環境に優しく、持続可能な食と農の実現へ コンソーシアム「みどりGXラボ」始動 日本農業新聞

2024/07/08  株式会社 日本農業新聞 

 株式会社日本農業新聞(東京都台東区、代表取締役社長:田宮和史郎)は2024年7月3日、農業の環境負荷低減や脱炭素化を進め、持続可能な食と農の実現を目指すコンソーシアム「みどりGXラボ」を設立しました。ラボの代表には、枝元真徹・元農水事務次官が就任しました。


写真=坂本農相も出席した、みどりGXラボの設立式。左から枝元真徹代表、田宮和史郎・日本農業新聞社長、入江満美・東京農業大学准教授、坂本哲志農相、農ジャーナリストの小谷あゆみさん、俳優の永島敏行さん、韓国農協中央会日本事務所の金用守所長(7月3日、東京・秋葉原の日本農業新聞本社で)

 
■設立イベントには坂本農相が出席
 同日に東京・秋葉原の本社で開いたキックオフイベントには、会場とオンラインで約250人が参加しました。坂本哲志農相も出席し、「関係者の連携を促し、課題解決の手法を探る絶好の機会。持続可能な食と農の取り組みを地域や次世代に広げる息の長い事業になってほしい」と期待を寄せました。
https://www.agrinews.co.jp/news/index/243396
■JA、東京農大、トヨタ…多様な主体が連携
 ラボには5日時点で約280の個人・団体が入会しています。このうち、JA全中や全農などJAグループは約30団体。他に、個人・法人の農業者をはじめ、東京農業大学や東京大学大学院農学生命科学研究科などの研究・教育機関、有機学校給食を推進する茨城県常陸大宮市などの自治体、トヨタ自動車、ボストンコンサルティンググループ、日本製紙といった企業まで、多様な主体が参加します。
■毎月のセミナーで学び、交流会で仲間づくり
 これらの多様な主体の連携で、生産現場だけでは解決が難しい課題に取り組むのがラボの狙いです。毎月のオンラインセミナーで現場の先進事例や最新の動向を学び、会員同士の交流会で仲間づくりを進めます。課題を抱える生産現場と、解決に役立つ技術やサービス、販路を持つ企業などとのマッチングも行います。活動は日本農業新聞や、LINEで届くデジタルメディア「みどりGX新聞」で発信し、地域や次世代にも輪を広げます。
■横山農水次官が基調講演、俳優の永島さんが応援団に
 7月3日のキックオフイベントでは、横山紳農水事務次官(当時)が「みどりの食料システム戦略の更なる推進に向けて」と題して基調講演。JAふくしま未来の西幸夫常務が、みどり戦略担当者の配置、適正施肥による化学肥料削減に向けた土壌分析センターの設置などの実践事例を報告しました。
 自身も農業に取り組み、ラボ応援団の俳優・永島敏行さん、ラボ運営委員を務める東京農業大学の入江満美准教授を交えたパネル討議も行いました。環境に優しい農業の推進には、消費者への理解醸成が重要な鍵になることを共有しました。


写真=農水省の横山次官(右)や俳優の永島さん(左から2人目)らが持続可能な食と農を巡って議論した(7月3日、東京・秋葉原の日本農業新聞本社で)


写真=キックオフイベントには、会場とオンラインで約250人が参加した(7月3日、東京・秋葉原の日本農業新聞本社で)

■8月7日にセミナー「J-クレジット制度の今」を開催
 ラボは8月7日(水)午後1時半から、第1回セミナーを開きます。テーマは「脱炭素~J―クレジット制度の今~」です。三菱UFJリサーチ&コンサルティングの淺田陽子主任研究員が基調講演。水稲の中干し延長によるJ-クレジット制度の活用を支援するフェイガー、同社と連携して中干し延長に取り組む宮城県のJA新みやぎが実践事例を報告します。
 セミナーの参加は、ラボ会員限定です。ラボには誰でも入会でき、農業者、JA、自治体、研究・教育機関、消費者などの年会費は無料です。入会の申し込みは、ラボのホームページから受け付けています。
■設立の背景
 世界的な異常気象や自然災害の多発を受け、国内外のあらゆる産業で温暖化による気候変動への対応が急務となっています。食と農の分野でも環境との調和、脱炭素化が強く求められていますが、高齢化や生産資材の高騰といった課題を抱える生産現場では、必ずしも対応が円滑に進んではいません。
 日本農業新聞はこれまでも、環境に優しい農業について、本紙やLINEで届くデジタルメディア「みどりGX新聞」を通じ、農業関係者への情報発信を行ってきました。ここからさらに一歩踏み出し、農業者だけでなく自治体や消費者、課題解決策を持つ企業などの関係者が広く集い、課題解決を試みるプラットフォームとして、コンソーシアム「みどりGXラボ」を2024年7月3日に設立しました。
■ラボが目指すもの
 目指すのは、環境と農業経営、地域がいずれも持続可能となる「持続可能な食と農」です。毎月1回のセミナーで最新の情勢や専門的な知見を学びあい、会員同⼠の交流会も開きます。課題を抱える生産現場と、解決に役立つ技術やサービス、販路などを持つ企業とのマッチングも行います。これらの情報や活動を本紙やみどりGX新聞で発信し、持続可能性への理解を地域社会や次世代にも広げていきます。
 いわば、仲間作りと学びを進め、実践につなげる場。日本農業新聞は、ラボの活動を通じて生産現場の課題解決を後押しし、持続可能な食と農の実現に貢献します。
【みどりGXラボについて】
○名称:みどりGXラボ
○主催:株式会社日本農業新聞
○目的:農業経営・地域の持続可能性と環境負荷低減を両立した「持続可能な食と農」の実現
○期間:第1期=2024年7月~25年3月 ※2年目以降は4月~翌年3月です
○代表:枝元真徹氏(元農林水産事務次官、大日本水産会会長、みどりGX新聞特別編集長)
○対象:農業者、JA、自治体、研究機関、学校、企業、消費者など、食や農に関わる全ての個人・法人
○活動:定例セミナー(月1回、オンラインで生産現場の事例報告と有識者の講演)、会員交流会(年2回、実開催)、ビジネスマッチング、みどりGXサミット(成果発表会)、オリジナル調査、情報発信活動、みどりGXツアー(先進事例の視察)など
○入会方法:公式サイトからの申し込み
○公式サイト:https://www.agrinews.co.jp/page/midori_gx




【みどりGX新聞について】 日本農業新聞が2023年11月に創刊した、LINEで届くデジタルメディアです。日本農業新聞に掲載された「持続可能な食と農」に関する最新ニュースを、毎週水曜日に配信します。LINEの友だち登録をすれば、誰でも無料で読めます。現在、読者登録は約2600人を突破し、拡大中。今後、みどりGXラボの活動や情報も発信していきます。





【お問い合わせ】
株式会社 日本農業新聞 デジタルイノベーション室
メールアドレス:midorigx@agrinews.co.jp

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