【企業のサステナビリティコミュニケーションに関する調査2024】サステナビリティ関連予算は増加するものの、社内ノウハウ不足が深刻化インターナルコミュニケーションがポイントに

2024/05/31  株式会社 博報堂プロダクツ 

総合制作事業会社の株式会社博報堂プロダクツ(本社:東京都江東区、代表取締役社長 岸直彦)は、2回目となる「企業のサステナビリティコミュニケーションに関する調査2024」を実施いたしました。(調査期間: 2024年3月10日~3月11日、調査対象:全国20~65歳 男女、企業のサステナビリティ関連業務経験者427名)
【調査トピックス】
◆ 重視するステークホルダーの「従業員」スコアが上昇し12.6%に。
◆ サステナビリティ推進の「認知・理解」を促進する施策の実施率は8割以上。
◆ 直近3年間のサステナビリティ関連予算について、62.5%が「増えた」と回答。
◆ 内部課題TOP1は、「社内のノウハウが不足(34.7%)」
◆ 外部課題TOP1は、「コミュニケーション施策がバラバラで統合できていない(32.3%)」
◆ 社内向けコミュニケーションを、より魅力的で効果的なものにするために重視したいことは、「一般社員の認知・理解促進(38.8%)」、「一般社員の行動促進(37.7%)」と、社員に向けたコミュニケーションの重要性が増している。
◆ 社外向けコミュニケーションを、より魅力的で効果的なものにするために重視したいことTOP1は、「これからの社会における自社の存在意義を明確にして伝える(41.1%)」と、パーパス経営への意識が強まった。
◆ 今後注力したい施策は、半数以上が「総合的なサステナビリティコミュニケーション計画の策定(54.8%)」

本調査において、6割以上の企業がサステナビリティ関連予算を増やして対応しているにも関わらず「社内のノウハウ不足」が深刻化している実態が明らかになりました。昨年実施した調査結果と比較すると、企業のサステナビリティ担当者が従業員を重視する傾向が強まり、「社内研修」「社内イベント」「社内コミュニティ形成」といったインターナルコミュニケーションに関する施策への注目度が高まっていることもわかりました。持続可能な社会の実現に向けて、すべてが一足飛びには進まない移行期だからこそ、組織内部から変革を進め、生活者として、社員として、多様なステークホルダーの顔をもって企業を応援してくれる人をいかに増やしていくかが重要になってくるといえます。詳細な調査結果は、以下をご参照ください。【調査概要】
調査方法:インターネット調査/調査対象:全国20~65歳 男女、企業のサステナビリティ関連業務経験者/回答数:427ss/調査時期:2024年3月10日(金)~3月11日(土) /調査委託先:株式会社H.M.マーケティングリサーチ【調査結果詳細】
◆重視するステークホルダー(n=427)
主なものは「顧客(クライアント企業)」(22.5%)、「投資家」(21.8%)、「顧客(消費者)」(15.2%)、「従業員(一般社員)」(12.6%)。昨年から「従業員(一般社員)」が微増した一方で「顧客(クライアント企業)」がやや減少していることから、今後、外部顧客よりも内部の従業員に対する優先度が高まっていくと考えられる。



◆サステナビリティ推進の実施状況(n=427)
SDGコンパスが提唱する5ステップごとにまとめた実施率は、「認識・理解」で81.3%、「優先課題の特定」で62.3%、「目標設定」で45.9%、「経営への統合」で48.5%、「報告とコミュニケーション」で60.0%。
「認識・理解」の実施率は8割を超えて多くの企業が実施できている。また、「目標設定」や「経営への統合」よりも、「報告とコミュニケーション」を積極的に実施する傾向が強まっている。



◆予算動向(n=427)
直近3年間のサステナビリティ関連予算について、62.5%が「増えた」と回答。企業属性別では、上場企業が67.6%、非上場企業が57.5%と約10pt以上の差が開いていることから、上場企業の方がより積極的に予算を増加して対応にあたる傾向が強まっている。



◆満足度(n=各施策の実施者ベース)
実施している施策別の満足度は、「インパクト評価/PDCAサイクルを回している」「中期経営計画にサステナビリティが組み込まれている」がTOP2で7割を超え上位に挙がっている。経営への統合フェーズにあるこの2施策が一定の満足を獲得しつつある状況がうかがえる。また、総合的なサステナビリティコミュニケーション計画を実施している層は、未実施層と比べ総じて満足度が高く、特に「社内外の統合コミュニケーション開発」「KPI設定」「重要課題・マテリアリティの特定」「社内への情報発信」に対するスコア差が20pt以上高く、取り組みの成果が実感できることがわかった。






◆内部課題(n=427)
内部課題TOP3は、1位「社内のノウハウが不足(34.7%)」、2位「取り組みが事業成長につながらない(30.0%)」、3位「取り組みの効果測定が不十分(28.3%)」。単一回答をみても、「社内のノウハウが不足」が昨年より4.4pt増加していることから、相対的に「社内ノウハウ」への課題感が増大している可能性がうかがえる。



◆外部課題(n=427)
外部課題TOP3は、1位「コミュニケーション施策がバラバラ(32.3%)」、2位「人材確保につながらない(29.0%)」、3位「顧客を巻き込んだアクションへの賛同が得られない(28.8%)」。社内の部署を横断して推進することが求められるサステナビリティ活動においては、各施策がバラバラになりがちで、取り組みの魅力がストーリーとして十分伝わらず、顧客を巻き込んだアクションや人材確保につながらない状況を生み出していると考えられる。



◆社内向けコミュニケーションのポイント(n=371)
社内向けコミュニケーションを、より魅力的で効果的なものにするために重視したいことTOP3は、1位「一般社員の認知・理解促進(38.8%)」、2位「一般社員の行動促進(37.7%)」、3位「マネジメント層の行動促進(35.3%)」。一般社員に向けたコミュニケーションの重要性が増している。



◆社外向けコミュニケーションのポイント(n=219)
社外向けコミュニケーションを、より魅力的で効果的なものにするために重視したいことは、昨年TOP1の「顧客が参加したくなる仕掛けを通じてコミュニケーションを図る」をはじめ多くの項目でスコアが減少する中、「これからの社会における自社の存在意義を明確にして伝える(41.1%)」がTOP1となり、パーパスへの意識が強まっていることがうかがえる。また、「SDGsウォッシュ」「Z世代」といった、次世代や規制強化に向けたコミュニケーション施策を重視しようとする傾向も見てとれる。



◆今後の注力施策(n=427)
今後注力したい施策については、半数以上が「総合的なサステナビリティコミュニケーション計画の策定(54.8%)」と回答した他、「社内研修(28.3%)」、「社内イベント(24.6%)」、「社内コミュニティ形成(23.4%)」と、社内施策へのニーズが急速に高まる結果となった。



博報堂プロダクツは、今後も企業として求められる責任を果たす「サステナビリティマネジメント」と、日々の仕事を通してアイディアの社会実装をしていく「サステナビリティアクション」の両軸で活動を推進していくことで、持続可能な社会と事業成長を共に実現していきます。


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  出典表記:博報堂プロダクツ「企業のサステナブルコミュニケーションに関する調査」2024年5月
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