2025/03/17

愛知県初、大府市とIIJ、「デジタル田園都市国家構想交付金(Type1)」を活用し「おぶちゃん連絡帳(電子@連絡帳)」において救急・災害連携システムを構築

株式会社 インターネットイニシアティブ 

愛知県初、大府市とIIJ、「デジタル田園都市国家構想交付金(Type1)」を活用し「おぶちゃん連絡帳(電子@連絡帳)」において救急・災害連携システムを構築

IIJ電子@連絡帳サービスの救急情報連携オプションにかかりつけ医の「連絡先情報」、「事前指示書」を救急と連携できるように機能拡充

2025年3月17日
愛知県大府市
株式会社インターネットイニシアティブ

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当社と、在宅医療介護の情報連携を推進する当社の情報共有システム「IIJ電子@連絡帳サービス(以下「電子@連絡帳」)」を採用し、「おぶちゃん連絡帳」として活用する愛知県大府(おおぶ)市は、共同提案した「おぶちゃん連絡帳(電子@連絡帳)のデータ連携による救急・災害時の情報連携強化事業」が内閣府のデジタル田園都市国家構想推進交付金(令和5年度 Type1)事業に採択され、2025年3月より救急・災害連携システムを構築し、プロジェクトを開始したことをお知らせします。

大府市は、医師、看護師、薬剤師、介護ヘルパー、ケアマネジャーなど、市民の健康増進・在宅医療に関わる様々な専門職が情報共有するための地域連携クラウド型プラットフォームとして電子@連絡帳を採用し、「おぶちゃん連絡帳」として、576人(254事業所)が活用しています(2025年2月現在)。
本取り組みでは、大府市が管理する「高齢者独居台帳」の情報をおぶちゃん連絡帳を通して救急と連携し、さらに災害時においての情報連携に活用することで、市民の安心・安全なくらしを支援します。救急搬送時に、親族等の緊急連絡先、医療介護関係者の連絡先、かかりつけ医が作成した事前指示書等のデータをかかりつけ医の連絡先情報と共に救急隊員に連携することで、搬送活動の迅速化と搬送結果の行政・医療介護関係者への共有を行います。また、災害発生時は避難支援を必要とする市民(独居高齢者、障がい者、医療的ケア児)の位置情報(地図連携)を医療介護関係者に連携し安否確認を行います。

電子@連絡帳 救急情報連携オプション新機能

本取り組みで用いられる電子@連絡帳の救急情報連携オプションは、在宅・医療介護の多職種連携において蓄積された、患者とその近親者、医療介護関係者の関連情報を救急と連携することで、救急活動の向上を支援するものです。2025年3月より、新たに共有できる情報として、かかりつけ医の「連絡先情報」、「事前指示書」連携機能を追加します。患者が家族・医療介護関係者と話し合いを重ねた「ACP(人生会議)情報」(※)を電子@連絡帳に集約し、その情報をもとにかかりつけ医が「事前指示書」を作成、救急隊員は搬送時にかかりつけ医と作成された「事前指示書」を確認しながら、対応相談できる仕組みを提供します。

  • (※)ACP:Advance Care Planningの略、愛称として「人生会議」と呼ばれる。患者が人生の最終段階における医療やケアについてあらかじめ考え、家族や医療介護の専門職など信頼できる人と話し合うこと。

大府市が持つ課題と今回のプロジェクトでの取り組み概要

救急連携の地域課題

大府市消防本部では、独居高齢者の救急搬送活動時に現地(高齢者自宅)での情報収集活動に関して以下の課題を有していました。

  1. 現地(高齢者自宅)での情報収集に時間がかかり、搬送先の選定が遅れる
    • (※)市では消防と連携して、高齢者や障がい者が住む家庭に、緊急連絡先やかかりつけ医、困った時に支援を望む内容などを記載する「おおぶ・あったか あんしんヘルプカード」を無料で配布し、自宅冷蔵庫などへの貼付を呼びかけているが、情報掲示がされていなかったり、記載された情報が古いことも多い
  2. 市では、独居高齢者台帳の作成を地域の民生委員の協力を得て実施しているが、紙の書類による管理で、掲載された緊急連絡先や支援を望む内容を救急隊員にデータ連携することができない
  3. 市では近年ACP(人生会議)に関して市民に広報活動を行い、人生の最終段階における医療やケアについてあらかじめ考え、家族や医療介護の専門職など信頼できる人と話し合うことを啓蒙しているが、救急搬送時に、かかりつけ医が作成した事前指示書を救急隊員に連携し、対応相談できる手段がない

