KIBOW社会投資ファンド、事業承継プラットフォーム「relay(リレイ)」を運営するライトライトに出資  想いをつなぐ事業承継で地域社会の持続的な発展を実現へ

2023/09/22  一般財団法人 KIBOW 


一般財団法人KIBOW(東京都千代田区、代表理事:堀義人、以下KIBOW)が運営する「KIBOW社会投資ファンド3号」は、オープンネームの事業承継プラットフォーム「relay」を運営する株式会社ライトライト(宮崎県宮崎市、代表取締役:齋藤隆太氏、以下ライトライト)に4,000万円を出資しました。事業や人の想いをストーリーにして発信するオープンネーム*という仕組みを通して事業承継を実現し、地域社会に希望を生み出すライトライトを支援します。
* 事業者名を公開して、経営者の想いやストーリーとともに発信できる、 新しいマッチングの仕組み

■背景

「後継者不在」という問題―大廃業時代、地域のライフラインをどう維持するか
経営者の高齢化が進む中小企業では、後継者不在により毎年50,000件が廃業するなど“大廃業時代”に突入しています。2025年には事業者の半数にあたる127万人が後継者不在になるといわれており、経常黒字にあるにも関わらず休廃業を余儀なくされる事業者も増え続けています。特に地域の商店など、人々の居場所やライフライン機能を果たしてきた小規模事業の廃業は、地方からの人口流出や地域経済の衰退、生活者の孤独や孤立につながる問題として危惧されています。

中小企業の後継者不在という問題に対して、2011年以来政府主導で全国47都道府県に公的相談窓口(事業承継・引継ぎ支援センター)が設けられ、後継者人材バンクなど第三者承継に向けた取り組みが各地で実施されています。一方で「家族経営の小規模事業者等が第三者による事業承継を選択する心理的ハードルは非常に高い」「既存のM&Aプラットフォームにおいて通例となっている匿名性での承継者募集では、利益のみで判断され事業の魅力が十分に伝わらない」といった難しさがあります。

■ライトライトが生み出す新たな仕組みと価値
事業や人にまつわる想い・ストーリーを発信する、オープンネームという新文化

ライトライトは、従来、社名や企業情報が伏せられてきた事業承継のマッチングをオープンネームで行う事業承継プラットフォーム「relay」を運営する企業です。後継者がおらず事業承継を望む事業者について、事業の魅力や、関わる人の想い・ストーリーを発信することで、適切な承継希望者とのマッチングを実現します。事業者への丁寧なインタビューから、創業から現在に至るまでの軌跡をわかりやすい文章と写真によって記事化し、事業者の魅力や地域の人々からの信頼や愛着といった非財務的価値を訴求できる仕組みを構築しています。休廃業する事業者が多くいる一方で、地方への移住や新しいワークライフスタイルを模索する若者は近年増加しており、事業承継という選択肢を現実的に考えるきっかけを提供しています。

人生をかけた仕事の幕引きに、次世代に希望を託すことが出来るという価値
これまでに「relay」を通して40件超の承継が実現し、承継元事業者の想いや顧客との繋がりが後継者に引き継がれ、新たな歴史を紡ぎ始めています。事業の引き渡し時には、「承継セレモニー」を開催しています。「承継セレモニー」では、承継元経営者の長年の経営の功労を称えるとともに、新たな承継者のお披露目を行います。多くの承継元経営者にとって、人生をかけた仕事を手放す際に、次世代に希望を託すという形で幕引きができることは、新たな人生を前向きに歩むうえで重要な意味合いを持つと考えられます。

涙と笑顔にあふれる「承継セレモニー」

宮崎県における事例
ライトライトが携わった事業承継は、後継者を求める事業者のみならず、地域社会にも変化を生み出しています。宮崎県西諸県郡高原町では、「relay」で実現した1件の事業承継をきっかけに約1年半で3件の事業承継を含む8件の事業が立ち上がりました。承継による移住者の増加もあり、地域そのものが大きく変わりつつあります。高原町役場には「たかはるPR課」が創設され、地域住民も移住者を歓迎し、商店街に新たに立ち上がった店舗の応援者となっています。事業承継者が地域の新しい担い手となり、かつて街を支えてきた人々や自治体と共に地域を盛り上げることで、地域が活性化しています。

