ビル運営の全体を管理するビルマネジメント業務に加え、ビルメンテナンス、建物維持管理、管理・サービスの3業務が主要な業務となる
ビル管理サービスは、不動産の管理に関わる多様な業務の組み合わせによって構成される。大きくは、建物全体の運営を管理するビルマネジメント業務のもとに、ビルメンテナンス、建物維持管理、管理・サービスの3業務がぶら下がるかたちとなっている。3業務はそれぞれ、清掃・衛生、設備管理、警備保障といった機能を担うビルメンテナンス業務、空調や給排水のようなインフラ設備の維持管理を担う建物維持管理業務、ビル運営に関わる人的サービスを担う管理・サービスと分かれている。
ビル管理サービスの費用は、おもに各業務をおこなうための技能の専門性(希少性)と、必要とする労働力の量によって決まる。技術の専門性に関しては、特定の機械や設備を取り扱うビルメンテナンスおよび建物管理の業務において、ビルクリーニング技能士、清掃作業監督者、電気主任技術者、ボイラー技士など、業務内容に応じて資格が細かく設定されている場合が多い。また労働力は、ビル管理事業の労働集約的な性格を反映し、高い重要性を持つ。たとえば清掃・衛生業務は、広い範囲・高い頻度での業務を要することから、専門性はそれほど高くないにもかかわらず多くの売上を占めている。