治療歴を有する転移性大腸がんに対するFRUZAQLAの欧州委員会による承認について

2024/06/24  武田薬品工業 株式会社 

治療歴を有する転移性大腸がんに対するFRUZAQLAの欧州委員会による承認について | 武田薬品

治療歴を有する転移性大腸がんに対するFRUZAQLAの欧州委員会による承認について

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June 24, 2024

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  • 国際共同第3相FRESCO-2試験の肯定的な結果に基づく承認
  • FRUZAQLA(フルキンチニブ)は、EUにおいてここ10年以上の間で初の、バイオマーカーの状態にかかわらない転移性大腸がん(mCRC)に対する新規分子標的治療薬

当社は、2024年6月21日(米国時間)、フッ化ピリミジン系抗悪性腫瘍剤、オキサリプラチン、およびイリノテカンを含む化学療法、抗VEGF療法ならびに抗EGFR療法による治療歴があり、トリフルリジン・チピラシル塩酸塩配合剤又はレゴラフェニブのいずれかによる治療中に進行したもしくはこれらに不耐の転移性大腸がん(mCRC)成人患者さんに対する単剤療法として、FRUZAQLA(一般名:フルキンチニブ)が欧州委員会(EC)によって承認されましたのでお知らせします。本決定は、2024年4月25日の欧州医薬品評価委員会(CHMP)からの肯定的見解と2023年11月8日のオキサリプラチンおよびイリノテカンを含むレジメンによる治療歴のあるmCRCの成人患者さんに対する米国食品医薬品局(FDA)による承認に続くものです1,2

Vall d´Hebron Institute of Oncology (VHIO)の取締役であるJosep Tabernero, MD, PhD,は「転移性大腸がんの患者さんは、疾患と治療の副作用の両方に起因する多くの困難に直面しています。この疾患の複雑な性質を考慮すると、化学療法以外の経口分子標的薬の治療選択肢であるフルキンチニブのような革新的な治療を導入することが不可欠です。適切な患者さんに新たな治療選択肢を提供できることを楽しみにしています」と述べています。

今回の承認は、国際共同第3相試験であるFRESCO-2試験の結果に基づいています。本試験では、治療歴を有するmCRC患者さんを対象としてFRUZAQLA+最良の支持療法(BSC)群とプラセボ+BSC群を比較検討しました。FRESCO-2試験は、有効性に関する主要評価項目および重要な副次評価項目をすべて達成し、前治療の種類にかかわらず、FRUZAQLAの投与を受けた患者さんで一貫した効果を示しました。FRUZAQLAはFRESCO-2試験において管理可能な安全性プロファイルを示しました。投与中止に至る有害事象の発現率は、プラセボ+BSC群では21%であったのに対し、FRUZAQLA+BSC群では20%でした。FRESCO-2試験のデータは、2023年6月にThe Lancet誌に掲載Go to https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(23)00772-9/abstractされました3

当社のグローバル オンコロジー ビジネス ユニットのプレジデントであるTeresa Bitettiは、「本日の承認はEUにおける大腸がんコミュニティにとって重要な瞬間です。治療歴のある転移性大腸がん患者さんは、この10年以上で初めて、バイオマーカーにかかわらず使用可能な新たな標的治療薬の選択肢を手にしました。当社は管理可能な安全性プロファイルを有し、前治療の種類にかかわらず有効となりうる新規治療選択肢を患者さんにお届けすることを楽しみにしています」と述べています。

FRUZAQLA(フルキンチニブ)について

FRUZAQLAは、3つすべてのVEGF受容体(1/2/3)に対する選択性を有する経口阻害薬です。VEGFR阻害薬は腫瘍血管新生の阻害において極めて重要な役割を果たします。FRUZAQLAは、標的外のキナーゼ活性を最小限に抑えることにより、高い選択性を有するようデザインされており、高い薬物曝露、持続的な標的阻害、併用療法の一部として使用する柔軟な可能性を有しています。

当社は中国本土、香港、マカオ外でのフルキンチニブのグローバル開発、商業化および製造をさらに進めるための独占的ライセンスを有しています。FRUZAQLAは2023年11月に米国食品医薬品局(FDA)により承認されました。2023年9月に、日本の医薬品医療機器総合機構(PMDA)への申請を行いました。フルキンチニブは中国ではHUTCHMED社により開発および販売されています。フルキンチニブは2018年9月に中国国家食品薬品監督管理局(NMPA)により販売承認され、2018年11月に中国でELUNATE(R)の販売名で上市されました。

