冬は「いびき」が悪化する？乾燥・鼻づまりと睡眠の関係性調査

～3割以上が「いびきが増える」と実感｜冬こそ“呼吸の質”の見直しが必要～

冬になると、空気の乾燥や鼻づまりなどの呼吸トラブルが起こりやすくなります。一般社団法人 いびき無呼吸改善協会では、全国の20代～70代の男女300名を対象に、冬季における乾燥・鼻づまりと睡眠の関係に関するアンケートを実施しました。その結果、冬になると喉や鼻の不調が増え、いびきの悪化や睡眠の質低下につながっている実態が明らかになりました。

調査背景

冬は乾燥や鼻づまりが起きやすく、口呼吸やいびきの増加によって睡眠の質が低下しやすい季節です。いびきは睡眠時無呼吸症候群（SAS）のサインとなることもありますが、「冬だけ悪化する」といった季節特有の傾向は十分に把握されていませんでした。そこで本調査では、冬季にみられる呼吸のしづらさやいびきの悪化、起床時の不調、日中の眠気などを多角的に検証し、背景に潜む睡眠時無呼吸症候群（SAS）のリスクを明らかにすることを目的としています。

調査サマリー

- 約3割が「冬になるといびきが増える・悪化する」と回答
∟ 特に男性40代～50代で割合が高い傾向がみられた。
- 冬の乾燥・鼻づまりによる呼吸への影響は「乾燥で喉がカラつく」が最多（34.1%）
- 睡眠中のいびきの指摘は、「言われたことはない」40.0％に対し、「ときどき言われる」27.3％と、一定数が指摘を受けている
- 起床時の不調は、「喉の乾燥・イガイガ」「口の乾き」が18.6％と突出
∟ 特に女性20代～30代は“喉の不快感”がやや高い傾向にあった。
- 日中に強い眠気を感じる頻度は、「週に数回」が最多（41.7％）
∟ 冬季の睡眠の質低下がパフォーマンスに影響している可能性が示唆された。
- 取り入れたい対策では、「寝室の温度・湿度調整」が最多（20.3％）。
∟ 続いて「寝姿勢の工夫」「鼻づまり・アレルギー症状のケア」が上位となった。

※ 本調査結果を引用する場合は、「一般社団法人 いびき無呼吸改善協会」のURL（https://ibiki.odod.or.jp/）を記載してください。

詳細データ

Q1. 冬（11～2月頃）になると、いびきが「増える・悪化する」と感じることはありますか？



- ときどきある：32.3%
- あまりない：28.3%
- いびきを自覚していない：24.3%
- まったくない：11.3%
- よくある：3.8%

→ 冬にいびきが増えると感じる層は全体の3割以上と、一定の季節性があることが分かった。特に男性40代～50代では「ときどきある」が目立ち、加齢による気道の狭まりも一因と推測される。一方で、「いびきを自覚していない」層も24.3％おり、単身者で気づきにくいことや自己認識の難しさから、潜在的リスクが見過ごされている可能性がある。
Q2. 冬の「乾燥」「鼻づまり」によって、睡眠時の呼吸がしづらく感じることはありますか？



- 乾燥で喉がカラつく：34.1%
- 鼻づまりで息がしづらくなる：25.0%
- 口呼吸になりやすくなる：21.6%
- 特に変わらない：8.9%
- 寒暖差で息苦しさを感じる：5.8%
- 夜間に息苦しさで目が覚める：4.3%
- その他：0.3%

→「乾燥で喉がカラつく」（34.1％）が最も多く、冬季の湿度低下が睡眠時の呼吸に大きく影響している。「鼻づまり」や「口呼吸」も合わせて4割以上が経験しており、睡眠中の気道狭窄が顕著になりやすい季節であるといえる。特に女性20代～40代で「喉のカラつき」が高く、乾燥に敏感な層の存在が確認された。
Q3. 家族やパートナーに、睡眠中の「いびき」や「無呼吸」を指摘されたことはありますか？



