国立精神・神経医療研究センターの医師主導治験におけるブロックチェーン技術を活用した当社臨床試験システムの運用開始のお知らせ

2024/12/25  サスメド 株式会社 

2024 年 12 月 25 日
サスメド株式会社

国立精神・神経医療研究センターの医師主導治験における
ブロックチェーン技術を活用した当社臨床試験システムの運用開始のお知らせ


サスメド株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:上野 太郎、以下「当社」)は、国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター(所在地:東京都小平市、理事長:中込 和幸、以下「NCNP」)が実施する筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(以下「ME/CFS」) を 対象とした医師主導治験(以下「本治験」)において、当社のブロックチェーン技術を用いた臨床試験システム(SUSMED SourceDataSync(R)、以下「SUSMED SDS」)を運用開始いたしました。

近年、海外で使える医薬品が日本では使えないドラッグロスの問題が注目され、課題解決のために効率的な治験実施が求められています。治験においては、収集された患者データの信頼性を担保するためにモニタリング業務の実施が法規制により義務付けられておりますが、従来、モニタリング業務の⼀環として行われるデータ照合作業等は⼈的リソースによって賄われており、時間的・金銭的な非効率が指摘され、効率的な治験の実施が課題とされてきました。特に医師主導治験の場合、モニタリング業務やCRC 業務などは施設内の人的リソースを用いて実施することも多く、治験業務を担当する医師、ARO、CRCなど医療従事者の時間的な負担を軽減することは、治験効率化を目指す上で重要となります。

本治験はME/CFS患者を対象とし、リツキシマブの有効性及び安全性を検証することを目的としております。NCNPの免疫研究部の研究者は、ME/CFSの神経免疫疾患としての側面に焦点を当てた研究を継続してまいりました。ME/CFSは、感染などをきっかけに突然発症し、高度の消耗や睡眠障害のために”寝たきり状態”になる、あるいは“まともな社会生活が送れない状態”に陥る難病です。しかし一般的な血液検査や画像検査では異常がつかまらず、ガイドラインに記載できるような確立した治療法もありません。その結果、多くの患者さんやご家族はきわめて厳しい状況に置かれています。※1

本治験においてSUSMED SDSを活用し、モニタリング業務の削減と取得データの質・信頼性の向上を通して効率的な治験の実施を実現することで、ME/CFS患者への新たな治療選択肢の1日も早い提供に貢献します。

※1:筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群に対する診療・研究ネットワークの構築(https://mecfs.ncnp.go.jp/) また、本システムの構築の過程でNCNPと共同検討を重ね、e-Worksheet (以下「eWS」)のテキスト出力機能を新たに開発し、本治験用のシステムに搭載しております。本機能により、eWSにて取得されるデータの即時的な電子カルテへの連携を実現し、より実臨床での運用に即した形で効率的な治験実施が可能となります。

■SUSMED SDS について

当社の特許技術であるブロックチェーン技術を実装した臨床試験システムでは、ブロックチェーン技術により医療機関で取得する原資料と症例報告書データの信頼性担保を行うことで、データ照合作業(Source Data Verification: SDV)の削減が可能です。

東京科学大学がAMED「研究開発推進ネットワーク事業」にて公表した当社との共同研究の成果では、モニターの所要時間は、従来法での中央値40.5分に対しブロックチェーン法で中央値21.9分と短縮され、クエリ数については、従来法での中央値7.5個に対し、ブロックチェーン法で4.0個と減少傾向が認められ、ブロックチェーン法では紙ワークシートやアンケートとの照合作業が不要であったことが反映されておりました。CRC・医師の所要時間についても、従来法で中央値100.6分に対しブロックチェーン法で中央値68.4分と短縮され、ブロックチェーン法では多数の紙ワークシートやアンケートの事前準備、ならびに事後のEDC への入力が不要であったことが反映されておりました。

同システムに導入されているブロックチェーン技術の耐障害性やデータ改竄耐性等の機能に関してはその実証実験結果が、 複数の国際医学雑誌上で論文として発表(Ichikawa et al., 2017, JMIR mHealth uHealth, Motohashi et al., 2019, JMIR)されているほか、内閣府規制のサンドボックス制度の認可を受けて国立がん研究センターと臨床研究を実施しております。サンドボックス制度による実証試験結果は 2020 年 6 月に国際医学誌に発表され(Hirano et al., 2020, JMIR)、本成果を受けてブロックチェーン技術を利用した SDV 代替が医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令(GCP 省令)上も認められる旨、2020 年 12 月 4 日付で厚生労働省から通知が発出されております。

また、2022 年及び2023年には、アキュリスファーマ株式会社の国内第3相臨床試験の2試験※2、※ 3 において、SUSMED SDSの利用が開始されております。これはブロックチェーン技術の企業治験での活用としては世界初※4の事例となります。

さらに、2024年には、東北大学病院との取り組みにおいて、静脈疾患に関する複数の医療機器などの使用成績調査を一元化し、製造販売後データベース調査に活用できる「統合型静脈疾患レジストリシステム」※5を構築しました。ブロックチェーン技術によってデータの信頼性を十分に担保し、収集した使用成績調査の価値の向上および適正使用指針や適応拡大を見据えた申請等への利活用の促進が期待されます。

※2:「 サ ス メ ド がブロックチェーン技術を活用した治験管理システムを提供するアキュリスファーマの Pitolisant 国内第 3 相臨床試験が 開始」(https://susmed.co.jp/wp-content/uploads/2022/11/aw5ser6xc7tv8y9uboni870.pdf)

※3:「 サ ス メ ド がブロックチェーン技術を活用した治験管理システムを提供するアキュリスファーマの Pitolisant の閉塞性睡眠時無呼吸症候群に伴う日中の過度の眠気に対する国内第 3 相臨床試験が開始」 (https://susmed.co.jp/wpcontent/uploads/2023/01/roeadxfgfuihoi34w5e6r8789tfyc.pdf)

※4:医学文献情報DB であるPubMed(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/)、 ア メ リ カ 国立衛生研究所の国立医学図書館によって管理される臨床試験情報DBであるClinicalTrials.gov(https://www.clinicaltrials.gov/)、 欧 州 医 薬 品 庁 の臨床試験情報DBであるEU Clinical Trials Register(https://www.clinicaltrialsregister.eu/ctr-search/search)その他リサーチツールに基づく当社調べ

※5:「 医 療 機 器 の使用成績調査の利活用を促進する統合型静脈疾患レジストリシステムを構築 ~医療現場の省力化・効率化と情報の信頼性を確保~」(https://susmed.co.jp/wp-content/uploads/2024/12/susmed_press20241211.pdf)

■サスメド株式会社について

サスメド株式会社は、デジタル医療を推進する研究開発型企業です。ブロックチェーン技術を活用した臨床開発支援システム提供のほか、不眠障害をはじめとする治療用アプリ開発を行っております。 ブロックチェーン技術の医療応用や治療用アプリについての各種特許を取得するなど、技術に立脚しデジタル医療を推進しております。

会社名:サスメド株式会社 [英語名:SUSMED, Inc. ]
所在地:東京都中央区日本橋本町三丁目7番2号
代表者:上野 太郎
設立日:2016 年 2 月
URL: https://www.susmed.co.jp/

【注意事項】

本リリースに記載されている医薬品に関する情報(本邦未承認情報を含む)は当社の経営情報の開示を目的としており、当該医薬品の宣伝・広告を目的とするものではありません。

【報道関係者お問い合わせ先】
サスメド株式会社
E-mail: support@susmed.co.jp

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