薄型基板内蔵キャパシタ材料の生産能力増強およびBCP体制構築

2022/07/28  三井金属鉱業 

2022 年7 月28 日

薄型基板内蔵キャパシタ材料の生産能力増強およびBCP 体制構築
~ マレーシア工場・上尾事業所の2 拠点で生産能力を約2.2 倍へ ~


当社(社長 納武士)は、銅箔事業部が生産している薄型基板内蔵キャパシタ材料「FaradFlex(R)(ファラドフレックス)」の生産能力増強およびBCP 体制構築を決定したことをお知らせいたします。

当社のFaradFlex(R)は、各種情報通信機器の高速化・大容量化に向けて大きな課題である通信ノイズを低減する材料として、高性能のルーター・サーバー機器やスーパーコンピュータ向けの高多層基板、スマートフォンに内蔵されるMEMS マイクロフォンなどに使用されており、極薄銅箔MicroThin(TM)や電解銅箔に続く将来の成長事業と位置付けております。

FaradFlex(R)は、足元5G 化の進展や、スマートフォンおよびワイヤレスヘッドセットなどへの当社品採用率上昇に伴って需要が増加しており、今後も市場の成長が見込めることから、FaradFlex(R)の生産拠点であるマレーシア工場(Mitsui Copper Foil (Malaysia)SDN.BHD.)で生産能力を増強することといたしました。

加えて、上尾事業所にFaradFlex(R)の生産設備を新たに導入し、マレーシア工場と上尾事業所の2拠点で生産することでBCP 体制を構築いたします。

今般のマレーシア工場における生産能力の増強は2022 年10 月に、上尾事業所における生産設備の導入は2023 年10 月に完了する予定です。これにより、FaradFlex(R)はマレーシアおよび上尾の2拠点生産体制で、現在の約2.2 倍の生産量となります。当社は、生産能力増強およびBCP 体制の構築により、引き続きお客様への安定供給に努めてまいります。

当社は、パーパスである「探索精神と多様な技術の融合で、地球を笑顔にする。」を基軸に、2030年のありたい姿である全社ビジョン「マテリアルの知恵で “未来” に貢献する、事業創発カンパニー。」を実現することで、サステナブル(持続可能)な社会作りに貢献します。

以上

【お問い合わせ先】
三井金属 経営企画本部 コーポレートコミュニケ―ション部
TEL:03-5437-8028 E メール:PR@mitsui-kinzoku.com

【ご参考】
1.FaradFlex(R)の構造
FaradFlex(R)は、3~25um の極薄絶縁層を銅箔(厚さ18~70μm)でサンドイッチ状にした構造の材料。基板に内蔵されたFaradFlex(R)で、キャパシタとなる回路を形成する。

FaradFlex(R)を含むプリント配線板断面図

FaradFlex(R)(銅箔/絶縁層/銅箔の3層構造)

2.基板内蔵キャパシタの使用イメージ
FaradFlex(R)を使用することで、ICの直下にキャパシタ層を形成することができる。ICとキャパシタ層の距離を縮めることで、通信ノイズを低減することができる。
基板内にFaradFlex(R)内蔵

3.基板内蔵キャパシタの使用例

(電子部品内蔵基板)
FaradFlex(R)を使用することで、キャパシタを基板に内蔵することができる。基板上に実装される部品が減り、基板上の実装部品密度が下がるため、基板面積を縮小することで小型化が可能になる。

*Courtesy of Gary Ferrari, FTG 提供

(MEMSマイクロフォン)
FaradFlex(R)使用によりキャパシタチップが不要となるため、小型化することができる。

FaradFlex(R)を使用した
キャパシタ層

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