【食肉・食肉加工品】 疫病リスクの関係上、様々な規制が存在する。調達先は分散。加工品は付加価値が低く収益性が圧迫されがち
食肉には、BSE(狂牛病)や牛・豚の口蹄疫、鶏・豚インフルエンザなどの疫病リスクがつきまとう関係上、食品衛生法の他、と畜場法や伝染病予防法等による様々な規制が存在し、国産の牛・豚・鶏のいずれにおいても、公的機関による一頭一頭の生体検査や解体前・解体後検査が行われている。また、そうした疫病が発覚した際には、蔓延防止策として行政機関による農場の隔離、全飼育家畜の殺処分がおこなわれる等の措置がとられ、生産が止まってしまうため、各社はリスクヘッジのために調達先を分散させている場合が多い。
主にソーセージ、ハム、ベーコンからなる食肉加工品については、近年、消費者の多様なニーズに対応した無添加や高級志向のものが需要を伸ばす一方で、総じて消費者への加工コストの十分な価格転嫁が難しく、収益性が圧迫されがちとなっている。
【卵加工品】 鶏卵価格は季節や飼料価格の変動に影響され、エッグサイクルの周期で上下
主原料である鶏卵の価格は、季節による需要変動や飼料の価格変動に影響され、総じて「エッグサイクル」と呼ばれる短期(季節単位)及び中期(5~6年単位)の周期での変動を繰り返す。
【乳業・乳製品】 原材料の生乳はほぼ国内産、高機能性商品の需要が拡大
生乳をはじめとする原材料のほとんどが国内産でまかなわれているが、チーズについては大半を輸入に依存している。
近年、健康志向の高まりなどを受け、各社は乳酸菌飲料やヨーグルトなどを中心に機能性の高い商品を拡大させている。
【水産加工品】 加工形態の種類が豊富。輸入が大半を占める水産物の供給量、価格に大きく影響される
畜産品と比べ変質や腐敗が早い水産物は、冷蔵・冷凍技術が未発達であった頃から、保存性を高めるために様々な加工方法が生み出されたため、加工品の形態が豊富となっている。
また、水産加工品は原材料となる水産物の大部分を輸入に依存するため、市況はその供給量や価格変動に大きく影響される。