9月27日(火)11時 Review(論考)公開
[本文はこちら] https://www.tkfd.or.jp/research/detail.php?id=4073
新型コロナウイルスのワクチン接種間隔を3カ月に短縮することが政府によって検討されています。ワクチン接種時期をはじめ、この秋冬に予想される流行「第8波」の時期を予測し、対策を講じるために、国内の集団免疫レベルを推計することは重要です。
この度、東京財団政策研究所(*)では、2022年9月27日現在の主要な12都道府県に対する集団免疫レベルの推移を推計し、その結果をReview(論考)として公表いたしました。
(*) 「ポスト・コロナ時代における持続可能かつレジリエントな医療・看護・介護システムの構築に関する研究」プログラム(渋谷健司研究主幹)における國谷紀良プログラムメンバー(神戸大学大学院システム情報学研究科准教授)を中心とする研究班
[Review概要]
1. 2022年9月27日現在の主要な都道府県(北海道、宮城、埼玉、東京、神奈川、愛知、京都、大阪、兵庫、広島、福岡、沖縄)におけるCOVID-19に対する集団免疫レベルの推計を行った。
2. 第7波による多くの自然感染を経て、どの都道府県でも集団免疫レベルは高まっており、今後、数週間から最大で数ヶ月程度は新型コロナによる感染拡大を抑えることが可能と考えられる。
3. 特に、人口に対する感染報告数の多い東京、大阪、沖縄などでは自然感染による免疫がワクチンによる免疫を大きく上回っており、全人口の50~70%に達している。一方、北海道や宮城などではワクチンによる免疫が自然感染による免疫を上回っていることが示された。
4. 社会経済活動を維持し、健康被害を最小限にするためには、定期的なワクチン接種と自然感染の組み合わせによる免疫獲得を維持していく必要がある。しかし、ワクチンによる免疫はどの都道府県でも減少傾向にあるため、免疫が低下したタイミングで第8波が起こる可能性は否定できない。シミュレーションによる将来予測は、高齢者や基礎疾患を有するハイリスク群における五回目の接種時期を検討する上で重要な意義をもつと考えられる。
[研究プログラム]
「ポスト・コロナ時代における持続可能かつレジリエントな医療・看護・介護システムの構築に関する研究」
https://www.tkfd.or.jp/programs/detail.php?u_id=33
「健康危機に対するヘルス・レジリエンスの構築に関する研究」
https://www.tkfd.or.jp/programs/detail.php?u_id=35
[執筆者]
國谷 紀良 研究協力者 (神戸大学大学院システム情報学研究科 准教授)
徳田 安春 東京財団政策研究所主席研究員
中村 治代 東京財団政策研究所研究員
諸見里 拓宏 東京財団政策研究所主席研究員
渋谷 健司 東京財団政策研究所研究主幹
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◇◆東京財団政策研究所の方向性◆◇
戦後75年が過ぎ、国内外を問わず、社会の大きな転換が進んでいます。この大転換は、戦後の政治・経済・社会の体制から本格的に脱皮し、市民一人ひとりが独立した人間として自らの人生と社会の充実、国家の再生、平和の維持に携わる新しい時代を日本にもたらしています。また、この新たな時代を創るための政策研究・実践のイノベーター(革新者)として、戦後の体制からの独立した政策シンクタンクが必要とされています。
当財団の研究部門は、この大転換期が求める日本再生のイノベーターを目指します。
◇◆取り組む分野◆◇
国際情勢と歴史認識への冷静な視座のもと、下記5領域で約30の研究プログラムを並行して進めています。
I. 経済・財政、環境・資源・エネルギー
II. 健康・医療・看護・介護
III. 教育・人材育成、雇用・社会保障
IV. 科学技術、イノベーション
V. デジタル革命、デジタル化による社会構造転換
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URL:
https://www.tkfd.or.jp/