法務大臣閣議後記者会見の概要-令和6年8月15日(木) - ●岸田首相の自民党総裁選挙への不出馬 ●靖国神社への参拝・真榊の奉納

2024/08/15  法務省 

法務大臣閣議後記者会見の概要

令和6年8月15日(木)

今朝の閣議では、法務省請議案件はありませんでした。
続いて私から3件、御報告させていただきます。
はじめに、8月3日土曜日から8月9日金曜日の日程で、ウクライナ、ポーランド及びオランダを訪問してまいりました。その御報告を簡単に申し上げます。
ウクライナでは、司法大臣、検事総長等と会談を行い、今後の協力関係について意見交換を行いました。
また、ウクライナ司法省との間で、包括的な協力覚書の署名・交換も行いました。
現在ウクライナ政府が進めている汚職対策、司法制度改革、人材育成、こういった点についての支援を我々もさらに進め、この覚書に基づいて検討を始めましょうという合意を作ったわけです。
2か国目のポーランドでは、法務大臣及び内務・行政大臣との意見交換を行い、共に協力してウクライナ及びウクライナ避難民の支援を行っていこうという考え方について、基本的な合意と共通認識を得ることができたというふうに思います。
また、3か国目のオランダでは、国際刑事裁判所(ICC)の赤根所長らとお会いし、検事派遣を含む協力関係について意見交換を行いました。
特に私からは、法の支配の理念のもと、ICCを我が国がしっかりと支えていきますということを、改めて申し上げたところです。
いずれの国においても、本当に気持ちが通じ合う、緊密な意見交換を行うことができまして、所期の目的を達することができ、実りの多い訪問であったというふうに感じております。
2件目は、外国人支援コーディネーター養成研修の開始についてです。
「外国人との共生社会の実現に向けたロードマップ」に基づいて、外国人の抱える様々な問題を適切な解決に導くことができる専門人材を育成しようということで、外国人支援コーディネーターの育成・認証制度について検討してまいりましたが、8月13日から、国・地方公共団体が運営する外国人向けの相談窓口等において、相談対応に当たっていただいている60名を対象として、研修を開始いたしました。
外国人支援コーディネーターの役割には、生活上の困りごとを抱える外国人の相談に応じ、解決まで導く「相談対応支援」と、生活上の困りごとの発生をあらかじめ予防するための情報提供等を行う「予防的支援」の2つがあります。
この2本柱を中心に、養成研修では、外国人の在留状況等を正確に把握するために必要な知識、また、外国人の複雑・複合的な相談内容に対して適切な解決策まで導くための必要な知識及び技術を学んでいただくこととしております。
今後、外国人を支える専門家の役割はますます大きくなっていくと思われます。
今回の研修では60名を対象としていますけれども、この研修についても今後順次、拡大を図っていきたいと考えております。
3件目は、来週8月21日水曜日から8月27日火曜日までの7日間、全国の法務局において実施します「全国一斉『こどもの人権相談』強化週間」について申し上げます。
この週間中は、「こどもの人権110番」による電話相談及び「LINEじんけん相談」について、受付時間の延長、土日も相談に応じるなど、相談体制を積極的に強化してまいります。
夏休みが終了して、学校の再開が見えてくるこの時期、学校での生活に悩みを抱えて不安を覚えているこどもたち、またその保護者の方々などに、是非フリーダイヤル0120-007-110(ぜろぜろななのひゃくとおばん)におかけいただき、法務局へ相談していただきたいというふうに思います。
昨年、この強化期間中には期間外に比べて、1.6倍の利用がありました。
報道機関の皆様におかれましても、「こどもの人権SOSミニレター」の周知広報なども含めて、この「こどもの人権110番」の周知広報に、是非御協力いただければ幸いであると思います。
8月21日から始まりますこの週間に向けて、私からのメッセージを改めてお伝えしたいと思いますが、「こどもの人権110番」や「LINEじんけん相談」に悩みを相談したことによって、いじめが解消して学校に通えるようになったケースなど、悩みが解決した人もたくさんいらっしゃいます。
新学期に向けて不安を感じている皆さん、是非1人で悩まずに、まず法務局に相談してください。保護者の方にも、是非相談を寄せていただくよう、お待ちしているところです。

岸田首相の自民党総裁選挙への不出馬に関する質疑について

【記者】
岸田文雄首相が、昨日14日ですけど、9月に予定される自民党総裁選に出馬せず、退陣する意向を表明しました。
岸田内閣の一員として、大臣の受け止めをお聞かせください。

【大臣】
昨日、岸田総理が、次期自由民主党総裁選挙に立候補しないということを表明されました。
お尋ねについて法務大臣としてお答えする立場にはないと思います。
政治家として、総理にも様々な思いがおありになると思います。
まだそれを推し量れる段階ではないですが、総理が色々と考えを巡らし、思いを巡らし、その中で出された御決断ですので、大変重たいものがあるというふうに思います。
少なくとも、この内閣がある限りは、岸田内閣の一員として、総理も同じ思いだと思いますけれども、担当する諸課題の解決、所掌事務に最後の最後までしっかりと全力で取り組んでいくということが大事なことであり、総理も常々おっしゃっているお言葉の中に、そういう意思を私も感じてきましたので、しっかりと最後まで取り組んでいきたいと思っております。

靖国神社への参拝・真榊の奉納に関する質疑について

【記者】
本日は終戦の日でありますが、大臣は靖国神社への参拝や、また真榊を奉納するといったことをされるお考えがあるかどうかお聞かせください。

【大臣】
それはやはり、基本的に個人としてどう考えるか、どう判断するかという問題ですので、そうした個人の、私の心の中で考え、また感じ、その中で適切に判断していきたいというふうに思っております。

(以上)