生活者の様々な脱炭素に資する行動のCO2排出削減効果のデータベース化や社会実装に向けた活用に各社と連携して取り組む
生活者の声をもとに、脱炭素関連商品・サービスや事業の開発を目指す生活者共創型プラットフォームを展開するEarth hacks株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:関根澄人、以下「Earth hacks」)は、環境省や他有志の企業等と連携し、デコ活(脱炭素につながる新しい豊かな暮らしを創る国民運動)(※1)の一環として実施しているプロジェクト「The POSITIVE ACTION Initiative」(以下、「PAI」という。)の取り組みを本格的に始動します。本取り組みは、Earth hacksが提供する独自のソリューションである「デカボスコア*」の導入実績やネットワークを活用しながら、環境省などとともに、生活者が無理なく、主体的に取り組める脱炭素アクションを後押しするものです。生活者による様々な脱炭素に資する行動をCO2排出削減量に換算した数値の策定とデータベース化、またそのデータベースの活用を通じた脱炭素に資する行動の社会実装に取り組みます。
*「デカボスコア」とは、Earth hacksが提供する、製品やサービスのCO2排出量(CO2e、温室効果ガス相当量)の削減率をスコア化した指標です。
1.背景
昨年5月に始動し、デコ活の一環として実施しているプロジェクト「PAI」では、脱炭素につながる新しい豊かな暮らしを創ることを目的とし、下記の項目について共同で検証を行うこととしております(※2)。
・ CO2可視化に係るデータベース(ルール・標準)の策定
・ データベースを活用した社会実装
・ インセンティブに係るルール・標準の設計
また、令和6年2月に策定した、国民・消費者目線で、脱炭素につながる豊かな暮らしの道筋「くらしの10年ロードマップ」(※3)における「基盤」テーマにおいては、「製品やサービス購入に伴うCO2排出量の見える化と、排出削減量に応じたインセンティブ付与が一般化」していることをゴールとして設定しております。
2.当面の取組の概要
上記のゴールの実現に向け、PAIの活動の一環として、今回、生活者の脱炭素に資する行動によるCO2排出削減効果のデータベース作りに取り組みます(PAI内の「標準化分科会」(※4)において実施。)。具体的には、生活者が日々行う脱炭素に資する行動に応じたCO2削減効果について、一定の仮定を置き参照となる値を算定することで、脱炭素に資する行動とそのCO2排出削減効果のデータベースを作成します。
CO2削減効果の参照となる値は、カーボンフットプリントガイドライン(※5)等の既存のガイドライン等(※6)を参照し、各種の行動ごとに、脱炭素に資する行動を行った場合と、行わなかった場合(=従来型の行動)の排出量の差分の考え方から算定を行います。今回、算定を行う脱炭素に資する行動の種類は、100種類以上を予定しており、具体的には以下のようなアクションのCO2排出削減効果を算定します。
車での移動の代わりに、電動シェアリング自転車を利用する
エアコンの設定温度を、標準よりも上げる
レジ袋を利用する代わりに、マイバッグを持参する など
3.今後の展開
データベースの公表は今年度中を予定しております。データベースは一般に公表し、消費者・生活者の脱炭素に資する行動を促進するための仕組み作りやサービス開発等に、広く活用いただくことを想定しています。
また、PAIでは、本データベースを活用して各社がサービス等の社会実装を進めるため、望ましいルール整備やインセンティブ設計の在り方(価値化に繋がる可視化)等について、さらに議論を進めていきます。また、脱炭素に資する行動の機運の醸成に留まらず、各社の持つ消費者・生活者との接点やセンシング等の技術を活用した削減についても検討します。それらの取組に当たっては、ユーザーのプライバシー保護に十分に配慮します。
4.PAIにおける本データベース作成に係る参画企業
令和6年11月現在、PAIの標準化分科会には、以下の企業等が参画しています(環境省及び事務局を除き、五十音順)。
・Earth hacks株式会社
・アジア航測株式会社
・株式会社NTTドコモ
・NTTコミュニケーションズ株式会社
・NTTコムウェア株式会社
・KDDI株式会社
・一般社団法人サステナブル経営推進機構
・パナソニックホールディングス株式会社
・富士通株式会社
・株式会社メルカリ
・楽天グループ株式会社
・ボストン・コンサルティング・グループ合同会社(デコ活応援団事務局)
・環境省
これらの企業等を含め、有志の企業等合計16社・団体が参画、連携しています。
環境省は、本取組をデコ活応援団(官民連携協議会)での呼びかけをはじめ、様々な形で支援し、広げていきます。
(※1)デコ活:「脱炭素につながる新しい豊かな暮らしを創る国民運動」の愛称であり、二酸化炭素(CO2)を減らす(DE)脱炭素(Decarbonization)と、環境に良いエコ(Eco)を含む"デコ"と活動・生活を組み合わせた新しい言葉です。
