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最終更新時刻:17時16分

再生医療医 飯塚 翠医師(M再生クリニック院長)との顧問契約について

2022/06/28  ホソカワミクロン 株式会社 

2022 年 6 月 24 日

M 再生クリニック/飯塚 翠 院長 と 再生医療技術を応用した
ナノテク機能性美容化粧品・育毛剤等の製剤開発に関する技術顧問契約の締結

ホソカワミクロン株式会社マテリアル事業本部 製薬・美容科学研究センターは、本年6月24日に美容外科医で再生医療医である飯塚 翠医師(医療法人社団 啓神会 M 再生クリニック院長)と美容技術に関する顧問契約を締結しました。

昨今,先端再生医療の現場では,失われた細胞を再生して補い,組織の機能を回復させる働きを持つ細胞(=幹細胞)の研究,臨床応用が本格化してきています.飯塚医師が院長を務める M 再生クリニックは再生医療専門クリニックとして 2019 年から幹細胞を用いた治療を行える医療機関として,「自己脂肪組織由来間葉系幹細胞の慢性疼痛治療」や「自己脂肪組織由来間葉系幹細胞の関節内投与による変形性関節症治療」などを提供しています.クリニック併設の生命科学研究所では再生医療等安全性確保法のもと一貫して再生医療や化粧品GMP に準拠した培養上清液の生産が行える体制が整っています.

これに関連し当社の化粧品・育毛剤 ODM 事業分野においては,昨今,「幹細胞の培養上清液を配合したコスメ(“ヒト幹細胞コスメ” と呼ばれるが,実際には幹細胞は入っていない)」の市場が急拡大しています.この培養上清液とは,幹細胞を培養した後,その幹細胞および不純物を取り除き上澄み部分だけを分離した液体です.その中には様々なグロスファクター(細胞増殖促進因子)やサイトカイン(生理活性物質)などが含有されていることから,美容クリニックやエステサロンで求められる様々な機能性化粧品への配合が進められています.しかし,培養上清液は,①皮膚浸透性の良くない高分子(分子サイズが大きすぎて皮膚の間隙に浸透しずらい)であることや,②保存安定性が悪い(温度や雑菌などで失活しやすい)ことから,従来の化粧品製剤技術では培養上清液の本来有している様々な特徴を十分に生かしきれていないと考えています.当社ではこれら課題に対し,独自 DDS※1素材である PLGA ナノカプセル※2に培養上清液を封入することにより,培養上清液の浸透性と保存安定性を大幅に改善させ,培養上清液の有用性を高めた化粧品開発に成功しています. 今後の“ヒト幹細胞コスメ”の高品質・高機能化には,より優れた幹細胞から安全・安心に向け高い技術力で管理された製法で作製される“培養上清液”を“PLGA”でナノカプセル化し,そのナノカプセルを配合したコスメ開発の取組みが効果的であると考えていました.

以上の背景から当社では,臨床応用の場から生まれた M 再生クリニックの優れた機能と安全性を兼備した培養上清液と当社ナノカプセル技術(DDS)をコラボレーションさせた機能性化粧品の開発を昨年から手掛けてきました.この共同開発成果の第一弾として,飯塚院長が監修した「まつ毛美容液」が本年の 9 月よりホソカワミクロン化粧品株式会社から販売が開始されます.さらに今回開発されたカプセル化培養上清液は今後,自社製品向けだけでなく,当社の化粧品 ODM 事業において広く利用し販売していきます.

本コラボレーションの強化による浸透型培養上清液配合高機能化粧品の開発に向け,当社製薬・美容科学研究センターでは,飯塚院長を新たに技術顧問として招聘し,今後の共同研究体制下での「培養上清液」×「ナノ・ドラッグデリバリーシステム(PLGA ナノ粒子技術戦略※3)」に関する有益なご指導,ご助言等を頂いていきます.

存在感を増しつつある,“ヒト幹細胞コスメ”の成長分野において,当社は M 再生クリニックと技術提携しながら,エビデンスに立脚した高品質でより安全・安心な培養上清液を用いるナノカプセル型機能性化粧品開発のプラットフォームを強化,底上げし,本成長分野でのマテリアル事業(新製品開発,既存製品高品質化※4,ODM 事業)展開の加速を図って参ります.

※1 ドラッグ・デリバリー・システム(DDS):DDS とは、必要量の有効成分(薬等)を必要な濃度・量で必要な部位へ送達するシステム技術であり、当社技術はナノ粒子がシステムを構築する。

※2PLGA:乳酸・グリコール酸の共重合体。体内成分である乳酸とグリコール酸から合成された生体内分解・吸収性(生体適合性)の安全性の高い基剤であり、当社では川嶋先生の発明法でナノ粒子化されている。化粧品で多用されてきたマイクロプラスチックの海洋投棄(汚染)の問題のない、環境にやさしい加水分解性材料であり、SDGs(持続可能な開発目標)の目標 14.の「海の豊かさを守ろう」に合致した基剤である。

※3 当社は 2001 年の川嶋先生らと共同提案「生体適合性高分子ナノコンポジット粒子を応用した DDS 開発」が NEDO 基盤技術研究促進事業(通産省)に採択された。翌年、川嶋研究室から PLGA 製法・製剤化の技術導入を進め、化粧品事業や DDS 受託研究事業を立ち上げている。

※4 URL https://www.hosokawamicron-cosmetics.com/

《飯塚 院長 ご経歴》
飯塚 翠(めしつか みどり)
2008 年 北京大学医学部卒業,日本・中国医師免許保有
日本美容外科学会(JSAS),日本皮膚科学会,日本再生医療学会,日本先進医療医師会(JAMA) 等の正会員

北京大学付属医学部第三病院、日中友好病院、ハーバード医学部付属 Massachusetts General Hospital、Eye & Ear Infirmary、東京大学付属病院、女子医科大学病院を経て、湘南美容クリニックで美容外科医として勤務した後、2019 年に M 再生クリニックを設立。 得意な施術はアンチエイジングや婦人科形成で、症例数は 30,000 例以上。近年はメディア・海外講演なども多く活動している。
URL https://www.mrclinic.tokyo/

<問い合わせ先>
マテリアル事業本部長
辻本 広行
TEL 072-855-2021 〒573-1132 大阪府枚方市招提田近 1 丁目 9 番地

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