コンタクトセンター向けCXソリューションを開発・提供するモビルス株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:石井智宏、以下当社)は、この度LINE MUSIC株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役:舛田 淳、以下LINE MUSIC)が提供する音楽配信サービス「LINE MUSIC」のLINE公式アカウントへ、サービス利用者からの問い合わせ対応を目的にチャットボット「MOBI BOT(モビボット(R))」およびモビルスが独自に開発したAI学習支援機能「MOBI BOT CONSOLE(モビボットコンソール)」を導入したことをお知らせします。
これにより、AIチャットボット運用と詳細な分析が自社内で可能になり、運用が効率化された結果、AIチャットボット利用者満足度が10%向上しました。さらにAIチャットボットとFAQサイトの連動により、問い合わせ発生からほぼリアルタイムでFAQサイトを更新できる環境が整備されました。これによりFAQサイトの更新頻度の向上および内容が充実することで自己解決率の約20%改善を見込んでいます。
■ 導入の背景
「LINE MUSIC」はLINE MUSICが運営する定額制音楽サービスです。定額制音楽サービスは近年競争が激しくなってきており、他サービスと差別化を図るためにも利用者とのコミュニケーションやカスタマーサポートの重要性が高まっています。
「LINE MUSIC」の主な利用者層は10~20代の若年層です。LINE MUSICでは、より一層の利用者数増加を目指し、現在の主な利用者層よりも上の世代の獲得を目指しています。そのため、上の世代も利用しやすいサービス開発や、カスタマーサポートの体制強化が求められていました。
LINE MUSICでは、これまで複数のSNS公式アカウントなどを通じて利用者とのコミュニケーションを図ってきました。その中でも、友だち数が3,400万人超のLINE公式アカウントでは、キャンペーン告知や質問への回答を通じて利用者とコミュニケーションを取ってきました。
特に、キャンペーンやサービスに関して質問が発生した利用者が、LINE公式アカウント内のチャットボットや、よくある質問をまとめたFAQサイト※1を通じて自身で解決策を見つけられるような環境を提供しています。これらを活用して解決策を見つけることができなかった利用者は、専用フォームからメールで問い合わせをすることが可能です。
現状、年間約2万通のメールがコンタクトセンターに寄せられていますが、そのうち30~40%は登録プランやアプリの機能に関するもので、うち40~50%は利用者がメールで問い合わせをすることなく、自身で解決策を見つけることができる内容でした。このことから、よりスピーディーに解決策を見つけることができる精度の高いチャットボットやFAQサイトに更新することで、利用者の満足度を向上させる余地があることがわかりました。
また、チャットボットの精度を高めるためには、LINE MUSICの社内で行っていたシナリオ編集※2や問い合わせに関する利用者動向のデータ分析など、難易度の高い業務を効率的に行うことができる運用の仕組みを確立する必要がありました。そこで、シナリオ編集が誰でも簡単にできることや、高度かつ使いやすい利用者動向などの分析機能があること、最適なコストで運用できる点が評価され、「MOBI BOT」および「MOBI BOT CONSOLE」の導入が決定しました。
※1 LINE MUSIC ヘルプセンター
https://help2.line.me/LINEMusic/android?lang=ja
※2 問い合わせ種別に合わせて回答を振り分け、適切な回答を提供するための仕組みづくり
■導入の概要
「MOBI BOT」は、AIやその他のシステムと柔軟に連携でき、問い合わせ対応から手続き処理を自動化させることができます。「MOBI BOT CONSOLE」は、チャットボットの精度向上を支援・効率化するAI機能としてチャットボット学習のPDCAを効率化させます。これにより、LINE MUSICでは構築の段階からモビルスのカスタマーサクセスの専任担当がつき要件定義や目標設定を行い、自走化に向けて、シナリオを設計、運用を開始しました。導入時に専任担当からのレクチャーを受けることで機能理解を深め、シナリオの編集やメンテナンス方法を習得しています。その後は、利用動向を見ながらデータを基に改修し、同時にAI学習も行い、安定的なAIチャットボット運用を実現しました。
また、FAQサイトは編集からデータ反映まで1時間を要していましたが、AIチャットボットとの連動により、修正が必要なタイミングに応じて即時反映できるようにしました。
■導入後の成果
・AIを活用しFAQサイトをほぼリアルタイムで更新・内容充実化、約20%の自己解決率改善を見込む
LINE MUSICでは以前は、FAQサイトの更新は、編集してから反映まで1時間を要していましたが、AIチャットボットの活用により問い合わせに対する適切な回答を迅速に作成・編集できるようになり、ほぼリアルタイムでFAQサイトの更新が可能になりました。FAQサイトの内容が充実化することで、問い合わせ前に利用者の自己解決が期待できるため、約20%の自己解決率の改善を見込んでいます。