CRCについて

CRCは、結腸または直腸から発生するがんです。国際がん研究機関によると、CRCは世界で3番目に多いがんであり、2022年には1,900,000人以上が新たに診断され、900,000人以上の死亡が報告されました。欧州では、2022年にCRCは2番目に多いがんであり、約538,000人が新たに診断され、248,000人の死亡が報告されました4 。米国では、2024年に153,000人がCRCと診断され、53,000人がCRCにより死亡すると推定されています5。日本では、2022年にCRCは最も多いがんであり、145,000人以上が新たに診断され、60,000人の死亡が報告されました4。早期CRCは外科的切除が可能ですが、転移性CRCは依然として予後不良で治療選択肢が限られており、アンメットニーズが高い領域です。転移性CRCの一部の患者さんは、分子特性に基づいて個別化治療戦略からベネフィットを得られる可能性がありますが、ほとんどの患者さんには治療選択に有用な遺伝子変異が認められない腫瘍があります6,7,8,9,10

第3相FRESCO-2試験について

FRESCO-2試験は、治療歴を有するmCRC患者さんを対象に、FRUZAQLA+BSC群とプラセボ+BSC群を比較検討する、米国、欧州、日本およびオーストラリアで実施された国際共同臨床試験です(NCT04322539Go to https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT04322539)。本試験は主要評価項目および重要な副次評価項目を達成し、FRUZAQLAの投与により、統計学的に有意で臨床的に意義のあるOSとPFSの改善が示されました。FRESCO-2試験におけるFRUZAQLAの安全性プロファイルは、これまでに報告されたフルキンチニブ単剤療法の試験と一致するものでした。この試験の結果は、2022年9月にESMOで発表Go to https://oncologypro.esmo.org/meeting-resources/esmo-congress-2022/fresco-2-a-global-phase-iii-multiregional-clinical-trial-mrct-evaluating-the-efficacy-and-safety-of-fruquintinib-in-patients-with-refractory-metされ、その後2023年6月にThe Lancet誌に掲載Go to https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(23)00772-9/fulltextされました11,3

武田薬品について

武田薬品工業株式会社(TSE:4502/NYSE:TAK)は、世界中の人々の健康と、輝かしい未来に貢献することを目指しています。消化器系・炎症性疾患、希少疾患、血漿分画製剤、オンコロジー(がん)、ニューロサイエンス(神経精神疾患)、ワクチンといった主要な疾患領域および事業分野において、革新的な医薬品の創出に向けて取り組んでいます。パートナーとともに、強固かつ多様なパイプラインを構築することで新たな治療選択肢をお届けし、患者さんの生活の質の向上に貢献できるよう活動しています。武田薬品は、日本に本社を置き、自らの企業理念に基づき患者さんを中心に考えるというバリュー(価値観)を根幹とする、研究開発型のバイオ医薬品のリーディングカンパニーです。2世紀以上にわたり形作られてきた価値観に基づき、社会における存在意義(パーパス)を果たすため、約80の国と地域で活動しています。詳細については、https://www.takeda.com/jp/をご覧ください。

