上場維持基準の適合に向けた計画書に基づく進捗状況について

2024/02/15  MITホールディングス 

2024 年2月 15 日
MITホールディングス株式会社

上場維持基準の適合に向けた計画書に基づく進捗状況について

当社は、2023 年2月 17 日に、東京証券取引所スタンダード市場の上場維持基準への適合に向けた計画書を提出し、その内容について開示しております。2023 年 11 月末時点における計画の進捗状況等について、下記のとおり作成しましたので、お知らせいたします。



1.当社の上場維持基準の適合状況の推移及び計画期間

当社の 2023 年 11 月 30 日時点におけるスタンダード市場の上場維持基準への適合状況は、その推移を含め以下のとおりとなっており、流通株式時価総額については基準を充たしておりませんが、当初計画のとおり 2025 年 11 月末までに上場維持基準を充たすために、引き続き各種取組を進めてまいります。

株主数 流通株式数 流通株式時価総額 流通株式比率
当社の状況
2022 年 11 月 30 日 1,413 人 8,639 単位 636,579,113 円 40.9%
2023 年 11 月 30 日 1,326 人 8,854 単位 623,161,937 円 41.9%
上場維持基準 400 人 2,000 単位 1,000,000,000 円 25.0%
当初計画に記載した計画期間 - - 2025 年 11 月末 -

※当社の適合状況は、東証が基準日時点で把握している当社の株券等の分布状況等をもとに算出を行ったもので、流通株式時価総額は、事業年度の末日の流通株式数に、事業年度の末日以前3か月間の日々の終値の平均値を乗じて算出しております。

2.上場維持基準の適合に向けた取組の実施状況及び評価(2022 年 12 月~2023 年 11 月)

当社は、2023 年2月 17 日に公表した「スタンダード市場の上場維持基準への適合に向けた計画書」において、上場維持基準を充たしていない「流通株式時価総額」の構成要素である「時価総額」の向上を中心に取り組むことといたしました。

2022 年 12 月からスタートした「中期経営計画<2023 年 11 月期~2025 年 11 月期>」(以下、「中期経営計画」という。)において、時価総額向上のための中期経営計画の基本戦略、成長戦略における重点施策を以下のとおり定め、実行しております。その実施状況及び評価は、次のとおりであります。

(1)基本戦略

着実で安定的な成長が見込まれるシステムインテグレーションサービスを経営基盤とし、DX 市場の拡大を追い風に DX ソリューションサービスの戦略的な拡大成長を目指しております。

具体的には、2025 年に DX ソリューションサービスの売上比率を全体の 20%に引き上げ、自社商材ソリューションである「Wisebook」「DynaCAD」などの高利益率サービスの売上拡大により、全体の利益率を押し上げ、2025 年 11 月期の売上高 60 億円、営業利益率 5%を目指しております。

2023 年 11 月期の売上高及び売上比率の進捗状況は以下のとおりです。

システムインテグレーション売上高(百万円)売上比率(%)前期比(%)DX ソリューション売上高(百万円)売上比率(%)前期比(%)
2023 年 11 月期 4,140 86.5 +7.0 645 13.5 +32.4
2022 年 11 月期 3,869 88.8 - 487 11.2 -

2023 年 11 月期の売上高については、システムインテグレーションサービスは「公共」「金融」「エネルギー」分野のニーズを背景に既存顧客からの受注が堅調に推移したことに加え、新規顧客獲得による案件拡大と受注単価アップや高利益率案件へのシフトにより、当初計画を上回り、売上高は前期比 7.0%増の 41 億 40 百万円(計画比 1.4%増)となりました。

DX ソリューションサービスは、2023 年2月にグループ加入した株式会社ネットウィンクスが手掛ける大規模修繕工事等に伴う足場の仮設計画図などの CAD 製図サービスが売上拡大に大きく寄与しましたが、Wisebook 案件において受注は堅調に推移したものの、一部大型案件の納品が翌期にずれ込んだこと、DynaCAD キャンペーン販売実績が予想を下まわったことなどにより、第4四半期の販売実績が計画から大きく落とす結果となり、売上高は前期比 32.4%増の 6 億 45 百万円(計画比16.0%減)となりました。

その結果、DX ソリューションサービスの売上比率は 13.5%(前期比+2.3 ポイント)となっております。

(2)成長戦略における重点施策

① 人材の確保と育成

当社グループの持続的な成長のために、優秀な人材の確保と育成は今後の重要な課題のひとつと認識しております。中期経営計画の重点施策として、システムインテグレーション会社の従業員を2025 年 11 月末までに 500 名体制に引き上げることを目標として取り組んでおります。

2023 年 11 月期の状況としましては、新卒採用は概ね計画どおりの採用実績となったものの、キャリア採用計画のうち、エンジニア経験者の採用は依然として厳しい状況が続いており、未経験者(他業種からキャリアチェンジ)採用の増員にシフトせざるを得ない状況でありました。その結果、年間増員数は、増員計画 58 名に対し増員実績 21 名となり、計画を大きく下まわることとなりましたが、パートナー会社との協業で要員を確保することができたことにより売上拡大につながり、2023 年 11 月期のシステムインテグレーションサービスの業績においては、当初予定を上回る結果となっております。

