日本初の感染症マネジメント支援システム「ExpertTWIN」を発売 - 主治医と感染症専門医をつなぎ、患者の入院期間短縮に貢献
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2024年11月25日 | プレスリリース 日本初の感染症マネジメント支援システム「ExpertTWIN」を発売
主治医と感染症専門医をつなぎ、患者の入院期間短縮に貢献
島津製作所は、11月25日に感染症患者を受け持つ主治医の医療機関※1(以下、主治医)と感染症専門医をウェブでつなぐ感染症マネジメント支援システム「ExpertTWIN」(エキスパートツイン、以下、本システム)を発売します。感染症の診断や治療に悩む主治医と、専門医が個別の患者について相談できる環境を提供することで、医療現場の負担を軽減します。相談および両者間の煩雑な契約・支払い業務を効率化するウェブサービスおよびサブスクリプション(定額課金)の仕組みを備えたシステムは日本初です。
通常、感染症が専門でない主治医が感染症の診断や治療方針の判断が難しい場合、専門医に助言を求めます。ただし、感染症専門医の数は医療現場で必要な人員の半分程度に留まっており、通常業務に加えて院外からの問い合わせ対応などで負荷がかかっています。加えて、従来の電話やメールなどの相談形式では、専門医の業務量や貢献度の把握が困難でした。本システムは、両者が個別の患者について直接相談できる環境を整えて、現場の負担を軽減します。また、抗菌薬の適正使用による医療費の削減や、複雑な症例にも継続的に介入できる環境を提供することで入院期間短縮が期待できます。
島津製作所は、2018年から国立大学法人東海国立大学機構※2、名古屋大学医学部附属病院中央感染制御部、同大学予防早期医療創成センター、岐阜大学大学院医学系研究科感染症寄附講座教員で構成される研究グループ(代表:名古屋大学大学院医学系研究科臨床感染統御学、八木哲也教授)とともに「ニーズ探索型共同研究」から始め、製品開発のための研究を経て、感染症マネジメント支援システム(プロトタイプ)による約30の実証実験を基に本製品を完成させました。今後はさらなる機能拡張や海外展開を検討していきます。本システムの開発は、中期経営計画で掲げているメドテック事業の「診断ワークフローの構築」の一環です。当社は、診療業務の効率化などを通じて、医療現場の課題を解決していきます。
新製品の特長
1. 主治医がチャットで専門医に相談
本システムに登録している感染症専門医を自由に選択でき、主治医から直接相談が可能です。主治医は症例への対処方法や耐性菌を考慮した抗生剤の選択に際して、専門医の助言を得られます。本システムには日本感染症学会専門医・指導医資格を保有し、一定の基準を満たす医師のみが登録できます。
2. 質問に答えるだけで準備完了
主治医がカルテや画像情報、検査レポートなどを入力すると、「医療言語処理エンジン」および「辞書リストアップエンジン」が患者情報を認識し、関連情報を画面に表示します。本システムは専門医が回答する上で必要な患者情報を先回りして補うため、円滑な相談が可能です。
3. ガイドライン情報や診療に役立つスコアを表示
入力した情報を基に、診療の参考情報を提示します。関連する診療ガイドラインや、臨床現場で活用されるクレアチニンクリアランスなどのスコア、推奨薬剤投与量などが表示されます。表示情報は、専門医の監修に基づき定期的に更新しています。
製品名 | 感染症マネジメント支援システム 「ExpertTWIN」 |
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価格 | 月額4万3000円~26万2500円(税込) 初期費用 27万5000円~(税込) ※ 期間限定の初期費用半額キャンペーン適用価格 |
販売目標 | 国内で 50 式 |
- ※1 主治医(医療施設の臨床医師)以外の本システムの利用者として、抗菌薬適正使用支援チームおよびインフェクションコントロールチーム(感染症から患者やその家族、病院職員らを守るための組織。医師、看護師、薬剤師、臨床検査技師、理学療法士、歯科衛生士、臨床工学士など)を想定
- ※2 東海国立大学機構は、2020年4月、岐阜大学と名古屋大学という二つの国立大学法人による県をまたいだ法人統合により、日本初の一法人複数大学制度により設立された。両大学の発展を支えるとともに、両大学の強みから生まれるシナジーを育てることで、社会課題、人類課題への貢献を目指し、教育・研究、地域創生に取り組んでいる
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