域が浸水。多くの人々が緊急避難を強いられ、飲料水や食糧の確保が喫緊の課題となっている。危機が長期化するなか、避難生活を強いられている人々は心身ともに疲弊しており、また、国外に逃れた人々は避難先の国からの公的な難民支援が打ち切られるなど、さらに生活が困窮しかねない状況におかれるケースも出てきている。

明日、6月20日は「世界難民の日」。2022年5月に世界の難民の数は1億人を突破*し、その数は増加の一途を辿っている。そのなかでも、ウクライナ危機では、長期化によって避難民のニーズは常に変化し、拡大している。ケア・インターナショナル ジャパンは、このような危機的状況の中で困窮する女性や子どもたちを支え続けることができるよう、クラウドファンディングを通じて寄付をよびかけている。
*出典)UNHCRホームページ "Refugee Data Finder"

ケア・インターナショナル ジャパンは、世界100か国以上で活動する国際協力NGO「CARE」の一員として、世界中にはりめぐらされたグローバルネットワークと、豊富な実績を活かした緊急人道支援を行っている。CAREは、2025年3月までウクライナおよび周辺国において支援活動を継続することを決定している。特に、人身売買や性的搾取などのリスクにさらされている女性や子どもたちに対して、ジェンダーの専門的視点を取り入れた適切な保護や支援に注力していくとして、寄せられた寄付はそのような活動に役立てられる。

【クラウドファンディング概要】
■タイトル: 「ウクライナ支援|危機の長期化で困窮する女性や子どもたちに支援を」
■期間:   2023年6月19日(月)~ 同年8月21日(月)※予定
■目標金額: 100万円
■URL:   https://readyfor.jp/projects/care_ukraine_refugee

今、求められている「5つの支援」

1. カホフカダム決壊による被災者への「救命支援」

 2023年6月6日、ウクライナの南部ケルソン州にあるカホフカダムが決壊し、周辺で大規模な洪水が発生。地方行政当局の情報によると、翌7日までに1,852戸が浸水し、1,700人が避難していると報告(CARE Internationalホームページ Newsより)。
 これをうけ、CAREは緊急対応チームを派遣。現地のパートナー団体とともに、20トンの水、ボート、ウォーターポンプを配布するなど救命支援を行っている。

2.女性や女子を様々な危険やリスクから守る「保護・救済」

                ▲ルーマニア国境付近での登録作業の様子

周辺国の国境付近において、トランジットの有無にかかわらず登録作業を行っている。ジェンダーに基づく暴力や虐待、ネグレクト、人身売買の可能性がある状況を早期に特定し、女性や子どもの権利を守り、保護するために必要なすべての措置を実施。

3.避難先での生活を支える「支援物資」

        ▲CAREのパートナー団体から支援物資を受け取る母子 (C)Myriam Renaud

 ウクライナ避難民を受け入れる周辺国では、事態の長期化によって避難民への公的支援を打ち切るケースも出てきており、慣れない土地で生計を立てていくのは容易ではない。
 避難民の日々の暮らしを支えていくため、CAREはパートナー団体と連携しながら、食糧や衛生キットなどの支援物資の提供を継続予定。

4. 子どもたちの学ぶ権利を守る「教育支援」

 国境を越えて避難した子どもたちが避難先でも教育を受けることは、新しい生活に順応してくためにも、将来のためにも非常に重要。
 CAREは身一つで避難した子どもたちのために学習キットを配布したり、避難した国の言語や文化を学ぶことができる教育支援プログラムを提供したりするなど、幅広い教育支援を行っている。また、教師や通訳としてウクライナ避難民を雇用することで、同時に保護者の就労支援も進めている。

▼動画:【ウクライナ支援】避難民の雇用と、子どもたちへの教育を両立する支援プログラム


5. トラウマを軽減するための多様な「心のケア」

 戦争のような極限状態を経験した人々の多くは、心に深い傷を負っている。CAREは、現地のパートナー団体を通じて心理社会福祉士を雇用し、トラウマカウンセリングなどのサポートを提供しているものの、心のケアや社会的サポートに対するニーズが急増しており、予約を1か月ほど待たなければならない。
 状況を理解できないまま避難を余儀なくされた子どもたちの負担は大人以上。CAREは、カウンセリングに抵抗のある子どもたちもサポートできるよう、ワークショップを通した救済活動のほか、匿名でのホットラインを開設したり、自分の感情を適切に処理するためのガイドブックを配布したりするなど、様々なアプローチでの支援活動を行っている。

▼動画:【ウクライナ支援】トラウマを抱える子どもたちを癒す、スポーツやアートを通した回復プログラム



【参考情報】
国際協力NGO「CARE」についてhttps://www.careintjp.org/about/index.html
CAREは、貧困削減を目指し、世界100か国以上で活動する世界最大級の国際協力NGO。途上国や紛争地域において、年間およそ1,500事業を通じ、約1億人に対して支援を行っている。近年では、シリア難民やロヒンギャ難民への人道支援、またアフガニスタンでの緊急支援、さらにトルコ・シリア地震での被災者支援など、大規模な人道支援に注力している。

公益財団法人ケア・インターナショナル ジャパンについてhttps://www.careintjp.org/about/carejp.html
世界100か国以上で活動する国際協力NGO「CARE」の一員。第二次大戦後、1,000万人の日本人が、米国の市民や団体から届いた緊急支援物資「CAREパッケージ(ケア物資)」を受け取る。当時の支援を受けた人々が「次は世界に恩返しを」と、1987年5月、現在のケア・インターナショナル ジャパンを設立。災害時の緊急・復興支援や「女性や女子」の自立支援を通して貧困のない社会を目指している。

                                                以上

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