2024/06/03

武田薬品とファイザー社による、ホジキンリンパ腫の一次治療におけるアドセトリス(R)(一般名:ブレンツキシマブ ベドチン)追加併用療法に関して第3相HD21試験から4年で得られた良好な結果の公表について

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武田薬品とファイザー社による、4年で得られた良好な結果の公表について | 武田薬品

武田薬品とファイザー社による、ホジキンリンパ腫の一次治療におけるアドセトリス(R)(一般名:ブレンツキシマブ ベドチン)追加併用療法に関して第3相HD21試験から4年で得られた良好な結果の公表について

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June 3, 2024

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  • GHSGによる4年時点での解析で、IIb/III/IV期古典的ホジキンリンパ腫と新たに診断された患者さんにおいて、アドセトリスとECADDとの併用療法により無増悪生存率が改善され、欧州における現在の標準治療であるeBEACOPPと比較して優れた有効性と忍容可能な安全性プロファイルが示されたことを報告
  • アドセトリスを特定のリンパ腫治療におけるバックボーンとして支持するエビデンスに HD21試験が追加
  • ASCOおよびEHA 2024において口頭発表で結果を紹介予定

武田薬品工業株式会社(以下、「武田薬品」)とファイザー株式会社(以下、「ファイザー社」)は、2024年6月1日(米国時間)、第60回米国臨床腫瘍学会(ASCO)年次総会 (LBA7000) および第29回欧州血液学会(EHA)年次総会(S225)において、German Hodgkin Study Group(GHSG)が、「アドセトリス(R)」(一般名:ブレンツキシマブ ベドチン、以下「アドセトリス」)と化学療法との併用療法を評価する第3相HD21試験の良好な結果についてレイトブレーキングオーラルプレゼンテーションにて発表することをお知らせします。GHSGが発表する4年時点での解析により、欧州における現在の標準治療レジメンと比較して、患者さんに対する優れた無増悪生存率(PFS)と忍容性の改善が示されました。

HD21試験は、GHSGが出資し、当社が支援する、第3相、無作為化、国際共同、前向き、非盲検試験であり、IIb/III/IV期古典的ホジキンリンパ腫と新たに診断された患者さんを対象に、アドセトリスとエトポシド、シクロホスファミド、ドキソルビシン、ダカルバジンおよびデキサメタゾンの併用療法(BrECADD)を、標準治療であるブレオマイシン、エトポシド、ドキソルビシン、シクロホスファミド、ビンクリスチン、プロカルバジンおよびprednisone(eBEACOPP)と比較して評価するデザインです。本試験では、事前に計画した3年時点の解析において、アドセトリス併用レジメンにより治療関連死亡率(TRMB)として評価した安全性の有意な改善とPFSの非劣性が示され、複合主要評価項目を達成しました。

本試験では、この化学療法レジメンにアドセトリスを追加することにより、併用療法のリスク・ベネフィット・プロファイルが改善され、急性および長期にわたる治療関連毒性が対照群よりも有意に少ない状態で有効性が維持されることが明らかになりました。

HD21試験の責任者であるケルン大学病院(ドイツ)のPeter Borchmann, MD, PhDは、「新たに診断された患者さんの治療負担は大きくなることが多く、私たちは現在の標準治療で達成されている結果を改善するためにHD21試験を開始しました。今回の解析では、アドセトリスレジメンが優れた無増悪生存率と忍容可能な安全性プロファイルを示しており、このアドセトリス+ECADDレジメンがこれらの患者さんに提供する重要な可能性が明らかにされています」と述べています。

ASCOにおける今回の発表では、GHSGによって実施されたHD21試験の4年PFS解析の詳細を提示しています。48ヵ月後、BrECADDはBEACOPPと比較して優れた有効性を示しました[BrECADD群PFS:94.3%、eBEACOPP群PFS:90.9%、ハザード比(HR):0.66(95% CI:88.7-93.1; p<0.035)]。3年時点の解析ですでに報告したように、BrECADDによる治療はBEACOPPと比較して治療関連罹患 (TRMB) の発現率の有意な低下(n=738、42% vs 59%、p<0.001)ならびに臨床的に意味のある有害事象(AE)の減少とも関連していました。BrECADD群の患者さんにおけるアドセトリスの安全性プロファイルは、承認された他のアドセトリス併用レジメンと一致しており、安全性に関して新たなシグナルは認められませんでした。

