アークノハラと日本ライナー、遠隔操作で道路工事規制への注意喚起を車両運転者に促す表示システムを共同開発中

2023/11/08  野原グループ 株式会社 

~増加傾向にある高速道路の工事規制帯への衝突事故。中央分離帯に固定設置し、工事中の作業員の命を守り、渋滞や平常時の交通安全維持にも活用できるシステムで、道路管理業務の負担軽減も~

建設DXに取り組む野原グループの株式会社アークノハラ(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:岡本力)と積水樹脂グループの日本ライナー株式会社(本社:東京都江東区、代表取締役社長:石田 薫)は、近年増加傾向にある高速道路の工事規制帯への車両衝突事故と作業員の安全確保への対策として、遠隔操作で道路工事規制への注意喚起を車両運転者に促す表示システム(以下、遠隔操作型中分固定表示機システム)を共同開発中であることをお知らせいたします。 遠隔操作型中分固定表示機システムは、中央分離帯に固定設置し渋滞や平常時の交通安全維持にも活用でき、道路管理業務の負担軽減が期待できます。(参考:中分とは中央分離帯の略) 併せて、アークノハラと日本ライナーは、11月9、10日に東京ビッグサイト 西3・4ホール、屋上展示場(東京都江東区有明3丁目11-1)で開催予定の「ハイウェイテクノフェア2023」(主催:公益財団法人 高速道路調査会)に、遠隔操作型中分固定表示機システム(模型)を出展し(アークノハラのブース:小間番号D-11/日本ライナー:D-34)、高速道路での実装を目指します。


■遠隔操作型中分固定表示機システム(開発中)の作動イメージ
「遠隔操作型中分固定表示機システム」開発の主な背景


高速道路をはじめとする高規格幹線道路 では、経過年数に伴う老朽化等を背景に、安全な走行を確保するためにリニューアル工事(道路全体を抜本的に補修する工事)などの様々工事が実施されています。
道路工事の際には、道路利用者に対し道路工事情報をわかりやすく提供するなど、円滑な道路交通を確保するために道路管理者は道路標示の設置など様々な対応が求められます 。

従来、走行中の車両運転手への注意喚起には路上に工事標識を設置しますが、走行車両の運転手にとっては視認性が不足し工事規制帯への車両衝突事故が発生する例も少なくありませんでした 。また、工事標識の設置作業は路上で実施されることが大半で、車両が高速で走行する高速道路においては、路上で規制作業を行う作業員の安全確保(工事規制時の標識設置作業における作業員と車両との接触事故の防止)が長年の課題となっていました。

昨今は、上記に加え、道路管理の人手不足対策(省人化を含む)、業務効率の向上も模索されています。



遠隔操作型中分固定表示機システムの主な特長


アークノハラと日本ライナーが共同開発中の「遠隔操作型中分固定表示機システム」の主な特長は次の通りで、アークノハラが長年、ICT(情報通信技術) ・IoT、自動運転の路車協調事業で培ってきた技術とノウハウを身近な交通課題に活かした取組みの一つです。
工事規制時、渋滞時、平常時に応じて、安全な道路交通環境を実現するため、現地に行かず事務所のパソコン・タブレット・スマートフォン上で中分固定表示機の遠隔操作が可能
(表示内容 の新規作成も可能)

複数現場に設置した各機を事務所内で一括操作(表示内容の変更を含む)・集中管理することも可能

太陽光パネルとバッテリー仕様なので電源工事が不要
【参考】既設の中分固定工事標識への「遠隔操作型中分固定表示機システム」の追加実装については別途ご相談ください。


道路管理者は、「遠隔操作型中分固定表示機システム」を採用することで、以下の効果が期待できます。
規制標識設置作業時の作業員の事故リスク低減

道路走行中の車両運転手の安全走行(接触事故のリスク低減)

道路管理業務の省人化や作業軽減



高速道路を支える最先端技術「ハイウェイテクノフェア2023」(リアル展)への出展概要




日本ライナー株式会社について



路面標示施工や橋梁メンテナンスを通して社会インフラを支え、独自の技術により環境配慮と機能性を兼ね備えた製品を提供する交通安全分野の総合メーカーです。
【会社WEB】 https://www.nipponliner.co.jp/
株式会社アークノハラについて


