銀行業務は銀行法に基づき、預金・貸付・為替から構成される固有業務や付随業務などがある。銀行法の改正で、デジタルサービス部門の領域が拡大
銀行の業務は銀行法により規定されており、大きく固有業務、付随業務、他業証券業、法定他業に分けられる。固有業務は、預金者の資産を管理・補完する預金業務、企業や個人に資金の貸出しおこなう貸付業務、振込や送金などで債権・債務の決済をおこなう為替業務の3つからなる。これらの固有業務に関連して発生する付随業務には、債務保証や社債の募集・委託、有価証券の売買、手形引き受けなどが含まれる。他業証券業では、金融商品取引法で定義される投資助言業務や、国債等の公共債や短期証券、投資信託受益証券等について売買や媒介等の窓販業務が含まれる。法定他業では、銀行法に定めがなくても法律で認められている業務があり、銀行の信託業務(金融機関の信託業務の兼営等に関する法律)、保険窓販業務(保険業法)、電子債権記録業務(電子記録債権法)、宝くじ業務(当せん金付証票法)等がある。
2021年の銀行法改正では、銀行本体が行うことのできる付随業務として、自行開発したアプリやITシステムの販売、データ分析・マーケティング・広告、登録型人材派遣などが追加された。子会社・兄弟会社の業務範囲は、2016年の銀行法改正でフィンテック企業・地域商社が認められていたが、2021年の改正では認可を条件に幅広い業務を営むことが可能となった。社会のデジタル化の動きに合わせ、デジタル技術を活かした様々な事業が展開されている。
全国地方銀行協会によると、2024年3月末現在の民間金融機関における預金・貸出金の業態別シェアは、都市銀行・地方銀行で6割以上のシェアを占める。その後に、信託銀行を含むその他の国内銀行や信用金庫、農林漁業系機関などが続くかたちとなっている。預金に占めるシェアでは、都市銀行が36.0%、地方銀行が25.0%となっているのに対し、貸出金に占めるシェアでは、都市銀行が28.7%、地方銀行が32.0%となっており、地方銀行が逆転している。