・AIチャットボットの利用者満足度を10%向上
知見が豊富な専属カスタマーサクセスが担当者に併走し、導入前の要件定義やシナリオ構築支援から、導入後の運用分析・改善レポートの作成支援などの運用の自走化まで取り組みました。AI学習を活用して適宜シナリオを更新し、導入後間も無い中でも、AIチャットボットのシナリオ型の利用者満足度は10%向上され50%台を記録しました。今後はさらなる満足度向上を目指し、引き続き運用していきます。
・運用コストの適正化と、急激な利用者数増加にも対応する安定的な運営を同時実現
リプレイスによってお知らせ等のメッセージ送信費用に多額のコストが発生するおそれがありましたが、モビルスを採用し、適正な運用コストを実現しました。また、利用者数拡大に向けたキャンペーン時に、平均値と比べ約最大500%と利用者数が急激した際は、モビルスのカスタマーサクセスが併走し、必要なメッセージのみAIチャットボットに到達するようチャットボットシナリオを修正し、AIでの回答が必要な利用者が快適に利用できるよう調整を行いプロモーションの成功につながりました。
・AIチャットボット運用の自走化
チャットボットでのリクエスト受付やFAQとの連携だけでなく、利用者動向分析についてシナリオデータ集計等を活用したカスタマーサポート改善をスタートしており、AIチャットボット運用の自走化を実現しました。
■ 今後の展望
LINE MUSICは日本で機能開発している音楽配信サービスです。世界的に見ても音楽商品市場の大きい日本で、日本の利用者ニーズに応え、提供・開発できるサービスとして、また、LINEプラットフォーム含めLINEヤフーグループのアセットを活用し、他社がリーチできない利用者へアプローチできる強みを武器に、今後も成長が期待されます。
LINE MUSICの利用者サポートにおいては、AIチャットボットを通じて多数の利用者へサポートができる強みを活かし、サービス課題を抽出し改善につながる分析や発見ができるLINE公式アカウントとAIチャットボットの活用を掲げています。モビルスでは、利用者サポートをより良いものへと進化させるため、引き続き支援してまいります。
■ LINE MUSIC株式会社 プロダクト企画部プランニングチーム ご担当者さまコメント
CXの観点でも提供できる品質レベルが向上したと考えています。カスタマーサポートを行いながらマーケティングも確実に強化できています。多様な機能と企画を実現できるモビルスのフォローアップ体制があるので、弊社としてもAIチャットボットを活用した様々な挑戦ができています。
■ 「MOBI BOT」、「MOBI BOT CONSOLE」について
チャットボット「MOBI BOT」は、AIやその他のシステムと柔軟に連携でき、問い合わせ対応から手続き処理を自動化できます。MOBI BOTのオプション機能である「MOBI BOT CONSOLE」は、専門家に頼らず、チャットボットの精度向上を支援・効率化するためにモビルスが独自に開発したAI機能です。
・サービス詳細:
https://mobilus.co.jp/service/bot
■ モビルス株式会社について
モビルス(東証グロース:4370)は、クライアントの顧客のつまずきや課題へ先回りしたCX(顧客体験)のブランディング設計を行い、企業価値と経営収益向上へ貢献する会社です。そのために、新しいテクノロジーを取り込んだオペレーション支援生成AIサービス 「MooA(R)(ムーア)」 や、顧客コミュニケーションのノンボイス化とデジタル化を推進する有人チャットやボイスボットなどのSaaSソリューション「モビシリーズ」の開発を行っています。モビシリーズは500社以上に導入実績があり(2024年12月時点)、7年連続でチャットボット市場売上シェア1位※を獲得しています。
※ 出典:ITR「ITR Market View:対話型AI・機械学習プラットフォーム 市場2024」チャットボット市場:ベンダー別売上金額推移およびシェア(2023年度)
■ CX-Branding Tech. Labについて
「すべてのビジネスに、一歩先行くCXを。」をミッションに掲げるモビルスが、企業のCX向上を目的として運営するラボです。テクノロジーによるCXの課題解決、変革の促進を目指して、調査レポートやカオスマップ、導入事例の発表、セミナー開催、登壇、実証実験を通した研究開発などを企画・発信しています。
CX-Branding Tech. Lab:
https://mobilus.co.jp/lab/
会社名:モビルス株式会社
代表者:石井智宏
所在地:東京都港区芝浦一丁目1番1号 浜松町ビルディング15階
設立:2011年9月
上場市場:東京証券取引所 グロース(証券コード:4370)
事業内容:コンタクトセンター向けSaaSプロダクト(モビシリーズ)などのCXソリューションの提供
公式HP:
https://mobilus.co.jp