(開示事項の経過)統合型静脈疾患レジストリの提供開始に関するお知らせ
サスメド 株式会社2024 年12月11日
サスメド株式会社
(開示事項の経過)統合型静脈疾患レジストリの提供開始に関するお知らせ
国立大学法人東北大学(以下「東北大学」)とサスメド株式会社(以下「サスメド」)は、2023年9月20日付で締結した基本合意書 *1に基づき進めていた、統合型の静脈疾患レジストリシステム(以下「本レジストリ」)の構築作業を完了し、この度、本レジストリの企業への提供を開始いたしましたので、お知らせいたします。
1.背景
新規の医薬品、医療機器及び再生医療等製品(以下「新医薬品等」)については、法令上、原則として製造販売後調査等として市販後の使用成績調査の実施が義務付けられております。使用成績調査は個々の新医薬品等に対して実施することが必要とされているところ、現在、同一患者の疾患に対して複数の新医薬品等が使用される場合であっても、新医薬品等ごとに異なる方法で収集されたデータは、集約して記録・管理されないことから、疾患全体に対する効果の把握・分析が困難な状況となっております。また、新医薬品等ごとにデータが別々に記録・管理されていることから、データをインプットする際の手順が煩雑となり、多大な労力と時間を要することで、医療現場における業務の逼迫も大きな課題となっております。さらに、収集されるデータ自体の信頼性が担保されていないことに加え、別々に収集されたデータはその質が均一でないことにより、さらなる利活用につながらないことが医療の非効率として指摘されております。
このような医療課題に対しては昨今レジストリの活用が推奨されております。レジストリは、特定の疾患、新医薬品等の曝露若しくは使用、又は特定の状態(例えば年齢、妊婦、特定の患者の特徴)により定義される集団に関しての特定されたアウトカムを評価するため、均一化されたデータを収集するための体系的なシステムであり、従来は臨床試験の計画段階等で利用されてきましたが、今後は、さらに、レジストリデータを臨床試験の外部対照あるいは臨床成績として用いて、新医薬品等の承認申請、製造販売後の再審査/使用成績評価申請、再評価申請等に活用することで、開発が促進されることが期待されております *2。
しかしながら、現在一般的となっている関連学会主導のレジストリデータについては、製造販売業者が十分に利活用できていないことが問題として指摘されております。そこで、東北大学とサスメドは、これらの課題に対処するため統合型のレジストリの構築に取り組んでまいりました。
*1「ブロックチェーン技術による医療機器のリアルワールドデータ(RWD)活用を推進するための基本合意書の締結に関するお知らせ」
(https://contents.xj-storage.jp/xcontents/AS82385/594d56fb/0b87/419b/9582/4027aed01ffa/140120230920556163.pdf)
*2「承認申請等におけるレジストリの活用に関する基本的考え方」について(令和3年3月23日付け薬生薬審発0323第1号・薬生機審発0323第1号・各都道府県衛生主管部(局)長あて厚生労働省医薬・生活衛生局医薬品審査管理課長、厚生労働省医薬・生活衛生局医療機器審査管理課長通知)
2.本レジストリについて
本レジストリは、症候性腸骨大腿静脈流出障害に対し使用する新規の静脈用ステント、及び急性深部静脈血栓症における新規血栓除去用カテーテルといった複数医療機器を用いる患者の情報を同時に収集できる統合型のレジストリであり、収集したデータを関連学会及び製造販売業者と共有することにより、関連学会が発出する適正使用指針の作成時の活用や製造販売後調査等に活用されます。
また、従来、新医薬品等ごとに個別のデータ入力・確認作業が行われておりましたが、本レジストリではこの点が一元化されることで、労力の大幅な削減を実現しており、医療現場で発生している多大な負荷の軽減に貢献します。
さらに、本レジストリには、サスメドのブロックチェーン技術 *3(耐障害性・データ改ざん耐性等)を実装したシステム(SUSMED SourceDataSync(R))が活用されており、データの信頼性の担保とそれによるデータの価値向上を実現したことで、将来的には本レジストリで収集した情報は、当該医療機器の適応拡大等を見据えた申請、静脈疾患を罹患した患者に対して最適な医療機器を選択する際の情報としての活用、新たな医療機器を開発する際の基礎データとしての活用等が期待されております。
東北大学とサスメドが構築した本レジストリは本邦初の試みであるのみならず、世界的に見ても前例のない取り組みであり*4、今後本レジストリの活用を通じて、臨床開発の高度化、効率化、さらには医療の最適化、質向上等に貢献します。
(図1)本件のスキーム
*3データ改竄耐性等に必要となる当社保有特許である特許第6563615号(不正検知システムおよび不正検知装置)、特許第6245782 号 (個人情報保護システム)、特許第6340494号(治療用アプリケーションの治験システム、治験管理用サーバ、および治験管理用プログラム)、特許第6530578号(不正検知システムおよび不正検知装置)、特許第6245783号(セキュリティシステムおよびこれに用いるノード装置)、ほかを実装
*4医学文献情報DBであるPubMed(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/)、アメリカ国?衛?研究所の国?医学図書館によって管理される臨床試験情報DBであるClinicalTrials.gov(https://www.clinicaltrials.gov/)、欧州医薬品庁の臨床試験情報DBであるEU Clinical Trials Register(https://www.clinicaltrialsregister.eu/ctr-search/search)その他リサーチツールに基づく当社調べ
3.業績への影響
本件による当社業績への影響は軽微でありますが、当社の中長期的な業績向上に資するものと考えております。