https://ondankataisaku.env.go.jp/decokatsu/
(※2)環境省2023年5月17日付報道発表:脱炭素につながる新しい豊かな暮らしの実現に向けた「The POSITIVE ACTION Initiative」を始動
https://www.env.go.jp/press/press_01644.html
(※3)くらしの10年ロードマップ:新資本主義実行計画 (R5.6.16閣議決定) に基づき、国民・消費者の行動変容・ライフスタイル転換を促し、脱炭素につながる新しい価値創造・豊かな暮らしを実現するために必要な方策・道筋を示したロードマップです。
https://www.env.go.jp/press/press_02781.html
(※4)PAI標準化分科会:PAIは全体会合に加え、CO2可視化に係るデータベース(ルール・標準)の策定を行う標準化分科会および、データベースを活用した社会実装を検討する社会実装分科会の2つの分科会にて議論を行っています。
(※5)カーボンフットプリントガイドライン:環境省と経済産業省が令和5年3月に公表した、カーボンフットプリントの算定に取り組む事業者等に対する指針を示したガイドラインです。
https://www.env.go.jp/content/000124385.pdf
(※6)上記(※5)のガイドラインのほか、削減貢献量(従来使用されていた製品・サービス等を新たな製品・サービス等で代替することによる、サプライチェーン上の削減量を定量化する考え方)に関する関連のガイドライン等を参照しています。
<参考>環境省 報道発表
https://www.env.go.jp/press/press_04077.html
■デカボスコアとは
Earth hacks が提供する、製品やサービスにおけるCO2排出量*の削減率をスコア化した指標です。従来の素材や手法を用いた商品等と比較し、環境に配慮した工夫によって変化するCO2排出量の削減率を表示し、製品やサービスの環境貢献度をひとめで、わかりやすく伝えます。2022年7月に提供を開始し、2024年10月時点で350以上の製品・サービスへ導入されています。
*CO2排出量とはCO2e(温室効果ガス相当量)を指します。
<共創型プラットフォーム「Earth hacks」について>
「Earth hacks」は、Z世代をはじめとする脱炭素に関心がある方や、まだよく知らないという方にも脱炭素に向けた活動を身近に感じてもらえるよう、自分の生活にも取り入れたいと思えるライフスタイルやエシカルな商品の情報を提供したり、生活者の声をもとに、脱炭素関連商品・サービスや事業の開発を目指す共創型のプラットフォームです。CO2eを従来の製品と比較し、削減率(%)を表示するというユニークなアプローチ「デカボスコア」を企業や団体に提供しています。「Earth hacks」サイト内ではデカボスコアと共に環境価値の高い商品を紹介するなど、企業主体ではなく、Z世代をはじめとした生活者が楽しみながら脱炭素に貢献できる仕組みを提供しています。また、実際のビジネス課題を通じて社会課題の解決を考え、企業と学生が共創するビジネスコンテストプログラム「デカボチャレンジ」も実施し、企業とZ世代の脱炭素社会に資するビジネス共創を促進する取り組みも行っています。他にも、行政・地方自治体に向けソリューションとして「Earth hacks for Local」の提供を開始しています。
□ウェブサイト:
https://earthhacks.jp/
□Instagramアカウント:
https://www.instagram.com/earthhacks.jp/?hl=ja
<代表取締役社長 CEO 関根澄人のプロフィール>
Earth hacks株式会社 代表取締役社長 CEO 関根澄人
2009年東京工業大学院生体システム専攻修了。
環境問題を生活者に伝えていくことを仕事にしたいと思い、博報堂に入社。
様々な企業のブランディングや商品マーケティング業務を担当。
2018年に博報堂従業員組合中央執行委員長を経て、
2020年4月から三井物産に3年間出向。
2022年にEarth hacksを博報堂と三井物産の共同ビジネスとして立ち上げ、
2023年にEarth hacks株式会社を設立。同年5月より現職。
国連気候変動枠組み条約COP28、きさらぎ会、経団連をはじめ、
国内外にて生活者×脱炭素をテーマに多数講演を行うほか、
書籍「答えのない時代の教科書」や日本経済新聞「私見卓見」などでの執筆も行う。
経済産業省 『産業競争力強化及び排出削減の実現に向けた 需要創出に資するGX製品市場に関する研究会』の委員として企業や生活者の環境努力をわかりやすく伝えていくルール作りにも参加。
またJ-WAVE「offの日、どっちっち」では、MCとして日々の無理なく楽しい脱炭素情報を届けている。