【調査レポート】AIが検出したZ世代のコミュニケーション特性

2024/05/15  コグニティ 株式会社 

トーク中の「えー・えっと」が他世代の47.8%しか出ない”慎重さ”が顕著なZ世代、一方でZ世代に対する上司は、1分に1回の割合でCLOSED質問の「詰問調」になっている

 商談や指導力などコミュニケーションのAI検定を行うコグニティ株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役:河野 理愛 以下 コグニティ)は、上場企業7社・計435人を対象として各社内外での世代間コミュニケーションの差をAIによって検定した結果として「Z世代のコミュニケーション特性 2024」を発表しました。  本調査では、ビジネス上のコミュニケーションとして”Z世代のトーク”が他世代と比較してどのような傾向があるのか、またZ世代に対する”上司”のコミュニケーションが他の世代に対するものとどう異なるのかを比較しています。




【調査結果の抜粋】
■Z世代に対する1on1の時間は「CLOSED質問」の数が42.9%増加
 Z世代への1on1では、上司は他のどの世代相手よりも「CLOSED質問」の数を増やしてしまうことがわかった(Z世代27.3回に対して、Y世代19.1回となり、43%増)。Z世代の1on1の時間が平均26.5分であることを考えると、この数値は約1分に1回は、CLOSED質問をしていることを示している。一般的に、1on1では詰問調に聞こえるCLOSED質問ではなくOPEN質問を使うことで、部下の考えを引き出すことが求められることを考えると、Z世代向けの1on1がいかにうまくいっていないかを示していると言える。


■Z世代ほど上司との「会話量が少ない」、X世代比較で72.3%になる
 同じ機会・時間で設定されても、世代が若いほど1on1中の発言量が減ることが明確にわかる。上司の前では若年層ほど「話しづらくなる」ことが明示される結果となった。
 1on1全体の中での発言割合で見ても、全体の半分を下回るのはZ世代のみとなっており、平均的に1on1の傾聴スキルとしてうまくいっていない状況と言える。他の分析項目を見ても、Z世代に対する話し合いに苦労しているように見られるが、上司としてはいかに「話してもらうか」のための準備が必須であることが示されている。


■Z世代の営業トークのヒアリングスキルは、他世代比較で3割不足 
 Z世代の営業トークは、圧倒的にCLOSED質問で「確認する」ことができていないことがわかる。「買い手」にとって答えやすい質問や、クロージングに向けた具体的な質問ができておらず、曖昧・相手に委ねるOPEN質問に頼るヒアリングとなっている。


■他世代と比較して、「慎重」なZ世代の課題 
 Z世代の営業トークは、フィラーの数がその他世代の半数になっている。これは、そもそも発言量が少ない・発言のスピードが遅いということが影響しているものの、一般的には「慣れていない・低成績者」ほどフィラーが多く出現することを加味しても、Z世代のトークでの出現率が低いことを示している。Z世代は発言量・スピードが落ちるだけでなく慎重に言葉を選ぶことで、不必要な語句の出現も抑えられていることがわかる。


【調査結果サマリー】


【Z世代のコミュニケーション特性 2024 調査概要】
◯ 調査対象 :「対象者の年齢」がわかっている7社・計435トーク
 <内訳>  
 不動産系企業 3社(大手2社・地方1社)
 金融系企業 3社(大手2社・地方1社)
 教育系企業 1社(大手1社)
 (検定利用時の発注条件として「第4条3項」を了承された企業)
 <シーン>
 対象者と上司との1on1・・・n=155
 (平均年齢:対象者40.4歳・上司48.3歳)
  Z世代:n=8、Y世代:n=31、X世代以前:n=116
 対象者自身のセールストーク(ロールプレイング+実商談)・・・n=280
  Z世代・新人研修対象者:n=144、Z世代以外:n=136
◯ 調査期間 :2022年8月16日~2023年12月11日までに録音されたデータ
◯ 調査方法 :CogStructureを使った「COG-VIEW」分析
◯ 調査機関 :コグニティ株式会社
◯ ダウンロード :https://cognitee.com/surveydl
◯ 本調査の掲載・グラフ等の加工利用については、下記の出典情報を記載してください。
   コグニティ(2024)「Z世代のコミュニケーション特性 2024」
  可能であれば、https://cognitee.com/surveydl へご連絡ください。


【今回の調査に使用したAIトーク検定「COG-SALES」「COG-COACH」について】
 今回の調査で利用したAIトーク検定は「COG-SALES」「COG-COACH」という名称で、サービス展開しています。トークスキルなど「質」を数値化する国内外唯一の技術(特許取得済)によって、過去6万人のトークと比較しつつ、組織・チームのスキル水準を把握することが可能となります。

 上記2サービス以外にも「COG-SERIES(コグ・シリーズ)」では、「COG-PRESEN」「COG-ESSAY」「COG-MR」と、人の思考とコミュニケーションに関する検定サービスを展開しており、企業やマネージャーが抱える組織課題の解決に役立てていただいております。いずれのサービスも、特別な機材やシステムの導入が必要なく、即日・安価に導入頂くことが可能です。

【AIトーク検定を活用した、Z世代向けの「腑に落ちる」営業指導・新人研修事例】
 この「COG-SALES」「COG-COACH」等を利用することで、Z世代の納得感を醸成し、効率的にパフォーマンスを向上させるツールとして、「腑に落ちる」指導・新人研修へ5年以上導入を続けている企業は全国に何社もあります。
 コグニティでは、今回のZ世代のデータの解説に加えて、様々な規模の組織・チームへの導入事例について、毎日開催のウェビナーにて公開しております。

  Webinar視聴申込ページ:https://cognitee.com/news/webinar/14553

【コグニティ株式会社 会社概要】
◯ 設 立 :2013年3月28日
◯ 所在地 :〒140-0015 東京都品川区西大井一丁目1番2−208号
◯ Web :https://cognitee.com/
◯ 資本金 :338,324千円(資本準備金含)
◯ 従業員 :109 名
◯ 代表者 :代表取締役 河野 理愛
◯ 事業内容 :「認知バイアスを取り除く」ためのソフトウェアを開発。60,000件を超える検定結果データベースを使って、接客・プレゼン・会議等の好成績者・チームの傾向をモデル化し、定量的に比較評価する解析サービス「コグ・シリーズ」を提供
◇ 第22回テレワーク推進賞 優秀賞受賞
◇ リモートワーカーを含め、ISMS認証(ISO27001)を2019年6月に取得
◇ 「トークや文書の文脈・構成について差分計算し、抜け漏れ・過不足を予測/推薦する技術」について、2015年に出願、2019年8月に特許取得(特許第6573321号)
◇ 2013年創業時より「完全在宅勤務制」を採用し、運用に成功している企業として多くのメディアに取り上げられる

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