当社のグローバルオンコロジーのチーフ メディカル オフィサーであるAwny Farajallahは、「当社は、リンパ腫の患者さんの転帰を改善するための継続的な取り組みにおいて、HD21試験でGHSGと連携し、新たな選択肢を必要としている患者さんに対してアドセトリスがどのような新しい価値をもたらすかについて理解を深めています。有効性を損なうことなく副作用を大幅に軽減できる可能性があるアドセトリス追加併用レジメンをお届けできる可能性があり、今回の結果がホジキンリンパ腫と新たに診断された患者さんにもたらすことができる影響について非常に期待を寄せています」と述べています。

武田薬品は、米国およびカナダ以外の地域においてHD21試験に基づいて承認申請する場合はその責任を負います。提携契約に基づき、ファイザー社は米国およびカナダにおける製造販売権を、武田薬品はその他の地域におけるアドセトリスの製造販売権を有します。

HD21試験について

HD21試験は、進行期古典的ホジキンリンパ腫患者さんのために新しく合理的にデザインされたCD-30強化一次治療レジメンであるBrECADDの実現可能性、有効性、安全性および忍容性を評価するために設計され、PETによる効果判定を用いた第3相、国際共同、前向き、非盲検、無作為化、多施設試験で、German Hodgin Study Group(GHSG)が出資しています。

IIb期(巨大縦隔病変および/または節外病変を伴う)、III期またはIV期のホジキンリンパ腫と新たに診断された患者さんを登録し、2サイクルの増量BEACOPPまたはBrECADDを行う群に無作為に割り付けました。中間PETによる効果判定後、さらに2または4サイクルの増量BEACOPPまたはBrECADDの投与を受けるかの決定がなされました。

HD21試験は、同程度の治療効果を維持すると同時に副作用を最小化するための修正治療レジメンを評価することを目的としています。本試験には以下の複合主要評価項目があります。安全性は、一次化学療法において臨床的に重要な急性毒性に焦点を合わせた新規の評価項目である治療関連罹患(TRMB) (優越性)で評価し、有効性はPFS(非劣性)で評価します。副次評価項目は、腫瘍縮小効果(CR率)、OS、1年後の不妊率、二次性悪性腫瘍、有害事象の発現頻度、治療遵守および生活の質(QOL)です。

ホジキンリンパ腫について

リンパ腫とはリンパ系に由来するがんの総称であり、リンパ球と呼ばれる白血球の一種に発生します。リンパ腫は、ホジキンリンパ腫と非ホジキンリンパ腫の2つに大別されます。ホジキンリンパ腫は、リンパ節内のReed-Sternberg細胞の存在によって他のリンパ腫と区別されます。通常、Reed-Sternberg細胞の表面にはCD30という特殊なタンパク質が存在しており、このタンパク質はホジキンリンパ腫の重要なマーカーとされています。CD30は、ホジキンリンパ腫の全症例の約95%に認められます。

国際がん研究機関によると、2020年時点では世界全体で83,000名以上の方がホジキンリンパ腫と診断されており、約23,000名の方がこのがんで亡くなっています。

アドセトリス(R)(ブレンツキシマブ ベドチン)について

アドセトリスは抗体薬物複合体(ADC)です。ファイザー社の特許技術を利用し、プロテアーゼで切断可能なリンカーによって微小管阻害薬[モノメチルアウリスタチンE(MMAE)]と結合させた抗CD30モノクローナル抗体を含んでいます。血流中では安定を保ち、CD30陽性腫瘍細胞の内部に移行する際にMMAEを遊離するようデザインされた、リンカーシステムを採用しています。

