RE100の達成時期を2035年度に前倒し、新たにカーボンニュートラル目標を設定

2024/09/20  株式会社 村田製作所 

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RE100の達成時期を2035年度に前倒し、新たにカーボンニュートラル目標を設定

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2024/09/20

株式会社村田製作所
代表取締役社長 中島 規巨

株式会社村田製作所(以下、「当社」)は、国際社会における気候変動対応の加速が急務となるなか、再生可能エネルギー(以下、「再エネ」)100%使用達成目標時期の15年前倒しと、2040年度に自社による温室効果ガス(以下、「GHG」)排出量を実質ゼロに、2050年度にはサプライチェーン含めたGHG排出量実質ゼロに向けた新たなカーボンニュートラル目標の設定を決定しました。これにより気候変動対策の強化を加速させ、持続可能な社会の実現に貢献します。

当社は経営理念である「文化の発展」と「科学的管理の実践」を大切にモノづくり企業として事業活動を営みながら環境への取り組みを進め、気候変動対策について高い目標を掲げ実行してきました。

近年の異常気象の増加や気候変動にまつわる国際情勢の変化を受けて、当社として現行計画から再エネ導入計画を前倒し、脱炭素の新目標を設定することで気候変動の緩和に貢献します。

当社の取り組みが加速することで、当社の製品を使用いただくお客様、ひいては社会全体の環境負荷の低減に貢献し、持続可能な社会の実現を目指します。

1. RE100達成時期を2050年度から2035年度に前倒し

まず、事業活動における使用電力の100%再エネ化、すなわちRE100の達成時期目標を従来の2050年度から15年前倒し、2035年度に設定します。

これまでに当社敷地内での太陽光発電設備の設置、フィジカル・バーチャルPPAの契約による追加性のある安定的な再エネ調達など、取り組みを強化してきました。その結果2023年度にはムラタグループ全体で再エネ導入比率は36.5%になり、中期方針2024で目標とした2024年度同比率25%を前倒し超過達成しました。今後は再エネ調達の取り組みを更に加速させるとともに、新たな調達手段を検討し2035年度に100%再エネ化を目指します。

2.GHG排出量の実質ゼロに向けた新たな目標の設定

RE100達成にむけた取り組みの加速と並行し、燃料やガス消費に伴うGHG排出量の削減もすすめ、2040年度にScope1+2のGHG排出量の実質ゼロ(カーボンニュートラル)と2050年度にScope3を含むサプライチェーン全体におけるカーボンニュートラルを目指します。*1

Scope
継続目標 新規目標
Scope1+2
(工場での製品製造、事業所での使用電力などに自社利用によって排出する領域)
SBT1.5°C目標として、2030年度までに基準年2019年度比46%削減 2040年度にカーボンニュートラル
Scope3
(原料調達や製品輸送、廃棄などScope1+2以外に間接的に排出する領域)
SBT WB2℃目標*2として、2030年度までに基準年2019年度比27.5%削減 2050年度にカーボンニュートラル

当社は2021年にSBTi*3により認証を受け、2030年度までにScope1+2のGHG排出量46%の削減目標(1.5℃目標)、Scope3は27.5%の削減目標(WB2℃目標)を掲げ、これまで削減活動を進めてきました。

Scope1の排出量削減においては、毎年約500件におよぶ新規の省エネ施策を計画・実施し、4-5万トンのCO2削減相当の効果をもって事業拡大に伴うエネルギー消費の増加を抑制させてきました。今後は更なる省エネの推進・燃料の見直しや生産過程で大気放出するGHGの排出抑制を進めていくとともに、どうしても除去できないGHGについてはクレジットによるオフセットを活用し、目標を達成します。

Scope3については、2023年度には200社以上の仕入先様に向けて当社の目指す姿をご説明し、ご理解とご協力をお願いしました。一部の仕入先様には訪問とヒアリングを実施し、データの精緻化に着手しています。ほかにも、当社ではモーダルシフトや積載効率向上を実施し、物流にともなう伴う排出量削減にも取り組んできました。
仕入先様をはじめとするさまざま様々なステークホルダーの皆様にもご協力をいただきながら、データの精緻化と並行して削減のための取り組みを加速していきます。

ムラタグループはグローバルの社会課題解決に貢献するために、「気候変動対策の強化」を重要課題として設定し、脱炭素社会の実現に向けた取り組みを進めています。2050年度の新たな目標を掲げ、環境負荷の低減を通して経済価値と社会価値の好循環を目指します。

*1 自助努力により基準年比90%削減ののち、残余排出量については国際的に認められたクレジットの活用を予定
*2 パリ協定(世界の気温上昇を産業革命前より2℃を十分に下回る水準(Well Below 2℃:WB2℃)に抑え、また1.5℃に抑えることを目指すもの)が求める水準
*3 Science Based Target initiative 科学的根拠に基づいた目標とその認証団体

参考リンク:

国際的な環境イニシアティブ「RE100」に加盟―2050年までに事業活動での再生可能エネルギーの利用100%を目指す― | 村田製作所 (murata.com)
温室効果ガス削減目標でSBT認定を取得 | 村田製作所 (murata.com)
質の高い炭素除去を目的として、Appleが主導するRestore Fund に出資 | 村田製作所 (murata.com)
気候変動対策の強化 | 村田製作所 (murata.com)
TCFDへの対応 | 村田製作所 (murata.com)

その他再エネ推進に関するリリース:

中国電力とのグリーン電力などの供給に関する契約締結について―2030年度までに中国エリア生産拠点の電力50%を再エネ化― | 村田製作所 (murata.com)
カーボンニュートラル社会の実現に向けた協業の枠組みに合意~日本最大級のバーチャルPPAを活用した再生可能エネルギー由来の電力調達に関する検討を開始~ | 村田製作所 (murata.com)
追加性を重視したバーチャルPPAをレノバと締結 ~新規開発のNon‐FITおよびFIP太陽光発電所から環境価値を調達し再エネ化を加速~ | 村田製作所 (murata.com)

ムラタについて

村田製作所はセラミックスをベースとした電子部品の開発・生産・販売を行っている世界的な総合電子部品メーカーです。独自に開発、蓄積している材料開発、プロセス開発、商品設計、生産技術、それらをサポートするソフトウェアや分析・評価などの技術基盤で独創的な製品を創出し、エレクトロニクス社会の発展に貢献していきます。

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