（株）NTTドコモ・（株）Space Compass等との英AALTO HAPS Limited 向け共同投資について－本邦金融機関初となるHAPS事業者向け出資コンソーシアムへの参画－

（株）NTTドコモ・（株）Space Compass等との英AALTO HAPS Limited 向け共同投資について－本邦金融機関初となるHAPS事業者向け出資コンソーシアムへの参画－

2024/06/03

• 投資

株式会社日本政策投資銀行（以下「 DBJ 」 と い う 。） は 、株式会社NTTドコモ（以下「NTTドコモ」という。）及び株式会社Space Compass（注１、以下「Space Compass」という。）が主導するコンソーシアム株式会社 HAPS JAPAN（以下、「本コンソーシアム」）を通じて、Airbus SE（本社：オランダ王国、CEO：ギヨム・フォーリ、以下「エアバス」という。）傘下のAALTO HAPS Limited（本社：英国、CEO：サマー・ハラウィ、以下「AALTO」という。）に対し、株式会社みずほ銀行とともに出資契約を締結しました。

AALTOは、航空宇宙産業のリーディングカンパニーであるエアバス傘下で、成層圏を飛行し、地上への通信サービスを提供する無人航空機（High Altitude Platform Station、以下「HAPS」という。）の製造及び運用を行う事業者です。同社のHAPS「Zephyr」は2022年に無人航空機として世界最長となる64日間の滞空飛行を実現するなど、高度な航空技術を有しています。
NTTドコモとSpace Compassは、両社の持つ地上及び非地上通信技術とAALTOの航空技術を組み合わせて、Zephyrに通信機器を搭載し地上の携帯端末と直接大容量・低遅延の通信を提供するサービスの共同開発を進めてきました。サービスが実現すれば、離島や山岳地帯など地上通信網が未整備となっている地域や災害等緊急時に通信が寸断された地域の補完、航空機・船舶など通信サービスが十分に提供されていなかった空間への活用が期待されています。
かかる中、エアバス及びAALTOは、Zephyrを活用した通信サービスを実現するため、AALTOへ資本参加する初めてのパートナーとして本コンソーシアムを選定しました。NTTドコモ及びSpace Compassは、今回の出資によりエアバス及びAALTOと更に関係を強化し、まず我が国における2026年のサービス提供開始と、グローバル展開を目指します。

DBJは、社会のデジタル化の進展に伴い、災害時も含む高速・大容量通信のニーズは一層高まっており、加えて人口非密集地域や船舶、航空機内等のエリアへの通信圏拡張の重要性も増している中、NTTドコモ及びSpace Compassのかかる取り組みが、両社の競争力強化、ひいては、経済安全保障上も重要な宇宙空間を活用した新世代の通信インフラ整備を通じて、我が国の経済社会の活力向上に資するものと評価し、「特定投資業務（注 2）」の一類型として設置した「DBJ スタートアップ・イノベーションファンド（注 3）」を活用し、支援を行うこととしました。
DBJ は、他の本コンソーシアムメンバーと密に連携を行いながら、ユースケースの創出等に向けた事業者との提携支援、将来的なHAPSの整備・展開を技術的及び資金的にサポートする共同支援スキームの検討など、HAPSを活用した事業の確立に向けた取り組みを推進してまいります。

DBJは、今後とも「特定投資業務」を通じた成長資金に係る市場の発展や地域経済の活性化、競争力強化に向けたお客様の取り組みを積極的にサポートしてまいります。

（注1）衛星やHAPSを介した新たな非地上通信ネットワークの構築を目指して2022年に設立された、日本電信電話株式会社とスカパーＪＳＡＴ株式会社の合弁会社です。
（注2）民間による成長資金の供給の促進並びに地域経済の活性化及び我が国企業の競争力の強化を図るため、国からの一部出資（産投出資）を活用して、成長資金を時限的・集中的に供給する業務です。
（注3）「特定投資業務」において、スタートアップの創出・育成、イノベーションエコシステムの構築等に向けた取り組みを推進するため設置した重点投資分野です。

【お問い合わせ先】
企業金融第２部 電話番号 ０３－３２４４－１６６０