アドセトリス点滴静注用は7つの適応症についてFDAの承認を受けています。

  • 未治療のIII期またはIV期古典的ホジキンリンパ腫(cHL)を有する成人患者さんに対するドキソルビシン、ビンブラスチンおよびダカルバジンとの併用療法(2018)
  • 未治療の高リスク古典的ホジキンリンパ腫(cHL)を有する2歳以上の小児患者さんに対するドキソルビシン、ビンクリスチン、エトポシド、プレドニゾンおよびシクロホスファミドとの併用療法(2022)
  • 再発または進行のリスクが高いcHLを有する成人患者さんに対する自家造血幹細胞移植(自家HSCT)後の地固め療法(2015)
  • 自家HSCTで効果が得られなかった場合、または自家HSCTが適応とならずに多剤併用化学療法を2回以上実施しても効果が得られなかった場合のcHLを有する成人患者に対する治療(2011)
  • 未治療の全身性未分化大細胞リンパ腫(sALCL)またはその他のCD30発現末梢性T細胞リンパ腫(PTCL)(血管免疫芽球性T細胞リンパ腫およびPTCL, 非特定型を含む)を有する成人患者さんに対するシクロホスファミド、ドキソルビシンおよびプレドニゾンとの併用療法(2018)
  • 多剤併用化学療法を1回以上実施しても効果が得られなかったsALCLを有する成人患者さんに対する治療(2011)
  • 原発性皮膚未分化大細胞リンパ腫(pcALCL)またはCD30発現菌状息肉症(MF)を有する成人患者さんに対する治療(2017)

カナダ保健省はアドセトリスに対して、再発または難治性のホジキンリンパ腫およびsALCLを適応症とする条件付きの承認(2013年)、再発または進行のリスクが高いホジキンリンパ腫に対する自家造血幹細胞移植(ASCT)後の地固め療法としての無条件の承認(2017年)、全身療法歴のあるpcALCLまたはCD30発現MF成人患者さんに対する治療としての承認(2018年)、未治療のIV期ホジキンリンパ腫に対してドキソルビシン、ビンブラスチンおよびダカルバジンと併用する治療としての承認(2019年)、ならびに未治療のsALCL、未特定の末梢T細胞リンパ腫(PTCL-NOS)または血管免疫芽球性T細胞リンパ腫(AITL)を有し、腫瘍にCD30が発現している成人患者さんに対してシクロホスファミド、ドキソルビシンおよびプレドニゾンと併用する治療としての承認(2019年)を与えています。

欧州委員会からは2012年10月に条件付きの販売許可を得ており、その販売許可での義務は2022年5月に履行されています。欧州連合で承認されている適応症は、(1)未治療のIII期およびIV期CD30陽性ホジキンリンパ腫成人患者さんに対するドキソルビシン+ビンブラスチン+ダカルバジン(AVD)との併用療法、(2)ASCT後の再発または進行のリスクが高いCD30陽性ホジキンリンパ腫成人患者さんの治療、(3)ASCT後の、またはASCTや多剤併用化学療法が治療選択肢にならない場合は治療を2回以上実施した後の、再発または難治性のCD30陽性ホジキンリンパ腫を有する成人患者さんの治療、(4)再発または難治性のsALCLを有する成人患者さんの治療、(5)未治療のsALCL成人患者さんに対するCHPとの併用療法、ならびに(6)全身療法を1回以上実施した後のCD30陽性皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)成人患者さんの治療です。

アドセトリスは再発または難治性のホジキンリンパ腫およびsALCLを適応症として、70か国以上で規制当局から販売許可を得ています。

アドセトリスは現在、70を超える臨床試験において幅広く評価されています。これらの試験には、ホジキンリンパ腫に対する一次治療を評価する第3相試験(ECHELON-1)、CD30陽性末梢T細胞リンパ腫に対する一次治療として検討する別の第3相試験(ECHELON-2)、その他多くのCD30陽性悪性腫瘍を対象にした臨床試験が含まれます。

ファイザー社と当社はアドセトリスの共同開発費を50:50の割合で負担しますが、日本では当社のみが開発費を負担します。

武田薬品について

武田薬品工業株式会社(TSE: 4502/NYSE: TAK)は、世界中の人々の健康と、輝かしい未来に貢献することを目指しています。消化器系・炎症性疾患、希少疾患、血漿分画製剤、オンコロジー(がん)、ニューロサイエンス(神経精神疾患)、ワクチンといった主要な疾患領域および事業分野において、革新的な医薬品の創出に向けて取り組んでいます。パートナーとともに、強固かつ多様なパイプラインを構築することで新たな治療選択肢をお届けし、患者さんの生活の質の向上に貢献できるよう活動しています。武田薬品は、日本に本社を置き、自らの企業理念に基づき患者さんを中心に考えるというバリュー(価値観)を根幹とする、研究開発型のバイオ医薬品のリーディングカンパニーです。2世紀以上にわたり形作られてきた価値観に基づき、社会における存在意義(パーパス)を果たすため、約80の国と地域で活動しています。 詳細については、https://www.takeda.com/jp/をご覧ください。

