UEL 3次元統合CAD/CAMシステム「CADmeister 2022」を提供開始

2022/09/12  UEL 株式会社 


2022 年 9 月 12 日

UEL 株式会社
3 次元統合 CAD/CAM システム「CADmeister 2022」を提供開始
~CAM 機能を大幅リニューアル、設計・製作ともに最適化を図り、型製作時間の短縮に貢献~

UEL 株式会社(旧社名:日本ユニシス・エクセリューションズ株式会社、以下 UEL)は、3 次元統合 CAD/CAM システムの新バージョン「CADmeister 2022(キャドマイスター 2022)」を、2022 年 9 月から販売開始します。

CADmeister は、2005 年 7 月に販売を開始し、国産唯一の 3 次元統合 CAD/CAM システムとして、金型メーカーを中心に、累計で 30,000 シート以上採用されています。

UEL は、今後も市場動向やお客さまの声を製品に反映させ、CADmeister の機能強化・改善を積極的に行い、製造業における国際競争力の維持拡大、設計/生産業務のさらなる効率化に貢献します。

【概要】

「CADmeister 2022」では、金型製作の高品位・高効率加工の実現のため CAM をリニューアルし、加工機能を強化しました。また、IoT や解析技術との連携による 3D 設計の最適化ならびに後工程との連携強化により、型製作期間の大幅な短縮に貢献します。

【バージョンアップ機能】

「CADmeister 2022」で強化した主な機能は、以下の 4 点となります。

1.CAM 機能強化

●高品位・高効率加工機能

2009 年からアライアンスを組んでいる株式会社 C&G システムズ(本社:東京都品川区、社長:塩田 聖一氏、以下 CGS)の製品 CAM-TOOL の 3DCAM 全機能(パス計算エンジン、パス最適化機能など)を搭載した「CAMX(キャムエックス)」を追加しました。粗加工では、高速・高能率加工を可能にする滑らかで安定した切削負荷となるパス作成が行えます。仕上げ加工では、NCデータの構成点整列機能により、滑らかな加工動作と高精度の面品位を実現します。高硬度材の直彫加工により金型製作の高品位・高効率加工を実現します。

【図1:等高粗周回加工による高速粗加工】
【図2:等高仕上-高品位の構成点整列】

●無人加工促進機能

「ボタンダイ(注 1)穴形状作成機能」を追加しました。加工現場での現物合わせ(注 2)のために有人加工が多いプレス金型ボタンダイ穴加工の自動化が可能になりました。製品面形状とボタンダイサイズを考慮して穴深さを自動決定し、カス穴(注 3)、廻り止め穴形状の自動作成が可能です。CADmeister 穴あけ加工機能との連携で、工具干渉のないボタンダイ穴加工の自動化を支援します。

【図3:ボタンダイ穴形状作成の操作イメージ】
【図4:ボタンダイ穴加工】

2.3D 設計の最適化機能の拡張

●IoT-Visualization 機能拡張

成型現場における実態を IoT 技術により計測・可視化する機能を拡張し、1 ショット分(注 4)のたわみ量のカラーマップ表示や、たわみ量の変化を動的に確認できるようになりました。

これにより、プレス成型時のボルスタ(注 5)や下型のたわみ量を計測するセンサー情報を 3D 空間上に可視化し、変形量を確認することができます。

【図 5:たわみ変形表示】

3.金型向け 3D 設計専用機能の強化

●3DDL(注 6):スクラップカッターライン(注 7)検討(プレス金型)

スクラップカッターライン検討機能を追加しました。最大スクラップサイズなどの条件を入力すると、システムが検討したスクラップカッターラインが自動表示され、設計者がイメージに合わせて微調整を行い仕上げることができます。ダイレイアウト設計の中でも非常に手間のかかる作業の効率化を図りました。

【図 6:スクラップカッターライン検討】

●3D 型設計:加工限界確認(プレス金型)

後工程との連携強化機能として、工具干渉により機械加工が行えない箇所を 3D 設計データで事前に確認できる加工限界確認機能を追加しました。クイル、スリーブ、工具部のサイズなどの情報をもとに、加工できない箇所を 3D 設計データ上で確認できます。加工不具合を削減し、金型製作の短納期化を実現します。

【図 7:加工限界確認】

●離型解析機能(樹脂金型)

金型から樹脂製品を離型する際に発生する成形不良(変形、白化など)の原因と対策を考察・検証できる離型解析能の強化を行いました。

① 冷却工程/型開工程/突出工程のうち、冷却工程のみの解析実行
② アンダーカット部の考慮
③ 樹脂材料の指定

これらにより、キャビティ側(注 8)に製品が張り付いてしまう原因と対策の考察、コア側(注 8)の離型抵抗が強い部位のエジェクタピン(注 9)配置バランスの考察が、より正確に短時間でできるようになりました。

【図 8:離型解析機能】

4.直感的操作と視認性の向上

さまざまな角度からお客さまの作業を見直し、より直感的な操作と 3D モデルの視認性向上を実現しました。ストレスフリーな操作環境を提供します。

●コマンド選択の簡易化

「最近使用したコマンド」と「よく使用するコマンド」をポップアップメニューに追加し、コマンドを選択し易くしました。

●シェーディング(注 10)充実化

シェーディング方法の選択肢を刷新し、陰影や光の反射具合が異なる「滑らか」「アニメ」などを追加しました。材質切り替えも簡単な操作でできるようになりました。

【図 9:コマンド選択の簡易化】

【図 10:シェーディング充実化】

「CADmeister 2022」において、CADmeister を既に導入しているお客さまを含めて、今後 1 年間で約 5,300 ライセンスの販売を見込んでいます。

以上

注1:ボタンダイ
プレス成型のピアス型で板材に穴をあけるための構造の一つ。下型に設置する穴あけ時の受け側の部材。

注2:現物合わせ
物と物との位置を合わせる場合に、実際に存在する物の寸法に合わせて加工すること。現合(げんごう)とも呼ばれる。

注 3:カス穴
プレス成型のピアス型で打ち抜いたスクラップを落とす穴。

注 4:1 ショット分
プレス機でパネルを打つ際に上死点から下死点に向かって加圧し、再び上死点に戻るまでの 1 サイクル。

注 5:ボルスタ
プレス金型の下型を固定するための、プレス機に搭載されている厚板。

注 6:3DDL
3D ダイレイアウト。プレス金型設計の初期構想にあたる工程検討を 3D で設計すること。

注 7:スクラップカッターライン
プレス成型時のトリム型で、板材をトリムしてできるスクラップ(製品に不要な部位)を細かくカットするための部材の基準となるライン。

注 8: キャビティ・コア
射出成形用金型を構成する部品。上型(凹側)がキャビティ、下型(凸側)がコアと呼ばれる。

注 9:エジェクタピン
「Ejector」+「Pin」=「押し出す」+「棒」のことで、プラスチック射出成形の成形品を金型から取り外すための棒状の部品。

注 10:シェーディング
コンビューターグラフィックスの描画処理で、3D モデルに色や明暗のコントラストをつけて立体感を与える技法。

■関連 URL

3 次元統合 CAD/CAM システム「CADmeister」 https://www.biprogy-uel.co.jp/cadmeister/

※CADmeister は、UEL 株式会社の登録商標です。
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