世界初、ガス発酵によるバイオものづくりの研究開発拠点を神戸・ポートアイランドに新設

2024/07/17  日揮ホールディングス 株式会社 

バッカス・バイオイノベーションの第三者割当増資引き受けによる連携強化


JBX1完成イメージ

日揮ホールディングス株式会社(代表取締役会長CEO 佐藤雅之、本社;神奈川県横浜市、以下「日揮HD」)は、神戸市の「ポートアイランド」に世界初となるガス発酵によるバイオものづくりの研究開発拠点を新設することを決定し、来月(2024年8月)、研究棟建設を開始します。加えて、「統合型バイオファウンドリ(R)」事業で協業する株式会社バッカス・バイオイノベーション(代表取締役社長 兼 CEO 近藤昭彦、本社:神戸市、以下「バッカス」)の第三者割当増資を引き受け、協業関係をさらに強化しました。これらの取り組みを通じて、日揮HDはバイオものづくりの社会実装を推進し、持続可能な未来の実現に貢献していきます。

1.背景、目的
バイオものづくりは微生物を活用し、医薬品や素材、エネルギー、食品など幅広い分野の製品を生み出す手法で、経済協力開発機構(OECD)によると、2030年には世界の市場規模が200兆円に達すると試算されています。
日揮HDとバッカスは、将来市場の拡大が見込まれるバイオものづくりに向けて、共同で微生物の開発・改良から生産プロセスの開発までをワンストップで手掛ける統合型バイオファウンドリ(R)事業を推進しています※1。本事業を通じて、これまで数十年かかっていた微生物の開発から商業化までの期間を1/10以下に短縮し、社会実装に向けた時間とコストを大幅に削減することを目指しています。

2.研究開発拠点の新設について
日揮HDは、バッカスの研究開発拠点にも至近となる研究開発用地(面積:約10,000平方メートル )をポートアイランドに取得し、世界初のガス培養技術開発拠点である「バイオプロセス研究所」(通称:JBX)を新設します。
JBXでの研究開発で用いる微生物は、二酸化炭素(CO2)をものづくりの原料として利用できる水素酸化細菌※2を想定しており、こうしたガス発酵において、当社グループが長年培ってきた安全にガスを取り扱うハンドリング技術が不可欠となります。
研究開発拠点の新設は、神戸市が推進する神戸医療産業都市※3にも合致する取り組みであり、今後も産官学の連携により神戸を中心にバイオものづくり企業や人材、アカデミア等が集結するエコシステムを形成し、世界に向けてバイオものづくりの社会実装を推進していきます。
なお、本研究所の新設は、日揮HDとバッカス、株式会社カネカ、株式会社島津製作所の4社が共同提案した「CO2からの微生物による直接ポリマー合成技術開発」プロジェクトの一環として行うものであり、同プロジェクトは、2050年カーボンニュートラルの実現に向けた国家プロジェクト『グリーンイノベーション基金事業 / バイオものづくり技術によるCO2を直接原料としたカーボンリサイクルの推進』※4として採択されています。
バイオプロセス研究所研究棟1棟目(JBX1)の概要



「JBX」の由来
研究棟の通称に用いている「JBX」という言葉には、まずは日揮HD社内でバイオへの変革を起こす「JGC Bio Transformation」から始まり、日揮HDとバッカスの協業を強化して確固たるものにしていく「JGC Bacchus Transformation」、そして将来的には日本を代表するバイオものづくりの企業となり、日本全体でバイオものづくり産業を推進させていく「Japan Bio Transformation」という本事業の将来への期待を込めています。なお、JGCは、日揮HDの英文社名「JGC HOLDINGS CORPORATION」の略称です。



3.バッカスの第三者割当増資引き受けについて
日揮HDは、バッカスとの協業関係をより強固なものとし、統合型バイオファウンドリ(R)事業を強力に推進すべく、バッカスの第三者割当増資を引き受けました。バッカスとの協業は、化石資源からの脱却によるCO2削減のみならず、わが国の資源制約等の課題解決に貢献するものであり、エネルギー・トランジション、資源循環などの面で、日揮HDが長期経営ビジョン「2040年ビジョン」の道標とするパーパス “Enhancing planetary health”に合致します。
日揮HDは、この統合型バイオファウンドリ(R)事業を2040年ビジョンで掲げた「ビジネスモデルのトランスフォーメーション」における非EPC事業として確立し、収益の多様化を実現していく所存です。


※1:本件の詳細は、2023年6月1日に発表したプレスリリースをご参照下さい。
拡大するバイオものづくりに向けた「統合型バイオファウンドリ(R)」事業を共同で推進 | 日揮ホールディングス株式会社のプレスリリース (prtimes.jp)


※2: 水素酸化細菌は、水素と酸素をエネルギー源にCO2を直接原料として取り込み、有用な物質を生産する微生物。


※3:神戸医療産業都市
参考URL ( https://www.fbri-kobe.org/kbic/ )


※4:本件の詳細は、2023年3月22日に発表したプレスリリースをご参照下さい。
「CO2からの微生物による直接ポリマー合成技術開発」がNEDOグリーンイノベーション基金事業に採択 (jgc.com)

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