引き続き、システムインテグレーションサービスにおいては、新卒採用を主軸とし、海外人材の採用、他業種からのキャリアチェンジを含む未経験者採用からの育成枠を増員して人材の確保に努めてまいります。また、エンジニアとして多様な働き方ができる環境づくりを進めることで、キャリア、年齢、家庭環境などの個別事情による制限をできる限り取り払い、埋もれている優秀な人材の発掘と育成にも注力してまいります。

② 自社商材ソリューションビジネスの拡大

当社グループの自社商材である「Wisebook」「DynaCAD」の高利益率ビジネスへの選択と集中を強化し、DX ソリューションサービスの収益拡大を図ってまいります。

「Wisebook」については、2025 年 11 月期末までに累計導入社数を 3,000 社まで増加させる計画を推進しております。2023 年 11 月期においては、新規導入社数 101 社(累計導入社数 601 社)となっており、2023 年に開始した EdTech サービスを大手専門学校に導入し、新たに教育分野へ参入いたしました。

「DynaCAD」については、公共事業における i-Construction、BIM/CIM の3D化推進の流れに沿った三次元 CAD の DynaCAD CUBE の拡大により、自治体導入数を 300 自治体まで増加させる計画を推進しております。2023 年 11 月期においては、新規導入数 7 自治体(累計導入数 211 自治体)となっております。

③ M&Aによる業容の拡大

2023 年2月1日付けで有限会社ネット企画(2023 年4月3日付けで株式会社ネットウィンクスに商号変更)を連結子会社化いたしました。

同社が手掛けるビルやマンションの大規模修繕工事に伴う足場の仮設計画図・外壁下地調査図などの CAD 製図サービスが加わったことは、図面 DX ソリューションサービスの業績向上に大きく寄与しており、引き続き、当社グループの図面 DX ソリューションサービスとのシナジー効果を追求することで、より一層の企業価値向上に取り組んでまいります。

(3)株主還元策

当社は、株主の皆様への利益還元を経営上の最重要課題の一つと認識しており、利益配分につきましては、将来の事業の発展と経営基盤の強化のために必要な内部留保を確保しつつ、経営成績や配当性向等を総合的に勘案し、安定的かつ継続的な配当を維持することを基本方針としております。また、連結配当性向は、30%以上を目安といたします。

直近の年間配当計画は、次のとおりであります。

2023 年 11 月期(予定) 8 円(連結配当性向 33.3%)
2024 年 11 月期(予想) 15 円(連結配当性向 30.0%)

3.上場維持基準に適合していない項目ごとのこれまでの状況を踏まえた今後の課題と取組内容

当社は、一定数の株主数、流通株式数を維持しておりますが、「流通株式時価総額」については基準を充たしておりません。その主な要因は、流通株式時価総額の主要な要素である株価が上昇基調にないためと考えています。

株価上昇のためには、当社の業績を向上させ企業価値を高めること及び、IR 活動の強化による認知度の向上が必要です。そのために当社は、引き続き、以下の課題に取り組んでまいります。

(1)企業価値の向上

当社の企業価値を高めるためには、中期経営計画の達成が不可欠と考えております。中期経営計画の2年目となる 2024 年 11 月期においては、2023 年 11 月期の課題を踏まえ、重点施策について以下の取組を進めてまいります。

① 人材の確保と育成

・新卒採用は売り手市場の状況が続いているため、MIT グループでの一貫した採用活動を実施。
・引き続き、社員紹介採用の積極的な実施。
・今後拡大が見込まれる未経験者採用に備えた案件の創出と教育制度の充実。
・2025 年 11 月末に向けた 500 名体制計画の見直しとパートナー会社との連携強化による要員確保。

② 自社商材ソリューションビジネスの拡大

・Wisebook の更なるユーザー獲得を目的として、フリーミアムモデルの導入。

※フリーミアムとは、基本機能を備えたサービスをユーザーに無料で提供し、より高度な機能は有料サービスで提供するビジネスモデルを指します。

・DynaCAD は、DynaCAD(2D)と DynaCAD CUBE(3D)を統合し、ユーザーの乗り換えと新規ユーザー獲得により、更なる導入数の拡大を計画。

③ M&Aによる業容の拡大

当社は、事業拡大の効率的な手法の一つとしてM&Aを行っております。今後も、投資効果、対象企業の提供サービスにおける事業規模や成長性、当社グループとのシナジー効果を十分に検討したうえで、当社の企業価値向上につながるM&Aを進めてまいります。

(2)認知度の向上

当社グループ事業の理解と認知度向上のために、決算説明会の定期開催、投資家向け会社説明会の頻度向上、当社ウェブサイトの掲載内容の充実と見直しを継続的に行い、当社グループの事業活動や成長戦略を分かりやすく情報発信することで、当社株式への投資魅力を高め、市場における評価向上に取り組んでまいります。

(3)流通株式比率

当社の流通株式比率は 41.9%(前期比+1.0 ポイント)であり、スタンダード市場の上場維持基準を充たしておりますが、株主の皆様がより当社株式を売買できる流動性を確保するため、当社の大株主及び当社株式を所有する事業法人に対し、保有目的等を考慮しつつ保有株式の全部又は一部の売却について協力を要請するなどの取り組みを実施してまいります。

以上

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