最新!ジョギング・ランニング推計実施人口は877万人

2023/10/10  公益財団法人 笹川スポーツ財団 

前回調査は1,055万人。コロナ禍前の水準に戻る

スポーツ・フォー・エブリワンを推進する笹川スポーツ財団(所在地:東京都港区赤坂 理事長:渡邉一利 以下:SSF)では、1992年から隔年で「スポーツライフに関する調査(スポーツライフ・データ)」を実施しています。全国の18歳以上を調査対象に、頻度・時間・運動強度からみた SSF独自の指標である「運動・スポーツ実施レベル」をはじめ、スポーツ観戦率やスポーツボランティア実施率、好きなスポーツ選手の推移など、国内のスポーツライフの現状を明らかにしてきました。 2022年の調査では、20歳以上のジョギング・ランニング実施率(年1回以上)は2018年・9.3%から2020年・10.2%にかけて増加したものの、2022年は8.5%へ減少しました。推計実施人口は2020年の1,055万人から877万人という結果となりました。 ▼公式サイト https://www.ssf.or.jp/thinktank/sports_life/data/jogging_running.html



調査結果のポイント


■ 年1回以上のジョギング・ランニングの実施率は、2018年(9.3%)から2020年(10.2%)にかけて増加したものの、2022年は8.5%と前回から1.7ポイント減少。

■ 推計人口は過去最高を記録した1,055万人(2020年)から877万人(2022年)へ。

■ 性別・年代別では、女性は20歳代の実施率の減少幅が他の年代よりも大きく、30歳代の実施率が4.2%と過去最低を記録。

■ 年1回以上の実施率は減少したが、週1回以上の実施率は横ばいで推移

担当者コメント


2022年のジョギング・ランニング実施率はコロナ禍前の水準に
ジョギング・ランニングの年1回以上の実施率は、外出制限などを余儀なくされたコロナ禍初期である2020年に全体および男性で過去最高を記録したが、さまざまな規制が緩和されはじめた2022年は減少しコロナ禍前の水準に戻った。コロナ禍でさまざまな活動が制限される中でジョギング・ランニングを始めたものの、継続に至らなかった人が一定数おり、その傾向は男性に強かったと考えられる。筋力トレーニングや体操など他のエクササイズ系の種目も同様の傾向を示していることを鑑みると、2020年の増加は一時的なものだったと推察される。

一方、女性の実施率はコロナ禍における一時的な増加もみられず、2018年以降減少傾向である。女性のなかでも40歳代以上は横ばいまたは増加しているのに対して、30歳代以下では2018年から5ポイント以上減少している。若い女性のジョギング・ランニング離れが起きているのか、また元の水準に戻るのか、コロナ後の推移も注視する必要がある。

【笹川スポーツ財団 スポーツ政策研究所 政策オフィサー 鈴木 貴大】

<主な調査結果>
2022年のジョギング・ランニング実施率(年1回以上)8.5%、推計実施人口877万人


2022年の年1回以上のジョギング・ランニング実施率は8.5%であり、2020年の10.2%から1.7ポイント減少した。性別にみると男性の実施率は12.3%、女性は4.6%でありいずれも2020年から減少している。実施率の推移を過去20年間で振り返ってみると、2002年(4.8%)から2012年(9.7%)にかけては右肩上がりで増加し、その後は多少の変動はあるものの総じて横ばいである。

2022年の実施推計人口は、過去最高を記録した2020年の1,055万人から178万人減少し877万人であった。性別にみると男性は612万人、女性は245万人であり年1回以上ジョギング・ランニングを実施する人は男性に多い。この傾向は調査を開始した1998年から同様であり、2002年から2012年にかけて広がった実施率の男女差は開いたままである。

【図表1】ジョギング・ランニング実施率(年1回以上)と推計実施人口(万人)の年次推移(全体・性別、20歳以上)

注1)推計人口は住民基本台帳の成人人口(人)に実施率(%)を乗じて算出
注2)推計値を算出する際に端数が発生するため、全体の人口と男性・女性を合計した人口は必ずしも一致しない
※笹川スポーツ財団「スポーツライフに関する調査報告書」(1998~2022)より作成