- 言われたことはない（同居者なし含む）：40.0%
- ときどき言われる：27.3%
- ほとんど言われない：25.3%
- よく言われる：7.4%

→「指摘経験がない」層が40％と最も多いが、同居状況による判断の難しさも含まれている。一方で「ときどき言われる」27.3％は無視できない値であり、潜在的なSASリスクを抱える可能性がある。特に男性40代～60代で「よく言われる」の割合が高く、注意が必要である。
Q4. 朝起きたときの症状について、当てはまるものを教えてください



- 喉の乾燥・イガイガ：18.6%
- 口の乾き：18.6%
- 熟睡感がない：14.4%
- 身体のだるさ・疲労が残る：12.7%
- 強い眠気が残る：12.3%
- 起きた直後にボーッとする：9.1%
- その他：14.3%（頭痛：5.8%、手足の冷え：4.8%、特に症状なし：3.4%、その他：0.3%）

→ “喉の乾燥・口の乾き”が突出しており、睡眠中の口呼吸の頻度が高いことを示唆している。熟睡感の欠如や疲労の残存など、睡眠の質に関わる不調も半数以上が経験している。特に女性30代では「頭痛」「だるさ」の訴えがやや高く、寒暖差やストレスの影響も考えられる。
Q5. 日中に強い眠気を感じる頻度を教えてください



- 週に数回：41.7%
- 月に数回：25.3%
- ほぼ毎日：13.3%
- 年に数回：10.7%
- ほとんどない：9.0%

→「週に数回」の眠気を訴える層が4割を超え、業務のパフォーマンス低下につながる可能性が高い。「ほぼ毎日」眠気を感じる層（13.3％）はSASや睡眠負債の蓄積が懸念される。特に男性50代では“ほぼ毎日”の割合が高く、年齢による睡眠効率の低下が影響していると考えられる。
Q6. 冬のいびき対策・睡眠改善のために取り入れたい（取り入れている）対策



- 温度・湿度調整：20.3%
- 寝姿勢の工夫：13.7%
- 鼻づまり・アレルギーケア：10.0%
- 空気環境の改善：9.7%
- 枕・寝具の見直し：9.2%
- 運動など生活習慣の見直し：9.2%
- その他：27.9%（スマホ時間を減らす：9.1%、特に対策していない：8.8%、鼻呼吸テープ：4.2%、飲酒を控える：2.9%、無呼吸検査：2.0%、その他：0.9%）

→ 最も多かったのは「温度・湿度調整」（20.3％）で、乾燥対策が冬の睡眠改善に直結していることが明らかになった。「寝姿勢の工夫」「鼻づまりケア」など、気道の通りを改善する行動も上位に入り、呼吸のしやすさを重視する動きがみられる。一方で「特に対策しない」層（8.8％）も一定数おり、行動変容には啓発が必要である。

調査結果のまとめ

冬は乾燥や鼻づまりが起こりやすく、いびきの悪化や口呼吸、喉の不快感といった症状を引き起こし、睡眠の質に大きな影響を与えています。さらに、日中の眠気を訴える人も多く、作業効率の低下や健康リスクにつながる可能性があります。今回の結果から、冬季こそ「呼吸の質」や「寝室環境」を重点的に整える必要があることが分かりました。

一般社団法人 いびき無呼吸改善協会 代表のコメント

代表理事：竹田 浩一のコメント



冬季は湿度が大幅に低下し、鼻粘膜や咽頭が乾燥しやすくなることで、気道抵抗が増え、いびきや無呼吸が悪化しやすい環境になります。しかし実際には、多くの方が乾燥や鼻づまりを単なる季節的な不快感として捉え、十分に対策を行えていません。本調査では、喉の乾燥や口呼吸が非常に多く報告されており、気道の保護と呼吸の質を維持するための環境調整が重要であることが改めて浮き彫りになりました。冬は睡眠時無呼吸症候群（SAS）のリスクが高まりやすい時期でもありますので、寝室の湿度管理や鼻腔ケア、適切な寝具の選択など、呼吸を守るための習慣を積極的に取り入れていただきたいと考えています。

調査概要

- 調査名称：いびき・乾燥・鼻づまりと睡眠に関する実態調査
- 調査期間：2025年11月
- 調査対象：全国20代～70代の男女300名
- 調査方法：インターネット調査
- 実施者：一般社団法人 いびき無呼吸改善協会