■事業承継マッチングから生まれる社会的インパクト
価値ある事業が意欲ある承継者と出会い、承継者により事業改善が成されることによって、地域経済の維持・発展が実現するとともに、人々の生活の質が向上すると考えられます。最終的に、地域の持続性や生活の魅力度の向上といった、大きな社会的インパクトが日本のあらゆる地域で創出されることを目指していきます。
ライトライトが生み出す社会的インパクト
7月に実施した承継後の事業者へのアンケート結果では、承継後に売上が成長したと答えた企業が30%(6件)、まだ分からない60%(12件)、閉店した10%(2件)となりました。事業承継後、事業改善の成果が生まれた事業者が出始めており、初期的なインパクトが確認されています。

地方創生の一手を担い、地方自治体と共に地域社会の未来をつくる
地方創生は、持続可能な社会を目指す取り組みのひとつとして各地で進められています。KIBOWは、ライトライトが地方創生という複雑な課題に対し、「地域に、光をあてる。」というミッションを掲げ、常に地域の目線を提案する姿勢に、強く共感します。そして、日本全国に根付く歴史や文化、人と人とのつながりを紡ぎながら、受け入れやすい変化を緩やかに導くことにより、地域社会の新しい未来を創ることが出来ると信じています。
また、事業承継は、多くの地方自治体において、持続的な地域経済の発展を実現するための戦略の一丁目一番地となっています。今後、ライトライトが全国の地方自治体と連携することでサービスを拡大し、望まない廃業を無くし、地域で暮らす人々の生活が維持・改善されていくことを期待しています。


株式会社ライトライトについて


設立日: 2020年1月6日
事業内容: 事業承継マッチングプラットフォーム「relay」の運営
代表者: 代表取締役 齋藤隆太
所在地: 宮崎県宮崎市橘通東3丁目3-15 若草金城堂ビル2F
URL: https://light-right.jp/

◆代表取締役 齋藤隆太氏

2007年、大学卒業後USEN入社。2008年株式会社サーチフィールド創業時に取締役として参画。イラストのクラウドソーシング事業の立ち上げに従事。2012年「地域×クラウドファンディング FAAVO(ファーボ)」立ち上げ。責任者として全国100以上の地域で自治体、金融機関、大学、企業やNPOと協業しながら、クラウドファンディングネットワークを構築。2016年宮崎県にUターン、サテライトオフィス立ち上げののち、2018年株式会社CAMPFIREに事業譲渡し移籍。2019年同社執行役員を経て退職、2020年株式会社ライトライト設立、代表取締役に就任。同年、事業承継マッチングプラットフォーム「relay(リレイ)」立ち上げ。法政大学人間環境学部卒業。

◆社外取締役 東樹敏明

株式会社グロービス マネージャー 大学卒業後、国際電信電話株式会社(現KDDI株式会社)に入社。法人企 業・個人向け営業に従事した後、海外現地法人に出向し新規事業の立上げ に参画。本社帰国後は、海外現地法人の業績管理及び事業戦略立案を担当 。その後、ベンチャー企業を経て、株式会社グロービス入社。入社後は、 eラーニングのプロダクト担当を経た後、人材育成・組織開発プロジェク トの企画・設計・コンサルティング業務に従事。加えて、アカウンティン グ領域におけるコンテンツ開発/講師育成を担う。 慶応義塾大学経済学 部卒業。法政大学大学院政策創造研究科修了。NPO法人WELgee 監事、株式会社ミンナノミカタHD社外取締役。


KIBOWについて (http://kibowproject.jp


東日本大震災の3日後に始動した救援・復興支援プロジェクト「Project KIBOW」は、「希望」と「Rainbow」から命名しました。長期的に被災地を支援していきたいという思いから、2012年2月に一般財団法人化し、以下の3つを軸に活動を展開しています。

1)「場」の提供(イベント)
被災地各地で、地域の復興を願う人たちが集まる「場」を作っています。地域の内外のリーダーたちが集まり、交流を生むイベントを定期的に開催しています。

2)寄付
これまで、約1400名以上の方々にご協力いただき集めた資金、約1億円を、被災地で活動しているNPOや各地のリーダー達に提供しています。

3)社会的インパクト投資(KIBOW社会投資)
被災地に限定せず、「社会を変える」志を持った社会起業家たちに投資し、事業の規模化を支援します。

■本リリースに関するお問い合わせ先
グロービス 広報室 土橋 涼
E-mail: pr-info@globis.com



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