【性別・年代別】 ジョギング・ランニング実施率(年1回以上)


■男性:40歳代の17.7%が最も高い
■女性:30歳代の実施率が4.2%と過去最低を記録

年1回以上のジョギング・ランニング実施率を性・年代別にみると、2022年の男性では40歳代の17.7%が最も高く、30歳代15.2%、20歳代14.0%と続く(図表2)。50歳代以下の実施率は調査年度によって大きな変動はあるものの、2020年までは総じて増加の傾向を示し2020年から2022年にかけて減少した。一方、60歳代と70歳以上の2022年の実施率は2020年より増えている。

女性の2022年実施率は20歳代の10.5%が最も高く、40歳代7.1%、50歳代4.6%と続く(図表3)。女性は20歳代の実施率が他の年代に比べ高い傾向が続いているが、2020年の15.8%から5.3ポイント減少し、他の年代よりも減少幅が大きかった。また、30歳代の実施率が4.2%と過去最低を記録した。

【図表2】ジョギング・ランニング実施率(年1回以上)男性:年代別(20歳以上)

※笹川スポーツ財団「スポーツライフに関する調査報告書」(1998~2022)より作成

【図表3】ジョギング・ランニング実施率(年1回以上)女性:年代別(20歳以上)

※笹川スポーツ財団「スポーツライフに関する調査報告書」(1998~2022)より作成

週1回以上の実施率は2012年以降は多少の増減はあるものの、横ばいで推移


全体の週1回以上の実施率をみると、2022年は5.4%と2020年から0.2ポイント減少した(図表4)。2012年以降は多少の増減はあるものの、横ばいで推移している。男性は8.0%と前回から0.7ポイント減、女性は前回の2.6%から2.7%へと横ばいで推移している。

全体の実施率の過去20年間を振り返ると、年1回以上と同様に2002年から2012年にかけては右肩上がりの増加傾向、その後2022年までは横ばいで推移している。年1回以上では2020年から2022年にかけて実施率は減少したが、週1回以上の実施率にほとんど変化はみられなかった。

【図表4】週1回以上の「ジョギング・ランニング」実施率の推移(1998~2022年):全体・性別(20歳以上)

注)推計人口は住民基本台帳の成人人口(人)に実施率(%)を乗じて算出
※笹川スポーツ財団「スポーツライフに関する調査報告書」(1998~2022)より作成

「スポーツライフ・データ2022」調査概要


■調査内容
運動・スポーツ実施状況、運動・スポーツ施設、スポーツクラブ・同好会・チーム、スポーツ観戦、スポーツボランティア、日常生活における身体活動、生活習慣・健康 他

■調査対象
全国の市区町村に居住する満18歳以上の男女3,000人(男性: 1,503人、女性1,497人)

■調査方法
訪問留置法による質問紙調査

■地点数
300地点(大都市90地点、人口10万人以上の市122地点、人口10万人未満の市64地点、町村24地点)

■調査時期
2022年6月10日~7月10日

※スポーツライフに関する調査報告書「スポーツライフ・データ2022」に関するプレスリリースは2022年4月にご案内済
コロナ禍を経験した「スポーツライフ」の現状と今後。
https://www.ssf.or.jp/thinktank/sports_life/datalist/2022/

笹川スポーツ財団「行動するスポーツシンクタンク」


公益財団法人 笹川スポーツ財団は、「スポーツ・フォー・エブリワン」を推進するスポーツ分野専門のシンクタンクです。国、自治体のスポーツ政策に対する提言策定や、スポーツ振興に関する研究調査、データの収集・分析・発信、自治体との共同実践研究などを通し、スポーツで社会課題を解決します。

理事長 : 渡邉 一利
所在地 : 〒107-0052 東京都港区赤坂1-2-2 日本財団ビル3階
設立 : 1991年3月
目的 : スポーツ・フォー・エブリワンの推進
事業内容
・生涯スポーツ振興のための研究調査
・生涯スポーツ振興機関との連携事業
・生涯スポーツ振興のための広報活動
URLhttps://www.ssf.or.jp/

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