今後、業績への重大な影響が認められる場合には、その内容を速やかにお知らせいたします。
以 上
サスメド株式会社
(開示事項の経過)統合型静脈疾患レジストリの提供開始に関するお知らせ
国立大学法人東北大学(以下「東北大学」)とサスメド株式会社(以下「サスメド」)は、2023年9月20日付で締結した基本合意書 *1に基づき進めていた、統合型の静脈疾患レジストリシステム(以下「本レジストリ」)の構築作業を完了し、この度、本レジストリの企業への提供を開始いたしましたので、お知らせいたします。
1.背景
新規の医薬品、医療機器及び再生医療等製品(以下「新医薬品等」)については、法令上、原則として製造販売後調査等として市販後の使用成績調査の実施が義務付けられております。使用成績調査は個々の新医薬品等に対して実施することが必要とされているところ、現在、同一患者の疾患に対して複数の新医薬品等が使用される場合であっても、新医薬品等ごとに異なる方法で収集されたデータは、集約して記録・管理されないことから、疾患全体に対する効果の把握・分析が困難な状況となっております。また、新医薬品等ごとにデータが別々に記録・管理されていることから、データをインプットする際の手順が煩雑となり、多大な労力と時間を要することで、医療現場における業務の逼迫も大きな課題となっております。さらに、収集されるデータ自体の信頼性が担保されていないことに加え、別々に収集されたデータはその質が均一でないことにより、さらなる利活用につながらないことが医療の非効率として指摘されております。
このような医療課題に対しては昨今レジストリの活用が推奨されております。レジストリは、特定の疾患、新医薬品等の曝露若しくは使用、又は特定の状態(例えば年齢、妊婦、特定の患者の特徴)により定義される集団に関しての特定されたアウトカムを評価するため、均一化されたデータを収集するための体系的なシステムであり、従来は臨床試験の計画段階等で利用されてきましたが、今後は、さらに、レジストリデータを臨床試験の外部対照あるいは臨床成績として用いて、新医薬品等の承認申請、製造販売後の再審査/使用成績評価申請、再評価申請等に活用することで、開発が促進されることが期待されております *2。
しかしながら、現在一般的となっている関連学会主導のレジストリデータについては、製造販売業者が十分に利活用できていないことが問題として指摘されております。そこで、東北大学とサスメドは、これらの課題に対処するため統合型のレジストリの構築に取り組んでまいりました。
*1「ブロックチェーン技術による医療機器のリアルワールドデータ(RWD)活用を推進するための基本合意書の締結に関するお知らせ」
(https://contents.xj-storage.jp/xcontents/AS82385/594d56fb/0b87/419b/9582/4027aed01ffa/140120230920556163.pdf)
*2「承認申請等におけるレジストリの活用に関する基本的考え方」について(令和3年3月23日付け薬生薬審発0323第1号・薬生機審発0323第1号・各都道府県衛生主管部(局)長あて厚生労働省医薬・生活衛生局医薬品審査管理課長、厚生労働省医薬・生活衛生局医療機器審査管理課長通知)
2.本レジストリについて
本レジストリは、症候性腸骨大腿静脈流出障害に対し使用する新規の静脈用ステント、及び急性深部静脈血栓症における新規血栓除去用カテーテルといった複数医療機器を用いる患者の情報を同時に収集できる統合型のレジストリであり、収集したデータを関連学会及び製造販売業者と共有することにより、関連学会が発出する適正使用指針の作成時の活用や製造販売後調査等に活用されます。
また、従来、新医薬品等ごとに個別のデータ入力・確認作業が行われておりましたが、本レジストリではこの点が一元化されることで、労力の大幅な削減を実現しており、医療現場で発生している多大な負荷の軽減に貢献します。
さらに、本レジストリには、サスメドのブロックチェーン技術 *3(耐障害性・データ改ざん耐性等)を実装したシステム(SUSMED SourceDataSync(R))が活用されており、データの信頼性の担保とそれによるデータの価値向上を実現したことで、将来的には本レジストリで収集した情報は、当該医療機器の適応拡大等を見据えた申請、静脈疾患を罹患した患者に対して最適な医療機器を選択する際の情報としての活用、新たな医療機器を開発する際の基礎データとしての活用等が期待されております。
東北大学とサスメドが構築した本レジストリは本邦初の試みであるのみならず、世界的に見ても前例のない取り組みであり*4、今後本レジストリの活用を通じて、臨床開発の高度化、効率化、さらには医療の最適化、質向上等に貢献します。
(図1)本件のスキーム
*3データ改竄耐性等に必要となる当社保有特許である特許第6563615号(不正検知システムおよび不正検知装置)、特許第6245782 号 (個人情報保護システム)、特許第6340494号(治療用アプリケーションの治験システム、治験管理用サーバ、および治験管理用プログラム)、特許第6530578号(不正検知システムおよび不正検知装置)、特許第6245783号(セキュリティシステムおよびこれに用いるノード装置)、ほかを実装
*4医学文献情報DBであるPubMed(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/)、アメリカ国?衛?研究所の国?医学図書館によって管理される臨床試験情報DBであるClinicalTrials.gov(https://www.clinicaltrials.gov/)、欧州医薬品庁の臨床試験情報DBであるEU Clinical Trials Register(https://www.clinicaltrialsregister.eu/ctr-search/search)その他リサーチツールに基づく当社調べ
3.業績への影響
本件による当社業績への影響は軽微でありますが、当社の中長期的な業績向上に資するものと考えております。
今後、業績への重大な影響が認められる場合には、その内容を速やかにお知らせいたします。
以 上