Wi-Fi 6に対応したIoT機器向け通信モジュールを量産開始
~IoT機器の普及拡大に貢献~
2022/05/23
株式会社村田製作所
代表取締役社長 中島 規巨
株式会社村田製作所(以下、「当社」)は、Wi-Fi 6※1対応IoT機器向け通信モジュール「Type 1XL」(以下、本製品)を開発し、量産を開始しました。本製品は当社としてWi-Fi 6対応IoT機器向けに初めて提供するものです。
IoT機器は高精細な動画やVR(仮想現実 : Virtual Reality)/AR(拡張現実 : Augmented Reality)などの大容量データの送受信が見込まれています。通信規格の高速化ニーズは高いものの、市場投入に向けた開発難易度や機器認証の取得難易度の高さにより、市場では現在Wi-Fi 5が主流となっています。また、IoT機器は用途別に要求仕様が細分化されており、各分野に向けた機器開発に対応する専門知識を持ったエンジニア確保も課題とされています。このような背景を受け、汎用性が高く、さまざまなIoT機器の要求仕様をカバーでき、導入が容易な通信モジュールのニーズが高まっています。
本製品は当社が通信分野で培った回路設計技術や表面実装技術を活用し、従来製品と比べて実装面積を約50%小型化したモジュールとして高密度設計を実現しています。無線通信に必要な機能をワンパッケージ化しており、本製品と専用ソフトウェア※2のインストールにより、従来のWi-Fi 5対応端末からWi-Fi 6へのアップグレード対応を容易に行うことができます。
当社は、さまざまなお客さまにとって利用しやすい本製品の提供により、社会全体のWi-Fi 6対応IoT機器の普及に貢献していきます。
- ※1Wi-Fi 6 : 無線LANの最新規格の名称であり、IEEE(米国電気電子学会)はIEEE 802.11axという名称でその通信規格を規定しています。すでにスマートフォンやPCなどでは、広く導入されています。
- ※2NXP Semiconductors社がウェブサイト上で提供する、同社製アプリケーションプロセッサ「i.MX」向けのソフトウェア「Linux Board Support Package(BSP)」。
主な特長
- 高い導入容易性
- さまざまなIoT機器に搭載される可能性がある多様なアンテナに対応
- 日本、米国、カナダ、欧州における無線認証を取得済みのためグローバルに使用可能であり、導入時のRF設計や認証取得の時間やコストを削減
- i.MXのLinux BSPを導入することにより、システムインテグレーションの開発工数を削減
- 安定した高速通信を実現
- 複数端末への高速同時通信を可能にするデュアルバンドMU-MIMO※3を採用
- 設計の小型化
- 公規格であるM.2モジュール(22mm×30mm)と比較して実装面積を約50%小型化
- 実績豊富なNXP製チップセットをモジュール化
- IoT機器で活用実績が豊富なNXP製プロセッサとの円滑な連携が可能なNXP製「88W9098」を採用
- ※3MU-MIMO : Multi-user Multiple-Input and Multiple-Outputの略であり、複数の送受アンテナを用いて通信速度の向上を実現する技術であるMIMOを発展させ、複数端末への同時通信を可能にした技術。
主な仕様
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製品名 | LBEE5ZZ1XL |
WAN通信方式 | 2×2 MU-MIMO, IEEE802.11a/b/g/n/ac/ax |
Bluetooth®通信方式 | 5.3 Dual Class 1 |
チップセット | NXP Semiconductors製 88W9098 |
周波数 | 5GHzまたは2.4GHz |
外部インタフェース | Wi-Fi™ : PCIe, SDIO3.0 Bluetooth : UART, PCM |
サイズ | 19.1mm(typ.)×16.5mm(typ.)×2.1mm(max.) |
パッケージ | LGA w/ソルダーバンプ |
EMI対策 | 金属製シールディングケース |
使用温度範囲 | −40°C~85°C |
取得済み認証 | FCC/ISED/ESTI/MIC |
主な応用
セキュリティカメラ、テレビ会議システム、ドライブカメラ、ウェブカメラ、ハンドヘルド機器や超小型アクセスポイントなど、動画やVR/ARなどのデータを扱うIoT機器。
製品サイト
製品詳細はこちらをご覧ください。
技術サポートサイトはこちら。(英語リンクに飛びます)
ムラタについて
村田製作所はセラミックスをベースとした電子部品の開発・生産・販売を行っている世界的な総合電子部品メーカーです。独自に開発、蓄積している材料開発、プロセス開発、商品設計、生産技術、それらをサポートするソフトウェアや分析・評価などの技術基盤で独創的な製品を創出し、エレクトロニクス社会の発展に貢献していきます。
詳細はこちらのページをご覧ください。www.murata.com/ja-jp