国際NGOプラン・インターナショナルが、飢饉の瀬戸際にあるスーダンへの支援強化を求める声明を発表

2024/07/17  公益財団法人 プラン・インターナショナル・ジャパン 

2560万人が急性食料不安(IPCフェーズ3以上)に、75万5000人が壊滅的飢餓(IPCフェーズ5)に直面


プラン・インターナショナルが実施する栄養指導講座に参加する母親たち

2024年6月27日に発表された世界の食料不安を計測する「総合的食料安全保障レベル分類(IPC)」報告書によると、2024年6月から9月にかけて、スーダン全土では2560万人が高レベルの急性食料不安(IPCフェーズ3以上)に見舞われる可能性が高いことが明らかになりました。さらに、同報告書は、スーダン国内10州14 地域の 75万5000人が飢饉の危機に直面すると予測しています。
国際NGOプラン・インターナショナル(所在地:東京都世田谷区 理事長:池上清子 以下、プラン)は、2023年4月15日スーダンで大規模な武力衝突が発生してから1年以上が経過する中、紛争の陰で世界最大の深刻な人道危機が進行していることに強い危惧の念を抱いています。


深刻な栄養不良状態の6カ月の息子を抱く母親
スーダンでは、紛争の拡大により、治安の悪化や移動の制限、経済活動と基本的サービスの混乱が引き起こされ、農業生産が過去5年間の平均を40%下回っている状況です。
紛争の影響を受けた州や地域では、スーダン避難民の20%に相当する53万4000人の国内避難民が、危機的あるいは壊滅的なレベルの急性食料不安(IPCフェーズ4または5)に直面する可能性に陥っています。この食料安全保障の危機は、収穫高が減る6月から9月にかけての“lean season”に合致し、この間に適切な支援が行われなければ、さらに多くの人々、特に子どもたちが深刻な飢餓の危険に直面することになります。




プランは、スーダンに人道支援を届け、平和をもたらすために、国際社会の指導者たちが、支援のための資金を増やし、紛争を終わらせるための対話を優先させることを強く求めます。

IPC - Integrated Food Security Phase Classification (ipcinfo.org)




プラン・インターナショナル・スーダンの国統括事務所長 モハメド・カジルバシュの談話「IPCの報告書は、スーダンの複数の地域で飢饉が差し迫っているという、私たちが数カ月前から恐れていたことを裏付けるものです。日々大勢の子どもたちが餓死している中、私たちは今、本格的な飢饉を回避するため懸命に闘っています。この状況は人為的なものであり、防ぐことが可能でした。国際社会は、このような状況になることが見えていた6カ月前には何らかの行動を起こすべきでした。800万人以上の人々が飢饉の瀬戸際に立たされている今、残された時間はあとわずかしかありません。壊滅的な人命の損失を防ぐための資金が緊急に必要なのです」



生命を維持するための支援は、スーダン全土だけでなく、近隣諸国でも必要とされています。紛争だけでなく飢餓からも逃れるために、日々大勢の人々が栄養不良や脱水症状を抱えながら難民としてチャド、南スーダン、エジプト、エチオピア、中央アフリカ共和国等に到着しています。
そのため、食料・現金支援、栄養改善にむけた支援、バウチャー(引換券)支援といった、あらゆる形態の人道支援を緊急に拡大する必要があります。
乗り越えることが難しい壁を前にして、プランをはじめ、現地NGO、コミュニティ組織、スーダン全土の援助関係者は、人々の命を救うために自らの命を危険にさらしながら必死の活動を続けています。

通常7月から雨季が始まるスーダンでは、平年を上回る降雨が予想されています。河川の水量が上がり道路が寸断されれば、ダルフールなど支援を必要としている土地へのアクセスがさらに制限される可能性があります。
一人でも多くの命を救うため、あらゆる形態の人道支援を今すぐ拡大しなければなりません。
最も重要なことは、人道支援に携わるすべてのNGOがスーダン国内の全てのコミュニティに妨げなく自由にアクセスし、子どもたちやその家族に支援を届けることができるようにすることです。
スーダンの未来を担う子どもたちが、これ以上権利を侵害されることがないよう国際社会が一丸となって支援を続ける必要があります。

■寄付募集中■
プラン・グローバルサポーター:「食料危機下の子どもの栄養改善」プロジェクト(スーダン)
https://www.plan-international.jp/join/global/10320.html

国際NGOプラン・インターナショナルは、誰もが平等で公正な世界を実現するために、子どもや若者、さまざまなステークホルダーとともに世界80カ国以上で活動しています。子どもや女の子たちが直面している不平等を生む原因を明らかにし、その解決にむけ取り組んでいます。子どもたちが生まれてから大人になるまで寄り添い、自らの力で困難や逆境を乗り越えることができるよう支援します。

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