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将来に関する見通し情報

本ニュースリリース及び本ニュースリリースに関して配布された資料には、武田薬品の見積もり、予測、目標及び計画を含む武田薬品の将来の事業、将来のポジション及び業績に関する将来見通し情報、理念又は見解が含まれています。将来見通し情報は、「目標にする(targets)」、「計画する(plans)」、「信じる(believes)」、「望む(hopes)」、「継続する(continues)」、「期待する(expects)」、「めざす(aims)」、「意図する(intends)」、「確実にする(ensures)」、「だろう(will)」、「かもしれない(may)」、「すべきであろう(should)」、「であろう(would)」、「かもしれない(could)」、「予想される(anticipates)」、「見込む(estimates)」、「予想する(projects)」、「予測する(forecasts)」、「見通し(outlook)」などの用語若しくは同様の表現又はそれらの否定表現を含むことが多いですが、それに限られるものではありません。これら将来見通し情報は、多くの重要な要因に関する前提に基づいており、実際の結果は、将来見通し情報において明示又は暗示された将来の結果とは大きく異なる可能性があります。その重要な要因には、日本及び米国の一般的な経済条件を含む武田薬品のグローバルな事業を取り巻く経済状況、競合製品の出現と開発、関連法規の変更、臨床的成功及び規制当局による判断とその時期の不確実性を含む新製品開発に内在する困難、新製品及び既存製品の商業的成功の不確実性、製造における困難又は遅延、金利及び為替の変動、市場で販売された製品又は候補製品の安全性又は有効性に関するクレーム又は懸念、新規コロナウイルス・パンデミックのような健康危機、温室効果ガス排出量の削減又はその他環境目標の達成を可能にする武田薬品の環境・サステナビリティに対する取り組みの成功、人工知能(AI)を含むデジタル技術の統合をはじめとする、業務効率化、生産性向上又はコスト削減に向けた武田薬品の取り組みや、その他の事業再編に向けた取り組みが、期待されるベネフィットに寄与する程度、武田薬品のウェブサイト(https://www.takeda.com/jp/investors/sec-filings/)又はwww.sec.govGo to www.sec.govにおいて閲覧可能な米国証券取引委員会に提出したForm 20-Fによる最新の年次報告書並びに武田薬品の他の報告書において特定されたその他の要因が含まれます。武田薬品は、法律や証券取引所の規則により要請される場合を除き、本ニュースリリースに含まれる、又は武田薬品が提示するいかなる将来見通し情報を更新する義務を負うものではありません。過去の実績は将来の経営結果の指針とはならず、また、本ニュースリリースにおける武田薬品の経営結果及び情報は武田薬品の将来の経営結果を示すものではなく、また、その予測、予想、保証又は見積もりではありません。

医療情報

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以上

References

  1. Takeda Pharmaceuticals. (2024 April 26). Takeda Receives Positive CHMP Opinion for Fruquintinib in Previously Treated Metastatic Colorectal Cancer [Press Release]. Available here.
  2. Takeda Pharmaceuticals. (2023 November 8). Takeda Receives U.S. FDA Approval of FRUZAQLA(TM) (fruquintinib) for Previously Treated Metastatic Colorectal Cancer [Press Release]. Available here.
  3. Dasari NA, et al. Fruquintinib versus placebo in patients with refractory metastatic colorectal cancer (FRESCO-2): an international, multicentre, randomised, double-blind, phase 3 study. Lancet. 2023;402(10395):41-53. doi:10.1016/S0140-6736(23)00772-9.
  4. Bray F, et al. Global cancer statistics 2022: GLOBOCAN estimates of incidence and mortality worldwide for 36 cancers in 185 countries. CA Cancer J Clin. 2024 [online ahead of print]. doi: 10.3322/caac.21834
  5. American Cancer Society. Cancer Facts & Figures 2024. Atlanta, American Cancer Society; 2024.
  6. Bando H, et al. Therapeutic landscape and future direction of metastatic colorectal cancer. Nat Rev Gastroenterol Hepatol 2023; 20(5)306-322. doi:10.1038/s41575-022-00736-1.
  7. D'Haene N, et al. Clinical application of targeted next-generation sequencing for colorectal cancer patients: a multicentric Belgian experience. Oncotarget. 2018;9(29):20761-20768. Published 2018 Apr 17. doi:10.18632/oncotarget.25099.
  8. Venderbosch, et al. Mismatch repair status and braf mutation status in metastatic colorectal cancer patients: A pooled analysis of the Cairo, Cairo2, coin, and Focus Studies. Clinical Cancer Res.,2014; 20(20):5322–5330. doi:10.1158/1078-0432.ccr-14-0332.
  9. Koopman, M., et al. Deficient mismatch repair system in patients with sporadic advanced colorectal cancer. Br J Cancer. 209;100(2), 266–273. doi:10.1038/sj.bjc.6604867.
  10. Ahcene Djaballah S, et al. HER2 in Colorectal Cancer: The Long and Winding Road From Negative Predictive Factor to Positive Actionable Target.Am Soc Clin Oncol Educ Book. 2022;42:1-14. doi:10.1200/EDBK_351354.
  11. Dasari NA, et al. LBA25 – FRESCO-2: A global phase 3 multiregional clinical trial (MRCT) evaluating the efficacy and safety of fruquintinib in patients with refractory metastatic colorectal cancer. Ann Oncol. 2022 Sep;33(suppl_7): S808-S869. Doi:10.1016/annonc/annonc1089.

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