重要な注意事項

本注意事項において、「ニュースリリース」とは、本ニュースリリースに関して武田薬品工業株式会社(以下、「武田薬品」)によって説明又は配布された本書類並びに一切の口頭のプレゼンテーション、質疑応答及び書面又は口頭の資料を意味します。本ニュースリリース(それに関する口頭の説明及び質疑応答を含みます)は、いかなる法域においても、いかなる有価証券の購入、取得、申込み、交換、売却その他の処分の提案、案内若しくは勧誘又はいかなる投票若しくは承認の勧誘のいずれの一部を構成、表明又は形成するものではなく、またこれを行うことを意図しておりません。本ニュースリリースにより株式又は有価証券の募集を公に行うものではありません。米国 1933 年証券法の登録又は登録免除の要件に基づいて行うものを除き、米国において有価証券の募集は行われません。本ニュースリリースは、(投資、取得、処分その他の取引の検討のためではなく)情報提供のみを目的として受領者により使用されるという条件の下で(受領者に対して提供される追加情報と共に)提供されております。当該制限を遵守しなかった場合には、適用のある証券法違反となる可能性があります。 武田薬品が直接的に、又は間接的に投資している会社は別々の会社になります。本ニュースリリースにおいて、「武田薬品」という用語は、武田薬品及びその子会社全般を参照するものとして便宜上使われていることがあり得ます。同様に、「当社(we、us及びour)」という用語は、子会社全般又はそこで勤務する者を参照していることもあり得ます。これらの用語は、特定の会社を明らかにすることが有益な目的を与えない場合に用いられることもあり得ます。

将来に関する見通し情報

本ニュースリリース及び本ニュースリリースに関して配布された資料には、武田薬品の見積もり、予測、目標及び計画を含む武田薬品の将来の事業、将来のポジション及び業績に関する将来見通し情報、理念又は見解が含まれています。将来見通し情報は、「目標にする(targets)」、「計画する(plans)」、「信じる(believes)」、「望む(hopes)」、「継続する(continues)」、「期待する(expects)」、「めざす(aims)」、「意図する(intends)」、「確実にする(ensures)」、「だろう(will)」、「かもしれない(may)」、「すべきであろう(should)」、「であろう(would)」、「かもしれない(could)」、「予想される(anticipates)」、「見込む(estimates)」、「予想する(projects)」、「予測する(forecasts)」、「見通し(outlook)」などの用語若しくは同様の表現又はそれらの否定表現を含むことが多いですが、それに限られるものではありません。これら将来見通し情報は、多くの重要な要因に関する前提に基づいており、実際の結果は、将来見通し情報において明示又は暗示された将来の結果とは大きく異なる可能性があります。その重要な要因には、日本及び米国の一般的な経済条件を含む武田薬品のグローバルな事業を取り巻く経済状況、競合製品の出現と開発、関連法規の変更、臨床的成功及び規制当局による判断とその時期の不確実性を含む新製品開発に内在する困難、新製品及び既存製品の商業的成功の不確実性、製造における困難又は遅延、金利及び為替の変動、市場で販売された製品又は候補製品の安全性又は有効性に関するクレーム又は懸念、新規コロナウイルス・パンデミックのような健康危機、温室効果ガス排出量の削減又はその他環境目標の達成を可能にする武田薬品の環境・サステナビリティに対する取り組みの成功、人工知能(AI)を含むデジタル技術の統合をはじめとする、業務効率化、生産性向上又はコスト削減に向けた武田薬品の取り組みや、その他の事業再編に向けた取り組みが、期待されるベネフィットに寄与する程度、武田薬品のウェブサイト(https://www.takeda.com/jp/investors/sec-filings/)又はwww.sec.govGo to https://www.sec.gov/において閲覧可能な米国証券取引委員会に提出したForm 20-Fによる最新の年次報告書並びに武田薬品の他の報告書において特定されたその他の要因が含まれます。武田薬品は、法律や証券取引所の規則により要請される場合を除き、本ニュースリリースに含まれる、又は武田薬品が提示するいかなる将来見通し情報を更新する義務を負うものではありません。過去の実績は将来の経営結果の指針とはならず、また、本ニュースリリースにおける武田薬品の経営結果及び情報は武田薬品の将来の経営結果を示すものではなく、また、その予測、予想、保証又は見積もりではありません。

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