災害連携の地域課題

  1. 災害発生時は、避難支援を必要とする市民(独居高齢者、障がい者、医療的ケア児など)に関して、個別避難計画書を作成しているが、実際の災害発生時に、安否確認とその結果の情報共有ができない

今回、「おぶちゃん連絡帳(電子@連絡帳)」に「救急情報連携」および「災害時連携」のサービスを追加し、新たに救急・災害連携システムを構築することで以上の課題を解決し、行政・消防職員、医療・介護関係者が連携して、市民生活の安心・安全をこれまで以上に強固に守ります。

救急・災害連携システム概要

救急情報連携システム

「おぶちゃん連絡帳(電子@連絡帳)」に救急情報連携機能を追加し、連絡帳を通じて要援護者台帳に掲載された緊急連絡先や支援を望む内容を救急隊員にデータ連携できるようにすることで、救急隊員は、親族等の緊急連絡先・医療介護関係者情報を確認し、搬送判断や搬送先調整に活用できます。
また、患者が家族・医療介護関係者と話し合いを重ねたACP情報をもとに、かかりつけ医が作成した「事前指示書」を「おぶちゃん連絡帳(電子@連絡帳)」を利用して救急隊員に共有することで、救急搬送時に消防隊員はかかりつけ医と相談し搬送判断を行うことができ、本人・家族の希望を踏まえた医療対応を行います。

  • (※)事前指示書のデータ連携は実証実験として実施します。

連携イメージ

救急搬送時の情報確認画面イメージ

災害時連携システム

新たに「おぶちゃん連絡帳(電子@連絡帳)」に災害時連携機能を追加し、災害発生時に避難支援を必要とする市民(独居高齢者、障がい者、医療的ケア児)の自宅住所情報(地図連携)を開放し、医療介護関係者による安否確認結果や避難状況の情報を本部(大府市)にデータ連携し報告できる機能を構築します。

「おぶちゃん連絡帳(電子@連絡帳)」は医療介護機関が参加し、平時は在宅医療・介護連携に使われていますが、今後、医療介護関係者が日常の業務で集めた市民を支援する情報を救急・災害時にも利用することで、より一層の支援の充実を図っていきます。また、「おぶちゃん連絡帳(電子@連絡帳) 」に、市民を支援する団体・民間企業を追加することで、医療介護関係者の業務負担を軽減し、市民の安心・安全なくらしをデータ連携で支えていきます。

参考情報

IIJ電子@連絡帳サービス

IIJ電子@連絡帳サービスは、名古屋大学医学部附属病院 先端医療・臨床研究支援センターが開発した情報共有ツール「電子@連絡帳」を、同センターとの共同研究によりクラウド型サービスとして商用化したもので、高齢者や児童福祉等の在宅医療介護に関わる専門職(医師、看護師、薬剤師、介護ヘルパー、ケアマネジャー等)が相互に情報連携するためのICTプラットフォームとして、2017年4月より全国に提供しています。IIJは各行政が運営する51の在宅医療介護連携推進協議会に参画し、各地域のICTを活用した在宅医療介護連携の推進を支援しています。また、愛知県では48の行政で「電子@連絡帳」広域連携協定が締結され、二次医療圏を越えた医療介護福祉連携が行われています。

大府市長のコメント

「デジタル田園都市国家構想交付金(Type1)」事業に、大府市・IIJが共同提案を行った「おぶちゃん連絡帳(電子@連絡帳)のデータ連携による救急・災害時の情報連携強化事業」が選定されました。
今回、大府市が医療介護連携で利用する「おぶちゃん連絡帳(電子@連絡帳)」に、救急・災害発生時に大府市が保管する高齢者独居台帳の家族等の緊急連絡先データを消防等に連携できる機能を追加しました。また、市民が家族・医療介護専門職と話し合いを積み重ねたACP(人生会議)情報から、かかりつけ医がまとめた事前指示書を救急隊員と連携、救急搬送時にかかりつけ医と連携する実証も開始します。
今後も市民の日常生活を支援する様々なデータを、行政職員、医療・介護関係者、消防が連携し、安心・安全な市民生活を支えていきます。

大府市長 岡村秀人

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