野原グループの株式会社アークノハラは、「安心」「安全」「快適」な街づくりを合い言葉に、道路標識や視線誘導標、歩行者用観光案内標識などのサイン、ガードレール・遮音壁などの安全施設製品について、設計~製造~施工の一貫したネットワークを構築してまいりました。これからも交通事業の発展及び環境整備の拡充と、安心安全な街づくりに貢献してまいります。【会社WEB】 https://arc-nohara.co.jp/
野原グループ株式会社について



野原グループ株式会社を中心とする野原グループ各社は、「CHANGE THE GAME.クリエイティブに、面白く、建設業界をアップデートしていこう」のミッションのもと、変わる建設業界のフロントランナーとしてステークホルダーの皆さまとともに、サプライチェーンの変革と統合を推し進めます。
社会を支える建設産業の一員である私どもが、業界から排出される廃材量やCO2の削減、生産性向上による働き方改革を実現し、サステナブルに成長していく未来の実現を目指します。https://nohara-inc.co.jp
本件に関するお客さまからの問合せ先


株式会社アークノハラ
スペック推進室 担当:安田
▼お問合せフォーム
https://arc-nohara.co.jp/contact.html
資料


【リリースPDF】
https://prtimes.jp/a/?f=d19866-223-588e3adb7f237ca0597a1cb0c3b38eb4.pdf
参考


・NEXCO東日本管内では、2021年に35件だった事故件数は、2022年に53件、そして2023年には上半期だけで37件に。作業員が死亡するケースも起こっています。
【参考】乗りものニュース(2023/10/16)https://carview.yahoo.co.jp/news/detail/0d0e6ed9308436a48b61f88434a136fb6ce2dc1d/
・高規格幹線道路とは、国土交通省によれば、「高速自動車国道」および「一般国道の自動車専用道路」のことを言います。高規格幹線道路等の広域的な幹線道路は、延長比率が小さいものの、多くの交通量(特に大型貨物車)を分担しています。【参考】https://www.mlit.go.jp/road/soudan/soudan_01b_03.html
・道路工事現場における標示等については、色彩の指定や防護施設の設置基準が決められています。詳しくは、国土交通省「道路工事現場における標示施設等の設置基準について」をご参照ください。
https://www.kkr.mlit.go.jp/plan/jigyousya/technical_information/gijutsukanri/hikkei_kouji/qgl8vl00000050p0-att/18.pdf 
・従来、高速道路の中央分離帯側寄りの工事においては、作業員が道路を横断し中央分離帯に車線規制の仮設標識を設置しますが、車道横断時に事故リスクが非常に高くなるため、中央分離帯に常設のLED表示機を設置し現地でのリモコン操作で事故リスクを低減する対策等が講じられていました。しかし、常設タイプのLED固定工事標識(リモコン操作)であっても、現地でのリモコン操作は路肩または路側帯で実施しますが、1)路肩に作業車両を停止させることによる事故リスクの発生、2)現地までの移動時間(複数表示機の表示を行う際に更なる移動時間が必要)といった課題がありました。アークノハラと日本ライナーが共同開発中の「遠隔操作型中分固定表示機システム」はこれらの課題をも解決も目的としています。
・高速道路上の工事規制へ衝突する事故は年々増加傾向にあり、NEXCO中日本ではYouTubeでも注意喚起を図る動画を公開しています(2023/6/15)https://www.youtube.com/watch?v=UtwRB1P79v0 
・従来の規制標識設置作業時は、作業車を路肩に停車させ、作業員が道路を横断する必要があるため、後続一般車による作業車への追突事故や、横断中の作業員が事故に巻き込まれる危険性がありました。
・ ICT(情報通信技術)とは、Information and Communication Technologyの略語。通信技術(IT/Information Technology)を使って広がる、人とインターネット、人と人がつながる技術の総称をいいます。
・IoT(Internet of Thingsの略)とは、「モノのインターネット」を指します。コンピューターなどの情報・通信機器だけでなく、世の中に存在する様々なモノに通信機能を持たせ、インターネットに接続したり相互に通信することにより、自動認識や自動制御、遠隔計測などを行うことを言います。
・遠隔操作型中分固定表示機システム」の採用で、道路管理者は対象表示機の表示内容のイメージや現地での操作状況も、現地に行かずに事務所のパソコン・タブレット・スマートフォン上で確認できます。
・ここでいう「一括操作」には、「遠隔操作型中分固定表示機システム」の採用で、道路管理者は対象表示機の指定(設置中の全表示機から複数を指定できる)とそれらの一括操作ができることが含まれています。

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